◆スコッツマンを読む会 活動報告 2023年◆
2023年12月16日(土) 15:00〜
1)2023年11月9日付
Report published on subsea tunnels between Shetland isles, after 'economy boost' found from Faroe Islands underground roads
「フェロー諸島の地下道路の経済効果が判明したのち、シェトランド諸島間の海底トンネルに関する報告書が公表された」

トンネルまたはフェリーで、シェトランド諸島の島々を結ぶ計画はかなり進んだ段階にきていると以前からいわれていた。
報告書によると、「シェトランド本島と2つの島(注アンスト島・イエル島)を結ぶためのトンネル計画はコミュニティや経済の発展を助け、カーボンニュートラルに向けての動きを支援する可能性がある」と述べられている。
イエル島とアンスト島の(実働企業グループ)は海底トンネルを発表した後、「我々は気が狂ったのか?」と題した報告が、その場所のトンネルシステムの影響を探るためのフェロー諸島訪問に続いて発表された。フェロー諸島では、全道路網の約11%が現在地下道路(トンネル)であり、コミュニテイや経済に前向きな効果があるとその報告書は述べている。
フェロー諸島のトンネルの内部(UK政府より)
グループはイエル海峡とブルームル海峡にトンネルを通してアンスト島・イエル島とシェトランド本島を結ぶ可能性を調査している。
スチーブン・ヘンダーソンは、イエルトンネル企業グループの共同代表であるが、次のように述べた。

「トンネルを作ることは、カーボンニュートラルに向けて我々の旅を手伝ってくれるだけでなく、我々の共同体の成長と発展やより幅広い経済への機会を提供することは、フェロー諸島の体験で明らかです。また、それはサービスと人口の双方の絶え間のない集中化に対するバランスの再構築に役立つでしょう。フェロー諸島とシェトランド諸島の経済は双方とも伝統的に漁業に強く依存しています。シェトランド諸島ではアンストやイエルでは漁業への依存度が比例して高くなっていて、全労働者の1/3と男の仕事全体の半分を漁業が占めています。鮮度や傷みやすい漁業は移動時間の経済性の重要性は誇張されすぎることはないけれど、なお、フェリーの時刻表やサービス停止のため制限されるフェリーサービスに依存しています。これは経済活動や労働力の可動性双方を制限するビジネスやサービスプロバイダーにとって明らかに重荷です。我々の経済基盤を支え、多様化し、広げていくことは我々の共同体の生き残りと成長にとって不可欠のことなのです」

来月からフェロー諸島は海底トンネル4つを含む22のトンネルをもつことになるだろう。地質の状態がトンネルのデザイン、造り方、補修に影響を与えるため、地質図を作ることの重要性を報告書は強調した。
アンスト島はイエル島と、イエル島はシェトランド本島とそれぞれフェリーで結ばれている。アンスト島トンネル企業グループの共同代表であるアリス・マシューソンは語った。

「その報告書で我々が受け取った圧倒的なメッセージは次のようです。もしトンネル計画を真剣に考えるならば、第一ステップで地質図を作成しなければならない。そのことが、我々が引き受けるつもりの仕事の礎石である。フェロー諸島の地質とシェトランド諸島のそれは異なっているが、取り組むべき仕事と集められるべきデータの基礎となる基本原則は同じである。我々は、海底ケーブル敷設を含む、原油、再生可能エネギー、水産業とそのサービス提供者と既にあるデータ、シェトランド諸島評議会により委託を受けたデータを今求めるつもりだ。これらのデータは我々の地質調査を報告する手助けになる。資金調達の初期段階での我々の目標は、これらの調査を地質工学的コアまで引き上げることだ。これらが達成されれば我々は両海峡のボーリング穴あけと水平穴あけのために資金を求める方向に動き出すつもりである。プロジェクトを前進させるため、(受注)可能性のある開発者のために必要なデータは与えられるべきである」

この調査では、公的及び私的な協力を通し、公共投資や公的な調達/保障ローンを使って通行料金の支払いで資金提供される海底トンネルの資金調達がフェロー諸島でうまく機能しているも判明した。
2023年11月18日(土) 15:00〜
1)2023年10月9日付
Humza Yousaf reveals he 'cannot sleep' as parents-in-law trapped in Gaza
「フムザ・ユーサフ首相は、義理の両親がガザに閉じ込められたので『眠れない』と明かす」

首相は、彼と彼の妻は心配で「眠れない」と言った。
フムザ・ユーサフ首相は、義理の両親がガザに閉じ込められていて、今晩を切り抜けられるかどうかわからないと語った。妻のナディア・エル・ナクラがパレスチナ人である首相は、義父母は親戚を訪問した後、安全な移動を確保することができなくなったと語った。
彼は週末のハマス戦闘員による奇襲攻撃を明確に非難した。イスラエルの報道各社によれば、イスラエルでは73人の兵士を含む約700人が殺害された。ガザ保健省は、子供78人と女性41人を含む493人がガザ地域内で殺害されたと述べた。
Humza Yousaf
フムザ・ユーサフ首相
イスラエル軍は月曜日にガザ地区の完全な包囲を命じ、23万人への食料、燃料、物資の流入を止めた。武装勢力の血なまぐさい侵攻に対する報復としてハマスが支配する地域を空からの波状攻撃を行ったためである。
ユーサフ氏は記者団に対し語った。
「罪のない命が失われるのを見るのは、それがイスラエル人であろうと、パレスチナ人であろうと、罪のない命が失われるのを見るのは恐ろしいことです。胸が痛みます。多くの人が知っているように、私の妻はパレスチナ人です。彼女の父母、私の義理の両親は、ダンディーに住んでいて、スコットランドに住んでいて、ガザに行っていて、現在ガザに閉じ込められていると思います。私の義父は、92歳の高齢で弱っている母親を訪ねました。私たちは過去2-3昼夜にわたって彼らに電話をかけてきましたが、彼らは閉じ込められています。彼らはイスラエル当局からガザは事実上消滅するから、ガザを去るように言われています。しかし彼らには行くところがありません。そして、英国外務省の最善の努力にもかかわらず、誰もどこへも安全な移動を保証できません。ですから、率直に言って、毎日毎晩、ほとんどのガザ人がそうであるように、ハマスにもあるいはテロ攻撃とも、何の関係もない義父母が今晩を切り抜けられるかどうかかわからない状況にあります。私たちは眠ることができません。私たちはしじゅう携帯電話を見ています。メッセージがつながったら、返信を待っています。私は私の家族を心配しています たくさんの人々、例えばスコットランドのユダヤ人コミュニティはイスラエルにいる自分の家族が危険な目にあっていることを心から心配するでしょう。私はすべての人に思いを馳せます。なぜなら、罪のない民間人は紛争とは何の関係もなく、ハマスのテロとは何の関係もなく、人命の損失とは何の関係もなく、彼らはしばしば罪のない人々であるのに、代償を払っているからです」
他の場所で、ユーサフ氏は、イスラエルとガザでの戦闘に巻き込まれたスコットランド人が何人いるかはわからないと述べた。彼は外務省とのコミュニケーションを「良い」と称賛したが、誰がこの地域にいて、彼らがどのように影響を受けたかはまだ明らかではないと述べた。
「残念ながらまだです。私は、何らかの影響を受ける可能性のあるスコットランドのイスラエル人と、影響を受ける可能性のあるガザにいるスコットランド人の両方に関する状況を求めました。まだ正確な数はわかりませんが、外務省との連絡は良好です。彼らは進んで情報を提供してくれましたが、情報が得られ次第、皆さんに詳細を提供できると確信しています」

2)2023年11月3日付
Israel-Gaza war: Humza Yousaf’s in-laws successfully leave Gaza and enter into Egypt at Rafah border crossing
「イスラエル・ガザ戦争:フムザ・ユーサフ首相の義理の両親がガザを離れ、ラファ国境検問所でエジプトに入った」

夫婦は家族を訪ねるためにガザに旅行した後、閉じ込められた

フムザ・ユーサフ首相は、義理の両親がガザを去ることができたことを確認し、家族とともに「深い個人的な安堵感」を分かち合った。首相は、妻のナディアの両親は金曜日の朝にラファ検問所を通ってガザを離れることができたと語った。
ダンディー出身のエリザベス・エル・ナクラとマゲド・エル・ナクラは、ラファ国境検問所を通過してエジプトに入ることを許された92人のイギリス国民の中に名前が挙がっていた。夫妻は紛争が勃発する前に家族を訪問するためにガザに行き、それ以来そこに閉じ込められていた。
ユーサフ氏は家族の状況に関する最新情報、清潔な水が供給されないため海水を飲まなければならなかったことなどを定期的に共有していた。首相夫妻は、この4週間は家族にとって「まさに悪夢」だったと語った。ユーサフ氏とナディア・エル・ナクラさんの声明は、以下のようである。
「ナディアの両親が今朝、ラファ検問所を通ってガザを離れることができたことを確認できて、大変うれしく思います。私たちは、FCDO(外務・英連邦・開発省)の危機管理チームを含め、この数週間、両親を支援してくれたすべての人々に感謝しています。この4週間は、私たち家族にとってまさに悪夢のような日々でした。私たちは、世界中から、そしてスコットランドと英国の政治的スペクトラム全域から受け取ったすべての慰めと祈りのメッセージにとても感謝しています」
ガザ地区の南にあるエジプトとの国境ラファ検問所のゲート近くに座り、顔をおおう男性。(写真:サイード・カティブ ゲッティー・イメイジよりAFP:S)
「私たちは個人的な深い安堵感を感じていますが、ガザの人々が苦しみ続けていることに心を痛めています。私たちは、ガザの無辜の人々の殺戮と苦しみを止めるために声を上げ続けます。我々は、全ての当事者に対し、即時停戦、人道回廊の開設に合意し、ひいては燃料を含む大幅な援助が、あまりにも長い間集団全体への懲罰に苦しんできた住民にもたらされるように、そしてすべての人質を解放するよう繰り返し求めます。ガザとイスラエルの家族は、全く罪のない男性、女性、子どもを失い、苦しんでいます。私たちは彼ら全員のために祈り、国際社会がついに、この地域における永続的平和とパレスチナ人とイスラエル人の権利と生命が平等であると認める永続的な平和の達成に焦点をあてることを祈ります」
ユーサフ氏の義理の両親は「急速に減少する物資」に直面していると以前報じられていた。100人近くの英国民が、金曜日にガザからエジプトに向けて出発できる見込みだ。パレスチナ国境当局が発表した最新のリストには、リストのUKセクションに名前が挙がっている合計127人のうち、英国市民として記載されている92人が含まれていた。
これは、外国籍の人々人が戦争で引き裂かれた地域からラファ検問所を通ってエジプトに安全に移動できるようにするための主要な外交努力によるものである。スコットランド保守党のダグラス・ロス党首は、
「これはフムザ・ユーサフ氏とナディア夫人にとって素晴らしいニュースです。何週間にもわたる苦悩と不安の後、お二人の家族が無事であることを嬉しく思います。彼らが耐えてきた苦痛は、ガザに閉じ込められている、愛する人を持つすべての人びとが経験しています。最優先事項は、閉じ込められている人たちをできるだけ多くガザから安全に継続して避難させることです」
2023年10月21日(土) 15:00〜
1)2023年8月23日付
Nessie hunters hear ‘four distinctive noises’ in search for Loch Ness Monster
「独立したスコットランドは日本の19世紀の明治政府から発想を得て、その経済と制度を近代化するべきである」

ネッシーハンターたちはネス湖の怪物を探すなかで「4つの明確に区別できる音」を聞いている

“信じられないほど興奮している”ハンターたちは、この謎の生き物が何であるのかについて解明に近づきたいと望みながら、50年間で最大規模のネス湖の怪物の捜索が進行中である。
約200人のボランティアが“荒れ模様の”天候に勇敢にも立ち向かいながら、50年ぶりの謎の生き物の捜索に参加した時、ネス湖のモンスターハンターたちは「4つの明確に区別できる音」を聞いていた。
愛情を込めてネッシーとして知られ、1930年代以来スコットランドの民間伝承で人気のあるこの捉えどころのない水の怪物の捜索は日曜日も続き、多数のボランティアがインバネス郊外の有名なスコットランドの湖の岸辺に列をなした。
また、約300人が生中継を通じてこの取り組みにチャンネルを合わせた。
ネス湖調査プロジェクトの船“ディープスキャン”は、捉えどころのない怪物を発見することを期待して、モンスターハンターたちをネス湖の捜索の旅に連れて行く。(写真:アンディ・ブキャナン/ゲッティイメージスを経由してAFP(Agence France Presse)配給)
エディンバラ出身のアラン・マッケンナ氏は、水中聴音器システムを使って船に乗って参加した。彼が言うには、この器械は「ネス湖の水中世界の音を聞くことができる水中マイク」である。
彼は、金曜日のシステムのテストではすでにネッシーの所在に関する疑問が生じていたと述べた。さらに、「私たちが器械をテストしていたとき、それがどこから来ているのか分からない4つの明確に区別できる音が聞こえました」と彼は言った。「私たちはその音の起源が何であるかわかりませんでしたが、それは非常にエキサイティングです」
マッケンナ氏はさらに付け加えた、「週末のスコットランドの天候は荒れ模様で、スコットランド・ハイランドゲームズが75年ぶりに中止になったほどでしたが、それでも私たちは止めなかった。そしてボランティアも止めなかった。
世界中から人々が来ていました。 スペイン、フランス、ドイツから来た人もいましたし、フィンランド人のカップルもいました。
ネス湖のドレスビーチ沖で泳ぐ人々。 50年間で最大規模のネス湖の怪物捜索がスコットランドの高地で始まった。(写真:アンディ・ブキャナン)
「日本、オーストラリア、アメリカから報道チームが来て、本当に良かった。 私たちは皆全員、団結していたようでした。すばらしかった」
ネス湖センターのゼネラルマネジャーであるポール・ニクソン氏は、この湖には探す価値のある「何か」があると感じたと述べ、以下のように付け加えた。「ネス湖の底には何か大きなものが潜んでいると信じています。今や、それが怪物なのかどうかはわかりません。それが何なのかはわかりませんが、湖の底に何かがあると勝手に思っています」
2023年9月16日(土) 15:00〜
1)2023年8月5日付
Independent Scotland should take inspiration from 19th-century Meiji government in Japan and modernise its economy and institutions – Stewart McDonald
「独立したスコットランドは日本の19世紀の明治政府から発想を得て、その経済と制度を近代化するべきである」

1800年代半ばに日本がよく成功したように、他の国々から学ぶことは、独立したスコットランドが気候変動、サイバー犯罪(コンピュータやインターネットを用いた犯罪)やAI(人工知能)のような問題に対処するのに役立つだろう。
スチュアート・マクドナルド(グラスゴーサウス選出のスコットランド国会議員)
ホワイトホール(ロンド中央部の官庁街)を歩くことは、時間をさかのぼることである。英国政府やその公務員のいるその通りは、ジョージア朝邸宅やウェストミンスター宮殿がみられる。そこでは、アステカ帝国(メキシコ先住民が建設した王国、1521年スペイン人に征服される)の最初のれんが築かれる前から、政治家たちがはかりごとをめぐらし、回廊を急ぎ足で歩いてきている。しかしながら、宮殿や大邸宅のように、これらの中に入っている諸組織は近代国家の中心にあるよりも博物館にあるようにしばしば感じさせる。
ホワイトホールのきちんと分けられた各部門を超えて、本当に、政治的経済的関係の密に編まれた網の目は――国内外の諸問題間にあるますますすきのおおい境界をほとんど無視して――世界に広がるようになっている。気候変動、ランサムウェア(データを暗号化したり削除したりして、その復元費用として身代金を要求する有害ソフト)、麻薬取引、AI、不規則な移民は、われわれの時代のきわめて緊急性のある問題に数えられている。しかし、英国政府はこういった複雑な現代問題との取り組み方に明確な考えを示さずに、各部署の責任の間に厳しい限界を示し続ける。
この問題を発言しているのは、私だけではない。シンクタンク改革の最近の文書において、マーク・セドウィル氏(元内閣官房長官、国家安全保障顧問、内務省事務次官、外務省政治局長)は公務員として働く役人を称賛したが、19世紀のウィリアム・グラッドストーン首相なら現在公務員が働く部局で寛いでいたろうと述べた。これはロンドンで警鐘を鳴らすはずである。
それはまた、数十年にわたって英国政府を悩ましてきた問題でもある。しかし、英国国家は相変わらず伝統や一貫性に対する根っからの欲望にとらわれている。これらは平常時の政府のプラスの属性であるが、前にも書いたように、われわれは通常の時代に生きているのではない。われわれが政治制度を打ち立てた土台は、われわれの議席の下で動いており、こういった制度は土台の変化とともに動かなければならない――さもなければ、崩れる危険性がある。

英国政府は明らかに急速に変化する世界と動くことができず、スコットランドには違った物事の処理をする機会がある。独立はスコットランドの人びとに、相互依存の世界の挑戦に順応することができている国々を見て回り、そういった国々から学ぶことによって、新たに制度を打ち立て、現代世界に適した政府を創設する機会を与える。
そのアナロジーをくどく繰り返したくないが、日本の明治政府から引き出すことのできる興味ある教訓があるだろう。19世紀、長い間の政治的経済的孤立を終えて、この新しい日本政府が他の国々が打ち立てた制度、軍隊から郵便制度に至るまでを調査して、最良の制度を自国に再現するために、一群の政治家と学者を世界中に派遣した。
この野心的な計画は思った以上の成功を収め、米作に基礎を置く封建制経済から世界的な超大国に至る日本の急速な推移の少なからぬ礎となった――歴史上のいかなる国もこれほど信じ難い速度で再現しそうにないほどの偉業だった。これを強調するにあたり、現代スコットランドと中世日本とが同じであると言うつもりはない。政府がタブララサ(ラテン語でscraped tabletの意、「白紙状態」の意)の時に見せる可能性を示したいだけである。独立がもたらす可能性を示したいだけである。
今日でさえも、われわれが世界を見回して、独立スコットランドが再現したいと願う事柄を行っている政府の例を見ることができる。こういった例の多くはより素早く機敏によりよくその瞬間に至ることのできる小国家にみられることは驚くに当たらない。アイルランドは国外の同国人と接触を保ち、その穏やかな力を強化するディアスポラ(本来、バビロン捕囚後、ユダヤ人がパレスチナから離散したこと、ここでは国外移住の意)大臣を創設している。一方フィンランドは偽情報やサイバー攻撃のような脅威に対する国の対応を調整し、諜報安全委員会が繰り返し英国で見出したようにすき間をすり抜ける国家安全問題を避けるために、ハイブリッド問題大使を任命している。
同様に、ニュージーランドの首相もその国の国家安全保障担当大臣で、常に政府全体による国家安全保障の取り組みを保証する。こういった国々やエストニア、スウェーデン、デンマークというそのような国々は、小規模の国家が現代の危機の処理をより可能にする政治への新たな刷新的取り組みを、より容易に受け入れることができるかを世界に示している。

独立したスコットランドは英国とは別種の国際的参加者のように見えるだろうけれど、独立したスコットランドはわれわれに最も近い近隣国及びNatoの同盟国と外交・安全・軍事のもっとも近接した可能性のある関係を結ぶように見えることは言うまでもないことだが、そうとも言えないことも多い。スコットランドと英国両国は避けられない地理的な事実により結びついているので、今後数十年、同じ難問の多くと立ち向かうことになるだろうし、両国はスコットランドの大臣や高官がロンドンのそれに相当するメンバーと密接に定期的に接触する、正式な政府間協力機構(現在英国では欠けているものだが)を作るべきである。
スコットランド政府と英国政府間の作業の取り決めが、権限移譲下よりも独立後のほうがより生産的な可能性があることは皮肉に思えるなら、それは現在の体制上の合意の下では力と敬意の不均衡がいかに深いかを示す印として取られるかもしれない。もし英国政府が現代世界に不適切なあのもろもろの伝統と喜んで手を切らないならば、スコットランドの人びとは彼らのためにそれをしなければならない――そして過去にとらわれている政府よりも未来の政府を選ばなければならない。
2023年7月15日(土) 15:00〜
1)2023年5月30日付
G7: Rishi Sunak strikes historic defence and security deal with Japanese leader
「G7:西側諸国の指導者たちは、ロシアと中国が世界経済を人質として拘束するのを阻止するための新たな措置を講ずる」

G7は本日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が同盟国の首脳会談で演説する準備をしている一方、ロシアと中国が世界経済を人質として拘束するのを阻止するための新しい枠組を創設する。
本日、G7は、経済力を濫用して他国に意思を押し付ける複数の国に集団的報復を制定するメカニズムとなる「経済的威圧に関する調整プラットフォーム」の創設を発表する。このプラットフォームは、学者やその他の専門家を雇用して、ロシアや中国を含む大国の活動を監視し、彼らが経済的威圧に関与していると思われる時の対応を調整する。例えば、新型コロナの発生源への調査を求めたことへの報復としてオーストラリア産ワインの輸入を阻止した中国とか、ロシアの独占に近いヨーロッパのガスを弱小国の搾取への使用などがある。
厳島神社を見学する(左から右)シャルル・ミシェル欧州理事会議長、カナダのジャスティン・トルドー首相、イタリアのジョルジア・メローニ首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、英国のリシ・スナク首相、ドイツのオラフ・ショルツ首相、米国のジョー・バイデン大統領、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長。
リシ・スナク首相は次のように語った。「我々は、我々が直面している増大する課題について、先行きを見通せる目をもつべきです。中国は武力を行使することなく戦略的な経済競争を行っています。そして、ロシアがヨーロッパのエネルギー供給を武器にしたとき、それは私たちが私たちの価値観を共にしない国に過度に依存したときに起こりうることへの兆候でした。私たちの集団的経済安全保障は今やこれまで以上に重要です。ともに活動し、友人間の競争を避けることで、私たちは繁栄を高め、より速く革新し、独裁国家を凌駕することができます」
スナク首相は土曜日に、G7サミットとは別にフランスのエマニュエル・マクロン大統領と一対一の会談を行い、その後、すべての指導者の配偶者を含むガラディナーを開催する。金曜日には、スナク氏は、1945年に広島に原爆が投下されたことを記念して建てられた広島の平和記念資料館でのサミットの正式な開会式に出席した。スナク氏はゲストブックに「シェイクスピアは私たちに『悲しみに語らせよ』(※1)と言っています。しかし、爆弾の静かな閃光では言語は力を失います。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは言葉では表現できません。しかし、私たちが心を尽くし、魂を尽くして言えることは、2度とおこさないことです」と記帳した。ゼレンスキー氏は日曜日に広島を訪れ、英国、米国、カナダ、日本、フランス、ドイツ、イタリアの指導者と会談する予定だ。
上記と時を同じくして、家計の歓迎すべき後押しとしてインフレの低下とエネルギー料金の値下げが来週予定されており、ジェレミー・ハント(※2)財務大臣(※3)への早期減税への圧力も高まっている。多くの世帯が購入した商品やサービスの価格の平均上昇を測定する消費者物価指数は、水曜日には既存の10.1%から大幅に低下すると予想される。
エコノミストは、国家統計局が発表する消費者物価指数は、約8〜8.5%に低下するものと考えている。イングランド銀行の予測では、インフレ率は8月から始まる今年の第2四半期に8.2%に達する。来月にいっそうの利上げの可能性を減少させるかもしれないので、インフレ率の低下は多くの住宅ローン保有者にとって安心をもたらす可能性があるだろう。このことは、財務省が国の債務を返済するための支払いが少なくなるので、政府が減税する可能性が高くなる見込みだ。保守党の元党首であるサー・イアン・ダンカン・スミス(※4)は、インフレ率数字が改善されてり、財務大臣に減税のより多くの余裕を与えたと思うと言った。
(※1)「悲しみに語らせよ」
「マクベス」第3幕第4場

(※2)Jeremy Richard Streynsham Hunt (1966年11月-)
英国の政治家。2022年より財務大臣。

(※3)財務大臣(Chancellor of the Exchequer)
イギリスの財政に対して責任を負う閣僚であり、大蔵省の長である。
他国の財務大臣(Minister of Finance)や財務長官(Secretary of Finance)の役割に相当する。イギリスの内閣の四大閣僚(Great Offices of State)の一つと見なされており、近年はイギリス政治において首相に次ぐ政治権力を持つようになった。

(※4)イアン・ダンカン・スミス(Rt Hon Iain Duncan Smith MP、1954年4月-)
イギリスの政治家、軍人。下院議員で現在8期目。保守党所属で、2001年から2003年まで党首を務めた。
前は労働・年金大臣(2010年- 2016年)。軍人時代の最終階級は陸軍大尉
2023年6月3日(土) 14:00〜
1)2023年4月30日付
Kate Forbes rejects reports her supporters are planning 'coup' to replace Humza Yousaf
「ケイト・フォーブスは、彼女の支持者が、ハムザ・ユ−サフの後任にするクーデターの計画をしているとの報道を否定する」

SNP(スコットランド国民党)の党首の候補者争いに敗れたケイト・フォーブスは、彼女の支持者が「影の政府」を運営し、現職の首相であるハムザ・ユーサフを現在の地位から免職させるためのクーデターを計画しているとの報道を否定した。
今年初め、エディンバラのスコットランド議会において行われた党首選の投票の最中、本会議場でハムザ・ユーサフはケイト・フォーブスとハグをする。
タイムズ紙は以下のように報じている。下院の平議員となった元財務長官のケイト・フォーブスを取り巻くSNP関係者が、ハイランド出身のMSP(スコットランド議会議員)への支援の強化を求めようとする国会議員たちとプライベートな会合を行っている。このことについて、フォーブスは、は「到底ありえない」と主張しているにもかかわらず、非常に困難で痛みを伴うリーダーキャンペインの後、再び立候補するであろう。
MSP(フォーブス議員)は、ワイルドカード3番目の挑戦者であるアッシュ・リーガンが脱落した後、2回目の選出投票で、ユーサフ氏に僅差で敗れた。SNPの関係者は、2024年の総選挙がユーサフのリーダーであり、スコットランド首相としての将来におけるキーポイントである、といつものように指摘しており、英国全土での労働党の復活に直面する中で、同時に党としてもかなりの議席減を予測している。世論調査では、同党は次の選挙で10〜15議席を失うであろうが、それでもスコットランドでは最大の政党であり続けるであろうとしている。労働党に20あるいはそれ以上の議席を奪われるような大敗があれば、リーダーシップの課題につながって、ユーサフを致命的に弱体化させる可能性があるだろう。
ケイト・フォーブスは、彼女の支持者達が「影の政府」を運営していること、及び、ハムザ・ユーサフに対するクーデターを計画しているとの指摘を否定した。
タイムズ紙は、フォーブスの支持者は、SNPの財務に関する現在進行中の警察の捜査と、SNPにとって気を引き締める敗北になるかもしれないラザグレンにおける補欠選挙を利用することも望んでいると報じた。これらの支持者には、前企業担当・閣外大臣のアイヴァン・マッキーやフォルカーク・イースト選出のMSPミッシェル・トムソン議員などが含まれており、両者は前財務長官のリーダーシップキャンペーンで重要な役割を果たした人物である。
フォーブスはソーシャルメディア上で、この報道を「ばかげている」といち早く打ち消した。彼女は言った:「私は通常、私のために、そして私について話すとしている「情報源」のいくつかの記事は無視しているが、今夜の最新の「クーデター」記事は馬鹿げている。私は、政策論争に貢献し、党を支援し、甘いささやきが絶えることのない選挙区で働いており、十分に忙しいのです。SNPが分裂し、分断されるのを見たがっている人たちがいるのは知っています。しかし、国として、党として、私たちが直面している課題は、私たち全員が力を合わせることを必要としている。私は自分自身のために発言し、指導者選出の時から、我々は団結し、重要な問題に集中しなければならないと一貫して考えています」
しかしながら、SNP所属の英国国会議員チーフであるスティーブン・フリンは、イアン・ブラックフォードの地位に挑戦するつもりであると報道発表をした後に、同様の主張をしたのである。スタージョンに忠義を尽くす人物に代わって、ロンドンで国民党の党員トップの座に、フリンが取って換わるまでには、ほんの数週間のことであった。このようなクーデターの報道は、ニコラ・スタージョンの夫であるピーター・マレル前最高責任者とコリン・ビーティー前会計責任者が逮捕された党の財政に関する警察の進行中の調査に関する詳細が徐々に出てくるのと平行して行われるものである。両人とも更なる調査は保留中であるが、無罪で釈放された。
サンデー・メール紙は、SNP支持者からの遺言による遺贈は、党財政に関する調査の一部であると報じた。党はここ数年、遺贈による多額の寄付を受けていて、今年初めに選挙管理委員会に報告されたエステル・ブラウンリッグ氏の遺産246,000ポンドもその一部である。
2023年5月6日(土) 14:00〜
1)2023年5月20日付
Kenzaburō Ōe: a writer of real humanity and the real Japan
「大江健三郎さん:真のヒューマニティと真の日本の作家」

3月3日の、日本の作家でありノーベル賞受賞者である大江健三郎さんの死(享年88歳)は、彼の読者の心に深い傷跡を残す。しかし、そのもっとも力強い声であり批評家のひとりを失って、日本人社会にも深い傷跡を残す。
ノーベル文学受賞者大江健三郎さんは
2006年中国江蘇省の南京大虐殺記念館を訪れる
大江さんは文学の巨人であった。日本では政府によって、オープンな政治討論や参加が反対されたり、メディアがしばしば影響を受ける。大江さんは政治に参加した、戦後最後の日本人作家であった。自国についての鋭く容赦のない論評において、政府の国家主義的政策、危険な原子力発電所の存在や天皇制を含めて、民主主義や人権を損なうもろもろの要素を批判した。
彼は天皇から授与される名誉の文化勲章を拒否さえした。彼のオープンな民主的な関わり合いにより、右翼からの暴力的脅威にさらされたり、裁判にかけられたこともあった。
紙面の内外において、彼は、日本に対する強い注意深い関心と、フランス哲学(彼の卒業論文はサルトルであった)からT. S. エリオットやダンテ・アラギエリのような古今の作家に至る、西洋の思想と表現の深い知識とを結び付けた。これによって、その作品がアイデンティティ、不正、故国の探求といった世界的な問題に共鳴する、数少ない日本の知識人のひとりとなった。

戦後日本を勇気をもって描く

1935年生まれの大江さんは、20代で作品を発表した。彼の初期の作品は力のない個人と権力との関係を探った。彼の最初の短編「奇妙な仕事」(1957)では、学生たちは、医学部が実験に使う150匹の犬の殺しを手伝うために、雇われる。学生たちの困った状況は、不気味にも動物の状況に似て、彼自身の戦後の若者たちに語りかける。
1950年代の日本は太平洋戦争とそれに続く米軍の占領による、国家主義的な集団的イデオロギーの敗北で、強力な倫理的政治的モデルを欠いていた。その短編の若者たちは、大江さんの世代のように、明確なアイデンティティと目的を失って、自分たちはその代表とは感じていない不条理なシステムにもてあそばれている。大江さんの中編『セヴンティーン』(1961)は彼の初編の究極の結果として読むことができる。この作品における権利を奪われた若者は、急成長する帝国主義的国家主義的団体の陶酔的暴力行為に、自己を捧げることに慰めを見出す。
大江さんのキャリアは、日本が自らに向かい合って、その戦争犯罪を認め、アジアにおけるその位置を確認することのできない(確認することをしたくない)という内省によって形作られた。1994年ノーベル賞が授与されるや、日本における「あいまいさ」を「現代にはびこる慢性病」と言った。彼の講演において、1968年彼より前にノーベル賞を受賞した唯一の日本人作家、川端康成氏のノーベル賞の講演「美しい日本の私――その序説」に言及した。大江さんのタイトルは「あいまいな日本の私」であった。
川端氏の講演の「美しい」に呼応して「あいまいな」という言葉を用いて、国外のその文化的イメージを支配してきた日本の審美的表現から自分の作品の距離を置くことで、世界的な日本文学の歴史の中に自らを置いた。この表現は禅宗や茶道や(とりわけ)束の間の美の穏やかな理解からできている国のものであった。

ヒューマニティの多様性

その国を自分の見たままに正直に表現するとともに、あいまいで沈黙した日本人のアイデンティティにも重要性を与える。『飼育』(1958)は作家志望者が熱望する芥川賞を獲得し、これで彼は文壇デビューをした。 この物語は島の村のひとりの日本の少年と黒人の捕虜との出会いを描く。
日本では、都会人は田舎の背景――大江さんが本島の南の周縁の最小の島、四国で成長して受け継いだ背景――を持つ人を差別する可能性がある。この物語では、町の人びとは村人たちを「汚い獣のように」取り扱い、今度は村人たちがその黒人の捕虜を同じようにいう。『飼育』は、権力の乱用とそれを誰もがいかに行うことができるかについての不快な物語である。 日本人のアイデンティティの多様性のこういった探索は、彼の作品における空間への考察と交差し続けた。『万延元年のフットボール』(1967)や『水死』(2009)は、周縁部の共同体の物語と民話や代官に対する祖先の蜂起とを関連付けている。この二つの小説は、周縁部の日本人の遺産と記憶とを強調する。また大江さんの作品における都会の窒息するような腐敗に対して、田舎は決して牧歌的な素朴さではないことをこの二作品は示している。それどころか、田舎はまだ暴力と差別の充満する有機的選択肢であるため、それでも活気に満ちてリアルである。
大江さんの作品において、人間性のすべての面――光と闇、グロテスクと残酷――の厳密な描写は、一見相反する要素の和合の可能性を提示する。大江さんは自分の文学を、人間の苦しみを表現し、癒しの可能性を探るヒューマニスティックな努力と見た。誠実に描こうとして、自分の個人的な危機から逃げることは決してなかった。彼は障害児の息子さん、光さんについてよく書いた。それは小説『個人的な体験』(1964)や他の多くの作品を生み出した。
生と死の共存を受け入れることで、彼は次のエッセイ集『ヒロシマ・ノート』(1965)を書いた。そこで彼は原爆の犠牲者の政治的道具化について考察し、彼らの沈黙に対する権利を尊重する必要性を強調する。奮闘する父親としての彼の姿は、原子時代の、人の造り出す災害の影響を受けた人びとについての沈思黙考と重なり合う。原子時代では、絶滅は突然やってくることがある。 大江さんにとって、その規模にかかわらず、それは常に個人的な問題であった。
今、大江さんは彼の愛する故郷の森の木々の間におそらく「行かれて」いるだろう。伝説によると、魂は肉体を離れたのち森に帰るのである。残されたわれわれにとって、彼の記憶が日本と生活の、彼の想像力に富むがリアルな描写の(再)発見につながることが望ましい。その描写は弁解の余地がないほどとても人間的であるので、きわめて力強い。
2023年4月1日(土) 14:00〜
1)2023年2月22日付
Analysis: figures lay bare how the cost-of-living crisis has corroded Scots' personal finances
「分析:生活費の高騰がどんなにかスコットランド人の個人財政を台無しにしたかを数字はむき出しにする」

あなたの真の富の尺度は、もしあなたがすべてのお金を失ったなら、あなたはどれくらいの価値があるかと言われてきている。しかしながら、大きく値上がりして、家計に重くのしかかるエネルギー、食品、住宅費を含めた、生活費高騰の真っただ中で、そのような仮説は個人財政の状況が十分でないと感じるスコットランド人には、多分貴重ではあるが小さな慰めでしかない。このことは最近の財務健全性指数で資産管理者St. James’s Place (SJP)(※1)のレポートで分かったもののひとつである。説明によると、財務健全性指数レポートは英国の富と幸福度を測定し、財産への圧力に対応するに12の地域がどんなに余裕があるのかとか圧力を跳ね返す力があるのかを感じるかを考慮に入れている。
フッツイーワンハンドレッド(※2)は、経済ビジネス研究センター(※3)と共同で開発したその最新の研究バージョンは、英国中の経済格差の程度を浮き彫りにしている。そして、悲しいことにスコットランドは見出しの財政健全性指数におけるスコアの評価が2021年の53.2%から2022年の41%へと最も急激な落ち込み示している。さらに、もっとも最近の数字では、そのリストのトップにある南東イングランドの77.2%の半分の少し上で、しかもそのリストの最後でかなり寂しい11.4%の北東イングランドのそれのほぼ4倍である。
この指数は3つの明確な柱に分解される。つまり、個人個人が感じ取れる経済的幸福、富、そして富の源泉である。そしてこれらの最初のもの(個人が感じ取れる経済的幸福)を見て、すべての地域の大半に劣化がみられるとSJPは言った。
報告書によると、2021年の50.0%から上昇して
スコットランド人の約2/3は経済的に十分だと感じていない。
この指標のためにスコットランドを拡大して上空を飛んでみると景色が痛ましいほど劣化しているとSJP社は付け加えた。同社は1億4千万ポンド以上の運用資産とエジンバラ、グラスゴー、アバディーンを含むスコットランドに支店網を持っている。最後の指数(3番目)でスコットランドがこのランキングでトップであったのであるが、今回は、昨年と比較して61%もの目立った落ち込みがみられ、全体の富と富の源泉となる柱の中では中間に位置していたにもかかわらず、ヨークシャー、ハンバー&北東イングランドに次ぐ、今や下から3番目です。この落ち込みは、ほとんどは、財政的制約が生活の質に影響するのを人々がどのように感じるかという点で91.8ポイント落ちたことによる。

更なる落ち込み

裕福だと感じないスコットランド人は2021年の79.1%から69.6%へ落ち込んでおり、パンデミックのちょうど前には、家庭で最も裕福な10%の典型的な家庭は総資産で1.7百万ポンドを持つ一方、もっとも貧しい10番目の典型的な家庭は、財産を持たないかあるいは私的年金貯蓄しか持たない傾向にあるグループだが、その資産は7,600ポンドしかなかった、ということをスコットランド政府のデータが示した。
適切にフィナンシャルプランを持ち、フィナンシャルアドバイスを受けているスコットランド人が増加していることは心強いと
SJPのアレクサンドラ・ロイドンは言う。
財政的な回復力とは、収入の突然の落ち込みや支出のやむ得ない増加に直面した時金銭面で対処する能力と定義される。英国の回答者の1/3以上は、自分たちをそのような回復力をもたないし、財政的危機に対処するためには2倍以上の富が必要といい、そして回答者の3/5は財政的に十分でないと感じるといった。
the Financial Fairness Trust(※4)の最近の研究では、次のように示された。生活費高騰の始まりから、スコットランド人は光熱費を確保することが厳しいと分かっており(現役世帯の53%の報告)、質を落とした食事をとる(同46%):社交的でないと感じる(同38%)、3つの測定値すべてに関して英国のほかの地域の家庭より悪くなっている。
アレクサンドラ・ロイドン、SJPのパートナーエンゲイジメント及びコンサルティングディレクターは言った。「生活費の高騰で、財政上十分でないと感じるスコットランドの人々の増加していることに驚きはない。これがおそらく幸福に対する彼らの認識が今年もまた落ち込んでいる理由です。その上、スコットランドの住宅価格がウエールズ、イングランド、北アイルランドと比較して2022年は最も低い伸びになったと言われている。このことは財務の健全性に波及効果があるでしょう。

自宅の所有権

北東イングランドと同様スコットランドは主たる富の源泉である住宅価格と公式住宅価格データともに見ると最低の測定値を記録していた。最近の英国住宅価格指数は国家統計局及びHM土地登記所(※5)で公表されているが、そこではスコットランドの平均住宅価格は12月に187,200ポンドであった。11月よりも2.9%低いが12か月前よりは5.7%高い。
しかしながら、スコットランド人は彼らの財政を把握・理解するためにさらに行動している。SJPの報告では10人のうち4人は財政計画を持っていて、2021年の35%から上昇し、英国平均の34%を上回っている。これは(英国の数字は)毎年4%ずつダウンしていたのだ。そしてスコットランドはフィナンシャルアドバイスの受け入れに関してトップにランクされた。困難な状況にもかかわらず適切にフィナンシャルプランを持ち、フィナンシャルアドバイスを受けるスコットランド人が増えるのは心強いことである、とロイドンは言った。さらに彼女は二桁のインフレ、高金利、「激動の」市場の影響は全体として次の数か月悪影響を受け続けるだろうことを確信している。困難の時期に財政状況をコントロールする計画を持つことは短期的にも長期的にも本当に理にかなっている。それはあなたのお金がどこに行くのか理解するため月々の予算を適切に立てることであり、あるいはあなたが本当に購入する必要があるかどうかをあなた自身に問うことであるが、それは、税控除と軽減措置を最大限に活用するため支出を抑えまたは貯蓄を確認するのを毎日継続するのに役立つだろう。これはすべてあなたの財政上のバランスと、あなたがあなたの財政状況をどのように感じているかに対する本当の違いを理解することができます。
(※1)Wealth-manager St.James’s Place
英国の投資運用会社、本社はグロスターシャー州サイレンセスターにある100を超えるオフィスがありアドバイザー、ファンドマネージャー、生命保険事業を手掛ける。ロンドン取引所に上場FTSE100の構成銘柄。

(※2)The FTSE100 company
フッツイーワンハンドレッド ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄で構成される。この100銘柄で、ロンドン証券取引所の時価総額の約8割を占める。

(※3)The Centre of Economics and Business Reseach(Cebr)
ロンドンに拠点を置く経済コンサルタント会社 民間企業や公的機関に経済予測と分析を提供している。

(※4)The Financial Fairness Trust
スコットランドに登録されている慈善団体。

(※5)The Office for National Statistics and HM Land Registry
国家統計局及びHM土地登記所。
2023年3月4日(土) 14:00〜
1)2023年2月1日付
Ian Rankin on the new John Rebus stage thriller that may never see the light of day in Edinburgh
「イアン・ランキン(※1)、エジンバラでは日の目を見ることは決してないかもしれない新しいジョン・リーバス(※2)のミステリードラマについて」

作者とならんで有名なスコットランド人の俳優がジョン・リーバスを演じ、リーバスが殺人事件に巻き込まれる魅力的な新しいイアン・ランキンのスリラーは多くの人にとって夜に劇場で過ごす完璧な方法のようだ。
エジンバラのニュータウンにある豪華なフラットでディナーパーティーが暗転し、引退した探偵が自ら舞台中央に立つことになる。しかし、エジンバラを拠点とする作家ランキンは、彼が書いた殺人ミステリーがかれのホームタウンであるエジンバラで日の目を見るかどうかわからないことを認めている。ランキンはパンデミックによって劇場が余儀なく閉鎖されているとき、劇場がパンデミックから抜け出すのを助けるためこの劇のアイディアを思いついた。すべてのアクションがダイニングルーム一室で展開され、そこでは、親しい人達を集めた女主人が邸宅内の殺人事件を解決するよう客たちに挑戦する食後のゲームを設定した。女性弁護士の付き添いとして招待されたリーバスは、ディナーパーティー中に死体が発見されたとき、彼の刑事としてのスキルを復活させた。
ミステリー作家イアン・ランキン
写真:ジェーンバーロウ/PAワイヤー
「リーバス:悪意と呼ばれるゲーム」は今週イーストロンドンのホーンチャーチのクイーンズシアター(※3)で初演される。これはリーバスが舞台デビュー(※4)してからほぼ5年後であり、このときにはチャールズ・ローソンその後ロン・ドナチーが主役を演じた。「刑事タガート」(※5)に出演したジョン・ミッチーが目下、リーバスを初めて演じる準備をしている。
「ホルビーシティー」(※6)でガイ・セルフを演じた
ジョン・ミッチー
写真:BBC
ランキンは監督のロビン・ルフェーヴル、プロデューサーのダニエル・シューマンとリー・ディーンと新しい劇のためにユニットを組んでいる。ランキンは言った:「劇場を再開するとき彼らは資金繰りが苦しいだろう、それで多くの俳優や多くの場面転換を望まないだろうし、飲み物を提供するための幕間も欲しいだろう。このことは私に、一種の応接室ミステリーのアイデアを与えてくれた。エジンバラのニュータウンで行われる豪華なディナーパーティーで、出席者6人のうち男性の登場人物は3人、女性の登場人物が3人、女性は皆、同じジムに通うことでお互いを知っているが、男性はそうではない。リーバスの知人の女性弁護士は、彼を同伴者として連れて行き、他の2人の女性はそれぞれパートナーを連れてきた。ゲーム内でゲームをほぼ持つというアイデアが私はとても気に入った。解決すべきパズルは2つあり、1つは夕食後のゲームでの架空の殺人であり、もう1つは死体が現れる現実の殺人だ」
ランキンの3番目の舞台劇である「リーバス:悪意と呼ばれるゲーム」は、彼のデビュー作であるDark Roadから10年後に上演される予定だ。Dark Roadはエジンバラを背景にしたスリラーで、リーバスを主人公にした小説とは関係ない。満員札止めの観客をエジンバラで最もよく知られている劇場の一つであるロイヤルライシウム劇場(※7)に引き寄せた。

ランキンはいった、「私が書いた他の劇から多くのことを学んだ。たとえば登場人物は何人まで、場面の転換は何回まで許容できるか、人々が出入りできるのに十分なドアをつけるとかだ。私が最初に書いた劇にはたくさん特殊効果があった。つまり、毎晩失敗の可能性のあるものがたくさんあった。「悪意と呼ばれるゲーム」は非常にシンプルな舞台構成だ。だから、劇場が上演できると思ってくれることを願っている。出演者たちは部屋を出ることはない。場面転換はまったくない。登場人物が少ない、費用を抑えた作品だ。前回のリーバスの劇についてすべての劇場が気づいたもう一つのことは、リーバスのファンが休憩時にアルコールを飲みたがるということだった。、劇場は、通常は劇場に行かない人々がそれを見に来ていることに本当に気づいた。観客はそれが犯罪小説だったから、リーバスものだったから観にきたのであり、チェーホフだからではなかった」 ランキンの前作はイギリス各地を広く巡回した。しかし、ランキンとリーバスのファンは、新しい公演がいつ行われるか、また行われるかどうかを確認するのを待たねばならない。他の劇場での公演日がまだ確認されていないので。「リーバス:悪意と呼ばれるゲーム」は、スコットランドの劇場の不確実性を背景にロンドンで初日を迎えようとしている。リーバスのスリラーの最後の作品が上演されたエジンバラのキングス・シアター(※8)は閉鎖され、改修を待っているが、予算がほぼ9百万ポンドを超えている。ロイヤルライシアム劇場は、経済危機を乗り切るためにプログラムを削減しなければならなかったことを認めている。

ランキンは語った。「私はそれを見るのを楽しみにしている。巡回上演を期待しているが、劇場は今とても慎重になっている。プロデューサーは、以前のリーバスの劇で起こったように、本格的なツアーを検討するだろうが、それはとにかく劇場の同意を得ることだ。劇場はこの作品がどのように受け取られるかを見るために態度を控えていて、レビューが出て、座席が十分に埋まるかどうかがわかるのをまっているように私には思える。劇場のような閉鎖的な空間に戻るのをためらう傾向は、特に特定の年齢の人々にある。しかし、状況は間違いなく緩やかになってきでおり、人々は警戒しなくなっている。エジンバラの誰かがそれに賭けてくれることを大いに期待している。エジンバラでは他のどこよりも確実なことだと思うけれど、どれも私のコントロール下にない。私はただ待って見ていなければならない」
ランキンは、この劇は彼のベストセラー小説とは少し異なる「宇宙」に設定されていると言い、リーバスがごく最近引退した「後期のRebus」と説明している。「この劇は一種の時代を超越した世界に設定されているので、あなたがこれらの登場人物と一緒に劇場にいるとき、あなたは彼らの世界と彼らの時間枠にいてほしい。夕食のテーブルの周りに座っている誰もが、隠している秘密を持っている。これは心理的なスリラーで、この中でこれらすべての登場人物がある段階で秘密を暴かれ、解かれない謎の多くがリーバスによって解かれる」
ジョン・ミッチー、レベッカ・チャールズ、ビリー・ハートマン、エミリー・ジョイス、フォーブス・マッソン、エマ・ノアクスが新しい舞台劇「リーバス:悪意と呼ばれるゲーム」に出演。
(※1)イアン・ランキン(1960−)
スコットランド出身の推理作家。 代表作は『リーバス警部』シリーズ。

(※2)ジョン・リーバス
ランキンのリーバス警部シリーズの主人公。エジンバラのセントレナーズ署の刑事。

(※3)ホーンチャーチのクイーンズシアター
有名なピカデリーサーカスにあるクイーンズシアターではなく、イ―ストロンドンにある映画館を改造した劇場。1953年(エリザベスU戴冠の年)に開館したのでこの名になった。507席。

(※4)Rebus
Long Shadows 2018年9月。

(※5)刑事タガード
グラスゴーを舞台に叩き上げの刑事タガートが主人公の本格ミステリードラマ。1985年に放送がはじまり、2010年までに27シリーズが放映された。ジョン・ミッチーは1995年から2010年まで出演している。

(※6)ホルビーシティ
1999年から2022年までBBCOneで放映された医療ドラマ。`

(※7)ロイヤルライシウム劇場
1883年創建。658席。

(※8)キングス・シアター
創建1906年。1350席。
2023年2月4日(土) 14:00〜
1)2023年1月6日付
Price Harry book: Ex-colonel Tim Collins says Harry has now turned against his ‘other family, the military’
「ハリー王子の本:元大佐のティム・コリンズは、ハリー王子が今や彼の「別の家族である軍隊」に背をむけたと語っている」

サセックス公爵がアフガニスタンで25人を殺害したと公表したことを批判している人々の中に英国陸軍退役大佐、タリバンの上級指導者、元英国国家安全保障顧問などがいる。 イラクで戦闘前に行った演説でよく知られるティム・コリンズ大佐(※1)は、ハリーは今や彼の「別の家族である軍隊」に背をむけたと述べた アフガニスタンのタリバン指導者であるアナス・ハッカニは、公爵が殺した人々を「チェスプレーヤー」と表現したことで彼を非難した。元国家安全保障顧問のダロック卿は、ハリーがそれらの詳細を明らかに「しないように忠告しただろう」と言ったが、一方元特殊部隊員のベン・マクビーンは王子に「黙っていろ」と言った。
サセックス公爵は、アフガニスタンで25人を殺害したことを明らかにしたことで、彼の「別の家族である軍隊」に背を向けた、と引退したイギリス陸軍大佐は言った。

公爵は物議を醸している回想録「スペア」で、彼がアフガニスタンにいた期間について書いた結果、激しい反発に直面することになる。ハリーは、2012年から2013年にかけての最前線での2回目の兵役期間中の6回の出撃飛行の結果、「人を殺した」が、それを誇りに思ってもいないし恥じてもいないと書いている。スペインの書店から回想録のスペイン語の翻訳本を入手したテレグラフ(オンライン)は、ハリーが殺した人々を人としてではなく、盤面から外された「チェスの駒」と考えていたと語っていると報告した。「ですから、私が殺した人数は25です。私を満足で満たす数字ではありませんが、当惑させることもありません」と彼は書いた。

しかし、コリンズ大佐は、ハリーが暴露したことを批判し、これを「悲劇的な金儲け詐欺」と呼んだ。「彼が言っている中で、アフガニスタンで25人を殺害したと言い張っています。陸軍ではこのように行動しないのです。そのうえそれは私たちはこのように考えたりしないのです。コリンズ大佐は、「ハリーは今、かつて彼を受け入れた別の家族、軍隊に背を向け、彼の生まれた家族を激しく非難しました」と付け加えた。彼はまた、ハリーが英国と連邦の人々にとって「異質な」道をたどったと非難し、公爵は「米国のアイデンティティ政治を追求し、そういうものが存在しない場所に人種差別的な発言をしている」と付け加えた。「彼はどんな道を選んだのだろうか?結局、彼が必要としない富を追求して失望と悲惨さだけを、そして彼がひどく必要としている家族と同志からの愛を追求して拒絶を手にしたのです」

ハッカニ氏はツイートしました。「ハリーさん!あなたが殺したのはチェスの駒ではなく、人間でした。彼らには彼らの帰りを待っている家族がいました。「アフガニスタン人の殺害者の中で、良心を明らかにし、戦争犯罪を自白するあなたのような良識を持っている人は多くありません。真実はあなたが言ったことです。私たちの無実の人々は、あなたの国の兵士、軍事的および政治的指導者にとってチェスの駒でした。それでも、あなたは白と黒の「正方形」の「ゲーム」で敗北しました。「(国際刑事裁判所が)あなたを召喚したり、人権活動家があなたを非難したりするとは思っていません。なぜならば彼らにはあなたの言ったことが聞こえないし、あなたの姿が見えないからです。しかし、これらの残虐行為が人類の歴史の中で記憶されるといいなと思います」
ダロック卿はスカイニュースに、ハリーのコメントの後に軍事専門家が提起した安全保障上の懸念を「わずかに」共有したと語った。「アフガニスタンで戦ったすべての人々を尊重しなければなりません」と彼は言った。
「私は国家安全保障顧問だったときに何度もそこに行きました。本当に厳しい環境です、本当に危険な戦争でした、私たちは500人以上のイギリス軍人を失いました。私はそこで戦ったすべての人々を尊敬し、感謝しています。個人的に私が王子に助言していたら、彼がはまり込んだような詳細に対しては反対の忠告をしたでしょう。しかし、それは今公表されています。私はそれが正義の戦争だったと信じています、そしてそれ故に彼がしていたことを彼自身にどのように正当化したかについて書いたことは、私はそれを理解し、受け入れることができます。詳細に関しては、個人的には言及しませんでしたが、今しています」

2008年にアフガニスタンでイギリス海兵隊に所属していた片腕と片脚を失い、いくつかのイベントで会った後ハリーから「本当のヒーロー」と評されたマクビーン氏は、ツイートして「ハリー王子、愛してるよ。でも黙っていろよ。(本は)あんたと付き合いのあった人をおどろかせているよ」といった。「もし誰かよい人がいたら今頃までに彼に止めるようにいっていただろうに」
国防省のスポークスマンは「セキュリティ上の理由」のために作戦の詳細についてコメントしないと述べた。ハリーは、2013年初め、兵役期間の最後のころ、人を殺したことを明らかにして批判された。当時28歳の彼はメディアに、敵を「ゲームから外し」、兵士は「命を救うために命を奪う」と語った。
サセックス公爵は、彼の回想録から暴露が続いた時、彼の身体的暴行疑惑の最中に皇太子がどれほど「激しく怒った」かを、別の章で説明している。ハリーは、王室との和解をまだ望んでいると主張しているが、最初に何らかの説明責任が必要であると警告した。彼は日曜日にノーカットで放映されるITV(※2)のトム・ブラッドビー(※3)とのインタビューで、2019年の猛烈な対立の間にウィリアムが彼を床にたたきのめしたという彼の主張について詳細を語った。
「私は何年もの間抱いていた激しい怒りについて話します、そして私は彼の中にこの激しい怒りを見ました」とハリーは言った。「彼は私に彼を殴り返すことを望んでいましたが、私はそうしないことを選びました」米国の番組グッドモーニングアメリカとのインタビューの一部で、ハリーは、亡くなった母親のダイアナ皇太子妃は、息子たちの壊れた関係について「悲しかった」だろう、と語っている。彼はまた、現在の妻であるサセックス公爵夫人と付き合い始める前に「おそらく偏見をもっていた」、そして英国のマスコミがアメリカの混血女優との関係をどのように扱うかについて「信じられないほど無知」だったとCBSに語った。
(※1)ティモシー・トーマス・シリル・コリンズ大佐(1960年4月30日生まれ)
イギリス陸軍北アイルランド軍退役将校。2003年のイラク戦争での彼の役割と彼の戦闘前夜のスピーチで最もよく知られている。
現在、インテリジェンスベースのセキュリティサービス会社Pinpoint Corporateの創立者の一人であり会長を務めている。(ウィペディア)

(※2)ITV
Independence Television イギリスの大手民間テレビ局。

(※3)Tom Bradby
Thomas Matthew Bradby (1967-) 英国のジャーナリスト兼小説家。
2023年1月7日(土) 15:00〜
1)2022年11月23日付
Supreme Court ruling: Why a de-facto independence referendum is irrelevant and politicians must decide on lawful indyref2 route
「最高裁判所の判決: 第1に、事実上の独立のための住民投票は的はずれであること、第2に、政治家が合法的に2回目の住民 投票への道筋を決定しなければならないということ」

2021年度の最も正当な法的予測に対する賞は、確実に最高民事裁判所長官であり、当法廷の裁判長であるカーロウェイ卿に贈られるだろう。
キアラン・マーチン(※)
昨年 4月、スコットランド議会が独立に関する住民投票を実施する権限を持っているかどうかについて、まったく仮説的な事例で判決を下すことを拒否して、仮に最高裁判所に実際の例が持ち込まれるなら、それは法案が「スコットランド王国とイングランド王国の連合に関係する」かどうかに依存するであろう、と彼は述べた。 そして、このように考えると、彼は「結論に達するのはそれほど難しくないかもしれない」と辛辣に予測した。
そして、それは証明された。 最高裁判所 (スコットランド) の長官であるアレルミュアのリード卿は、彼の同僚が仕事をいかに迅速に完了したかを歓迎することで、彼の発言は口火を切った。 そして彼らの見解は強調されていた。「スコットランド議会はウェストミンスター議会によって設立された」という最初の言葉とともに、リード卿は、ホリールードに対するウェストミンスターの完全で絶対的な法的優位性について、微妙ではあるが決定的な表明をした。 この問題に関して精通している評論家は、この瞬間から我々がどこに向かっているのかを認識した。
ロンドンのイギリス最高裁判所の外で、独立についての住民投票を実施する権限をスコットランド議会に与えるか、または拒否するかの最高裁判所の判事による決定を待っている人々。
写真:アーロン・チョウン/PA Wire
起こったことを過度に大げさにしないことが重要である。 この法的な結果は予測可能であり、予測されていた。裁判官がしたすべては、ほとんどの専門家が予想したように法律を解釈することだけだった。 最高裁判所の判決を待ちながら座っている政治に関わるすべての人々の中には、どこかアメリカ的な何かがあったが、イギリスはアメリカではなく、イギリスの最高裁判所は──幸いなことに──政治的に扱われるということはない。最も熱心なナショナリストでさえ、2016年の EU離脱からの怪しげな「国民の敵」という無意味なことを繰り返す正当な理由はない。
判事たちは、正確さ、明快さ、スピードをもって仕事をした。 スコットランドは軍事的な圧制に苦しむ植民地ではないという彼らの最も政治的」な観察でさえ、明らかに正しく、そして国際法において適切に背景とともに考察されていた。 2012年1月に公表された最初の住民投票に関するスコットランド政府の諮問文書は記憶しておく必要がある。それはイギリス政府の合意に基づいて住民投票が行われることが明らかになる以前のことであるからである。このことはアレックス・サモンドという人が記す次の前文に含まれていた。「スコットランドは抑圧されていなく、解放されることを求めていない」。 スコットランド国民党(SNP) の法廷への提出文書に内在する「植民地主義」という主張 (スコットランド政府のものではないが) は思慮のないものであり、当然のこととして却下された。 このようになることは最初からわかっていたように、政治に戻って来る。 実際、結果がどうであれ、それは政治に戻って来たであろう。住民投票を認めるという衝撃的な決定があったとすれば、統一主義者が参加したかどうか、そしてロンドンの政府がその結果の実行を公約したかどうかに焦点が移ってきたであろう.独立はこれまでも法的な問題にならなかったし、これからもなることはないだろう。 それは政治的なものである。 スコットランド政府とより広範な運動が求める独立の形式は、武力による独立ではなく、イギリス政府と合意した交渉による分離である。 つまり、プロセスのある段階で、ウェストミンスター(イギリス議会)はホリールード(スコットランド議会)とプロセスに同意しなければならないということである。 それが実現可能でない限り、独立への道はない。 この完全に正しく明白な判決に続いて、スコットランドの政治は、独立の追求が正当な政治的な強い願望とみなされ、国の主要な政治問題であるというばかげた状況にとどまっていることである. しかし、それを達成するための合法的で民主的な方法は現在のところない。

しかし方法はあるはずである。 そして、それに同意して決定するのは政治家の責任である。
より強硬な統一主義者の何人かは、正しくも、ほとんどの民主国家は自身による分裂を認めていないと指摘している。そして、イギリスが何故そうすべきなのか理由を尋ねている。 その答えは、イギリスは1998年協定を通じて、北アイルランドによる独自の分割を認めているということである。 それは2014年にスコットランドに方法を提供したということである。イギリスースコットランド同盟が実際に自発的なものであるならば、たとえハードルが高くても、それを離脱することを決定する何らかの方法が必要である。したがって、多数派がそう望む場合、スコットランドがどのように独立できるかという政治的問題に対応されなければならない。 ゴードン・ブラウン元首相が率いる委員会の長期に待ち望んだ報告書に続く、労働党の次期政体改革案がこの問題に対応するであろうかどうかは、これからのことである。

統一主義者たちが現在、この不合理と向かい合わなければならないのを救っているのは、スコットランドは独立の問題で深く分断したままであるけれど、せいぜい3分の1以上のスコットランド人が賛成していることで、さらなるきわめて破壊的な住民投票を短期的には急いでいないということである。 しかし、はるかに多くの人々が中期的には住民投票が行われることに満足している。 だからその問題は消えないだろう。 そして、「今はその時ではない」と言う人は、ゆくゆくはその時が来ることを理解しなければならない。
このプロセスを通してのスコットランド政府の行動は、完全に合法で平和的かつ民主的であり続け、首相の反応はその傾向の中で続いた. したがって、彼らに開かれている唯一の合法的かつ民主的な選択肢は、できるだけ多くの機会にできるだけ多くの票を獲得しようと務めることであり、ウェストミンスターに独立に向けてのメカニズムに同意するように圧力をかけることである。

2024年の総選挙が独立に関する事実上の住民投票であるかどうかという問題は的外れである。 唯一の重要な問題は、スコットランドの独立が多数派の支持を得ているとみなされるかどうかであり、もしそうならば、そしてウェストミンスターが再び法的な権限を使って住民の意志をテストすることを抑えようとするならば、もそういうことが起きれば、イギリスはもはや自由意志の国家とみなすことはできなくなる。
これらすべてが意味することは、独立をめぐる白熱した争いが、当面は、スコットランドの政治における支配的な問題であり続けるということであろう。 スコットランドのナショナリズムが独立への道を決して訴訟に持ち込むつもりはなかったように、統一主義もまたそれを訴えることはできないであろう。

キアラン・マーチン教授(CB)(※)は、オックスフォード大学ブラヴァトニク行政大学院の教授。 英国の元上級公務員であり、連合の下で憲法長官として、2014年の独立住民投票の枠組みであるエジンバラ協定の交渉を支援した。
(※)(CB)
バス勲章(英語:Order of the Bath)は、イギリスの騎士団勲章(Order)のひとつ。

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