◆ホワイトヘザークラブ 活動報告 2016年
2016年 12月17日(土) 13:00〜15:00 参加者12名
「Baloo baleerie」バルーバリーリ
「Is there for honest poverty」(A man’s a man for all that)何と言っても人は人
「The water is wide」悲しみの水辺
「The road to the isles」島々への道

今日はネットで見つけてくださった新しい方の参加もあり、部屋一杯の参加者でとても賑やかな会になりました。
まず、1曲目の「Baloo baleerie」は別名「Bressay Lullaby」で、スコットランドの北の地方の子守唄。ララバイと言ってもそのように作られたものが多い中、これは正真正銘子供を寝かす時に歌われた子守唄で、本当に簡単で素朴、優しい歌です。歌詞の中で「来ないで、妖精よ」という部分の「peerie faeries」が可愛いものではなく、いたずらをしたり、赤ちゃんを盗んだりする存在とのこと。こんなに素朴でかわいい歌ですが、例えば病気や悪魔など、その時代の人々が何を恐れていたかなどの様子がわかるのですね!

2曲目の「何と言っても人は人」ご存知ロバート・バーンズの中でも最も良く知られているものの一つで、自分の国の良い所を並べて自慢するのではなく、もっと博愛的な歌詞なのでスコットランドの国歌的な扱いも受けている曲。ハギスセレモニーでもパイパーの演奏するこの調べに先導されて、ハギスが入場します!You tubeで議会の開始の時に歌われている映像を見て、びっくりしました。ただ歌詞はとても難しく、歌うのはなかなか大変!スコットランドでは中学校で学ぶそうで、勿論内容はみんな知っていますが、実際には1番と最後の5番が普通歌われるとの事です。

今日はまた2月のスコティッシュデイでご披露する歌の曲決めもしました。
皆さん発表にもだいぶ慣れたのか、積極的な意見が出て、いろいろ歌ってみて検討した結果、「The water is wide」と「The road to the isles」に決まりました。
次回は1月の末の予定、新曲に加え、上記2曲も練習いたしますので、皆さまふるってご参加ください!
2016年 10月15日(土) 13:00〜15:00 参加者7名
「My Bonnie lies over the ocean」ボニーは海を越えています
「She Moved Through the Fair」くるくるとお祭りの中を
「Westering Home」西の故郷へ

遠い昔に音楽の授業だったか英語の授業だったか、学校で習っていて、アメリカの歌だとばかり思っていた「My Bonnie lies over the ocean」が、実はスコットランドの歌で、ボニーというのはボニー・プリンス・チャーリーのこと(!)と知り目からうろこでした。イングランドとスコットランドが戦っていた時代、堂々と名前も出せず公にサポート出来なった時代に、あたかも恋人やわが子に呼びかけるようにボニーのことを歌っていたのですね!それが、アメリカに伝わって、世界中で有名になったそうです。ビートルズも歌い、古いエラ・フィッツジェラルドやレイ・チャールズのジャズ版も珍しく、いろんなアレンジを聞き比べました。スコットランドの子供たちは、小学校で習い、身振りをつけて歌うとか!きっとかわいいでしょうねえ!

2曲目の「She Moved Through the Fair」は、古いケルトの歌で、結婚直前に亡くなった恋人を想い出し、夢の中で幽霊になったあの子が足音もせずにやってきて「もうすぐ一緒になれますわ!」とささやく……考えようによってはちょっと怖いですが、古い歌詞がいろいろ合併して今の形になったそうです。メロディは単純なのですが、拍子感がなくて、ちょっと歌うのが難しく、スコットランドでも仕事しながら口ずさんだりしますが、多くは歌に自信のある人がパフォーマンスとして歌うことが多いとのこと、しみじみ心に染みる美しい曲でした。

3曲目の「Westering Home」は、小学校で習い、ウオーキングする時などに元気よく歌う歌だそうですが、子供たちから見ると“ど”スコッチすぎてダサい!という感覚だそう。もともとアイルランドの古い歌「Trasna na d'Tonnta」(波を越えて)という歌をHugh Robertsonが1920年頃訳したそうで、西の故郷とはアイラ島のこと。「私の愛するアイラ島、みんなが待ってるあの島へ急いでいきたい」という歌詞で、ホグマネイなどには手拍子を交えて必ず歌われる歌だそうです。 私達も元気よく歌いました! 次回は12月の予定です。皆さまの参加お待ちしています。
2016年 8月27日(土) 15:30〜17:30 参加者12名
「Carrickfergus」キャリクファーガス
「The Water is Wide」悲しみの水辺

台風の接近で雨が心配されましたが、何とか雨にも会わずむしろ少し涼しくてしのぎやすい一日になり、多くの会員が集まりました。今日は歌詞の1番がほとんど同じ意味を持ち姉妹編と言われている、スコットランドとアイルランドの2曲を取り上げました。

「The Water is Wide」(悲しみの水辺)は、数年前NHK朝の連続ドラマの「花子とアン」や「マッサン」の中で歌われたため日本でも流行った「広い河の岸辺」という曲の元歌で、別名「O Waly Waly」としても良く知られ、讃美歌にもなっています。
実は17世紀にジェイムス・ダグラス公爵とレディ・バーバラ・アースキンが結婚しますが、女性の方が浮気の噂を流されて結局破局、二人は別れることになるという実話を下敷きにしたもの。「社会的、年齢的、あるいは境遇の障害などを乗り越えて愛する人と結ばれたい、しかしそんな試練を経た愛も最初は甘美で優しいが、やがて老いが訪れ朝露のように消えてゆく」という永遠の主題は、その後の歌にも多くの影響を与え、いろいろな国で、様々な歌詞で歌い継がれるようになります。試しにウィキペディアで検索してみると、その祖先、いとこ、子孫にあたる曲なども紹介されていて驚きました。
You Tubeの音源も本当に沢山のヴァージョンがあり迷うほどで、日本でも昔、白鳥英美子や伊東ゆかりも歌い、最近ではクミコが歌ってヒットしました。今日はB・ブリテンのアレンジしたクラシックのヴァージョンを視聴し、とても新鮮でした。

一方の「Carrickfergus」は、北アイルランドの海沿いの街の名前で、18世紀に起源をもちますが、19世紀になっていろいろな人たちに歌われてイギリスでも流行しました。
明らかに「The Water is Wide」の内容と同じ部分があり、「The Water is Wide」では「河が広くて渡れない、飛んでゆく翼もない、二人を運ぶボートがあれば一緒に漕いで行けるのに。」という歌詞が、こちらは「海は広く泳げない、空を飛ぶ翼もない、二人を運んでくれるハンサムな船乗りがいたらいいのに。」と替わっていて、boatがboatmanになっているのがとても面白いと思いました。

どちらの曲も、3拍子系と4拍子系のものがあり、いろいろなアレンジがあり、両方のリズムで歌ってみました。
またどちらも言葉はそれほど難しくないのですが、詩の解釈がなかなか深くて難しく、後半解釈を巡っていろいろな意見が出て盛り上がりました。

次回は10月後半の予定です。
2016年 6月18日(土) 13:00〜15:00 参加者12名
「The Keel Row」キール・ロー
「Caledonia」カレドニア

今月は、トラディショナルな古い歌「The Keel Row」と比較的最近流行った新しい歌「Caledonia」を習いました。

「The Keel Row」は、恐らくイギリス全土の小学校で低学年の時に習うノーサンバーランド地方の歌だそうで、最初にノーザンブリアンスモールパイプの演奏、そしてクラシックスタイルの演奏、さらにはおしゃれに編曲された合唱バージョンやハイランドパイプに合わせて踊るダンスの演奏を視聴しました。イングランドとスコットランドの境目にあるノーサンバーランド地方の方言はジョーディと呼ばれ、大変独特なものだそうで、Keel は石炭を運ぶ底の平らな船のこと、昔炭鉱で栄えたタイン川流域で働くハンサムな若者を想って歌う軽快な歌でした。中間部は見慣れない言葉が多く、小学校で習う時は省かれているそうですが、繰り返しがあるので何回も歌ってクリアしました。

「Caledonia」は、1970年代に20代のDougie MacLeanがヨーロッパを旅していた時にフランスでホームシックになり、この曲の半分を書き、これがビールのCMに使われて大変有名になり、注文が相次ぎ後半部分を書いたそうです。「カレドニアがいつも私を呼んでいる、だから私は今帰るの。」とスコットランドを想って歌う内容で、その後いろいろな歌手がカバーし、大変ヒットして、2009年のロバート・バーンズ生誕250年のお祝いの年にはスコットランドを盛り上げるキャンペーンソングにもなりました。作曲者がギターでしみじみ歌っている映像とケルティック・ウーマンの華やかなヴァージョンを視聴し、みんなで楽しく歌いました。

次回は8月後半の予定です。
2016年 4月29日(金) 15:00〜17:30 参加者10名
「The Road to the Isles」島々への道
「Rigs o' Barley」(Corn rigs)大麦のリグ

連休初日にも拘わらず、ちょっと間があいていたこともあり、とても楽しみにされていたいつものメンバーが集まり和気藹々、歌った後の親睦会でもこの春にスコットランドを旅した会員たちのお話をうかがったり、とても楽しいひとときになりました!

「The Road to the Isles」は、ちょうど100年前、まさに第1次大戦の頃イギリス軍に従事するスコットランド兵のために作られた行進曲で、スコットランド音楽特有のリズム、スコッチ・スナップがとても効いていて、歌詞も彼らにとって懐かしい地名が沢山出てきて、歌っているととても元気が出てくる、まさに「どスコッツ」な歌でした。もともとバラ島で歌われていたメロデイが採譜されたそうで、その後正式にパイプチューンや軍隊の曲にも採用されたとのことです。
「cromach」というのは、曲がりくねった杖のことで映像を見てびっくり!またキュイリン山脈、タメル湖、ランノホ湖、モーラル湖などなど、出てくる地名をグーグルマップで探すと彼らと一緒に歩いている気分、「いつかこの歌の通りに旅してみたいね!」という話も飛び出して一同とても盛り上がり、みんな元気よく歌えました!

2曲目の「Rigs o’ Barley」は、ダンスチューンの「Corn rigs」という名で良く知られた曲で詩はバーンズ。「収穫祭の夜、大麦やトウモロコシを収穫した後の畑で、月の光に照らされて、大好きなアニーと幸せな夜を過ごす」という内容で、若い男女が大麦を収穫している様子が背景に流れるyou tubeの映像を見ながら、産業革命の前のスコットランドの農業の情景にも思いをはせました。ただ、歌ってみるととても音が多いので、言葉をはめるのが大変!そのためダンスで知っているメロディとはちょっと変えて簡単なメロディにしているヴァージョンがいろいろあるようです。

今日も楽しく盛り上がり、すでに終了時間を過ぎていましたが、最後に1曲目の「The Road to the Isles」をもう一度元気に歌って、そのあと親睦会になりました。
チャールズ先生からも「3年前に始めた頃より、みなさんとても歌が上手になった!」とお褒めの言葉もいただき、みんな大喜び!また、最新のBBCのニュースで「合唱がガンに効く」との報告があったとのこと、身体にも良い「ホワイトヘザークラブ」、会は毎回完結ですので、ご興味のある方は是非ご参加くださいませ!
2016年 1月30日(土) 13:30〜15:30 参加者11名
「The Lea Rig」リーリグ(未耕地の稜線)
「Fear a bhata」イーラ・バータ(船こぐ人よ)
「Kelvin Grove」ケルビン川の畔の木立

新曲は「Kelvin Grove」1曲でしたが、とてもシンプルながら、歌いやすく美しい歌でした。
ケルビングローブとはグラスゴーの広大で大変美しい公園で、今は有名な美術館などもありお金持ちの多く住むエリアだそうです。若い男性がお金持ちのお嬢さんに恋する気持ちをせつせつと歌った愛の歌ですが、身分が違うからお父さんに反対されるだろう……もし自分は戦争に行って倒れてしまったら泣いておくれ……とどうやら片思いのようです。曲は古くからあり、詩はバーンズの晩年の頃に生まれたThomas Lyleと言われていて、グラスゴー近郊の小学校では必ず習う歌だそうです。シンプルでとても美しいメロデイなので、クラシック系は勿論、フォークのようにも、又複雑なアレンジの合唱バージョンなど、いろいろの演奏も楽しみました。

2月のスコティッシュ・デイでご披露する歌の復習もし、練習しました。
初めての方もいらっしゃいましたが、皆さん真剣に歌われてクリア!
本番当日は「Fear a bhata」は「ゲール語でスコットランドの文化を学ぶ会」の皆様と一緒に歌い、「The Lea Rig」はダンスでも有名な曲なので、歌の後は「タータン・クラブ」の方たちのダンスもご披露されます。 ホワイトヘザークラブの中でも何人もの方が踊られますので、皆様、当日、どうぞお楽しみに!

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