◆スコッツマンを読む会 活動報告 2014年
2014年 12月6日(土) 15:00〜 参加者7名
1か月間が空きましたが、2014年9月18日付「スコットランド独立:スコットランドは独立反対を選択」(後半)を読みました。

1)2014年9月18日付
ScotlScottish independence: Scotland votes No
「スコットランド独立:スコットランドは独立反対を選択」(後半)

結果発表:
クラックマナンシャー(SNP支持地域)反対派が53.8%(19,036票)賛成派は46.2%(16,350票)
オークニー(自由民主党が拠点とする)独立反対67.2%(10,004票)賛成が32.8%(4,883票)
シェトランド 反対派は63.71%(9,951票) 賛成派36.29%(5,669票)
ウエスタン・アイランドのエレン・シア 反対派が僅差で勝利
インバークライド 反対27,329票 賛成派27,243票(49.95%)
レンフルーシャー 反対票53% 賛成47%(有権者数117,612人)
ダンディー 賛成57%(投票者数が251,237人、投票率 78.8%)
ウエスト・ダンバートンシャー 賛成が33,720票で54%
ミッドロシアン 反対派33,972票(56%) イーストロジアン 反対派61.7%(両地区の反対票合計は44,283票)
スターリング 反対票59.8%(37,153票)
フォルカーク 反対票が53%(58,030票)
ダンフリー地区 反対65.7%(106,673票)
イースト・レンフルーシャー 反対票63(英国で一番政治的関心が高いと言われる地域。投票率90.4%)
イースト・ダンバートンシャー 反対票が61%。
アバディーン・シティ 反対票59%
ノース・ラナークシャー 反対110,952票 賛成115,783票が(労働党の支持基盤)
パース・キンロス 反対票が60.2%。
グラスゴー 反対票46.5%、賛成票53.5%
ボーダー 反対票67%。

グラスゴーでの集計時に10件の不正選挙疑惑が発生し、調査するために警察が呼ばれた。人々が投票所に現れて投票しようとすると、すでに済ましたことになっていたという。だれか他人の振りをして投票し、その後で本人が投票に訪れるという、成りすましの可能性がある。



スコッツマンを読む会」では2年にわたって住民投票に関する記事を読んできました。9月の住民投票の結果をみて、メンバーの感想をまとめました。

もともと誇り高い独立国だったスコットランドだから、連合王国の一員としてイングランドよりもやや低い地位のパートナーでしかない現状に不満を抱き、独立国を再び目指したいという国民感情は十分理解出来る。
しかしイングランドの住民が五千万人いるというのに、スコットランドには五百万人しかいないという現実を見る時、もし独立国となった場合国民一人あたりどれ程税負担が増えるだろうかと考えると、簡単に賛成とばかりは言えないのではないだろうか。現在スコットランドには内政や、税制、医療、教育などの権限は委譲されているが、これに防衛、外交まで負担しなくてはならないとすると、国民にとって、これがどれ程の負担になるだろうか?それに通貨や、EU参加の問題もある。

今回のレファレンダムは、独立推進派の意図に反する結果に終わったが、最終的にはスコットランドは平衡感覚のある判断を下したと思う。この住民投票は、独立を目指す場合にとるべき最善の手段の一つを示したものとして、高く評価されるべきであると考える。武力による独立闘争は、罪なき人々を殺傷したりその生活を破壊したりするだけで、目的を達成することは不可能だろう。今の世界が自分たちの正当性を戦の勝ち負けで血を流すことが多い中で、民主主義を勝ち取るための長い歴史を持つ英国だからやれた快挙だとつくづく思う。英国という国にあらためて敬意を払いたい。

結果はほぼ予想通りだったが、YESの上回った地区が4地区(Dundee, Glasgow, North Lanarkshire, West Dunbartonshire)だけだったのは意外だった。投票率(84.6%)は住民の関心の高さを示している。さらに得票の差もわずかであり、独立賛成派、反対派ともにスコットランドを深く愛していることが見える。独立反対に投票した人たちは、独立への希望と現状維持の願いのジレンマがさぞ深かったろうと思う。得票率の僅差からそれがうかがえる。YES側は健闘したというべきだろう。敗れたとはいえ、どの程度までか定かではないが、さらなる自治権の拡大の言質を取っている。
1603年の同君連合に戻ったようで、UKもドイツのような連邦国家になっていくのかな、と思った。

若者の多くは独立賛成の意思表示をしたようだが、経験を積んだ成人層は現状維持を選択したものと思われる。
我々としても、スコットランド人の友人の大部分と同じように、彼らが連合王国に留まることを決めたと知って、ほっと胸を撫で下ろしている。

スコッツマンを読む会では、今後スコットランドの英国内での立場がどのようになるのか、約束された自治権の拡大がどのように実行されるのか、注目していきたいと思う。
2014年 11月1日(土) 15:00〜 参加者7名
1)2014年9月20日付
Party leaders won’t attend UK devolution Q&A
「党首達は連合王国の権限移譲についての質疑応答に参加せず」

2014年9月18日付「スコットランド独立:スコットランドは独立反対を選択」(後半)の担当者が都合でお休みだったので、急遽2014年9月20日付「党首達は連合王国の権限移譲についての質疑応答に参加せず」を読みました。

ノッティンガム北部選出のグレアム・アレン議員が議長を務める、政治と法体系改革委員会(the Political and Constitutional Reform Committee)は今日エディンバラを訪れ、スコットランド労働党の院内幹事のリーダーであるルイス・マクドナルドとスコットランド法体系改正センターの専門家たちと政治家にスコットランドが住民投票で独立をしないことを選んだ後、どのように連合王国全体の権限移譲を進めるかについて質問する予定だった。しかし、連合王国の主要3政党の党首ディビッド・キャメロン、エド・ミリバンド、ニック・クレッグはその招待を断り会場に現れなかった。

アレン議長は「我々がエディンバラにやってきたのは連合王国の権限移譲合意の今後について意見を言ってもらうためです。この訪問で、またその結果得た意見によって、我々は、連合王国全ての地域の政党から彼らが、どのように連合王国全体に広がった権限移譲についてみているか、そしてどの形の合意が私たちの国の形の未来に最良なのかを聞きたいと思っていました。連合王国議会の党首が一人も、彼らの作った、皆の知るところの公約について私たちの委員会との討論の招待を受け入れなかったことに、私は率直に言って失望している。」と三党首を批判した。
2014年 10月6日(土) 15:00〜 参加者6名
1)2014年9月18日付
ScotlScottish independence: Scotland votes No
「スコットランド独立:スコットランドは独立反対を選択」(前半)

今日、スコットランドは自国でこれまでに行われた中でも最も激しい政治運動の結果、独立を拒否し英国残留を決めた。
史上最多の投票者を集め、民主主義の勝利と称賛された住民投票が実施され、スコットランドの人々は307年間続いてきた連合の継続に票を入れた。

45%に上る反対票は、2年半にわたる激しく時に緊迫感を伴う運動の結果であり、英国の法体制を永遠に変えてしまうのは確かだと思われる。スコットランド議会への権限委譲を拡大するとした、住民投票運動中の英国議会の党首たちによる約束についてデービッド・キャメロン氏は早朝の声明でその概要を述べ、連合王国を一つにまとめたうえで、スコットランドだけではなくイングランド、ウェールズ、北アイルランドにもより大きな権限の委譲を行う必要があると言明した。

ニコラ・スタージョンスコットランド副首相は、今後スコットランド議会にこれまで以上の権限が委譲されるよう英国議会の他の政党と協議していくつもりだと述べ、この投票結果は現状維持を指示するものではないと強調した。連合維持派の3党は皆、すでにスコットランドの権限拡大についての案を作成しており、今後合意の上で年末迄に日程を決めて一月末迄には法案を発表するとのことだ。
労働党のジム・マーフィー議員はまた、次の総選挙(2015年5月)でも16歳、17歳にも投票権を与えるべきだと思うと語っている。投票権を拡大して、昨日の住民投票でより多くのティーンエージャーが投票できたのは大成功だったというのがマーフィー氏の主張だ。英国中で「より広い」法体制の変革がおこなわれるべきだという主張が聞かれる。
2014年 9月6日(土) 15:00〜 参加者9名
1)2014年8月6日付
Independence: Fiery debate but no clear winner
「討論は激しく、勝敗は決まらず」

アレックス・サモンド氏とアリステア・ダーリング氏がSTV(スコティッシュ・テレビジョン)のテレビ討論で昨夜激突した。
これは世論調査会社のイプソス・モリの協力でグラスゴーの王立音楽学校でイエス、ノー、態度不明の有権者たちの代表を特別に選んだ350人強の聴衆の前で行われた。

ダーリング氏は真っ向からポンド問題を攻撃し、スコットランドがポンドの使用を得られない場合、プランBの概要を示すよう繰り返し要求した。サモンド氏がポンドはスコットランドとイングランドのものだといったのに対し、ダーリング氏はポンドは英連邦のものであり、通貨統合は税や歳出の関係上経済統合を必要とし、通貨の統合は政治の統合があって成り立つと繰り返した。
独立しながらポンドを使うことは「他国の通貨を使って他国に迷惑をかけることになり、それは第1級の愚行です。」といい、独立に関連するリスクを語り、スコットランドの税収の15パーセントは減少しつつある北海石油収入から来ていると言った。

ダーリング氏は、独立は「盲目的な信念」の問題であってはならないと述べ、「私はスコットランドに繁栄してほしい。私たちは皆そう望んでいます。しかし危機に瀕しているのは私たちの愛国心ではなく、私たちの国の将来であり、私たちの子供や孫たちの将来なのです。家族と国への愛のために時にはノーということが最善な時もあります。私たちがUKから離れることを決断した場合後戻りの道はありません。二度目のチャンスはないのです。私はスコットランドをより強くするために、英国の強さを利用したい。私たちは、両方から最善のものを持つことができます。健康と教育にかかわる完全な権力を持つ強いスコットランド議会と、もっと強い権限が保障されることです。独立にかかわるリスクを要りませんというほうに投票することは変化はいらないということに投票することではないのです。」

一方サモンド首相はより公平な社会を作ろうと、独立スコットランドのヴィジョンを力強く語り、彼の人生の半分以上の間スコットランドは我々が選んだのではないウェストミンスターの政党によって支配されてきており、彼はこれを変えたいのだと言い、「これらの政府は私たちに人頭税から寝室税に至るまでのすべてを与えてきて、そして今同じ人々が我々は自分たちのことを動かすこともできないといっているのです。」「非常に成功」したグラスゴーのコモンウェルスゲームズに出場した71か国のうちの49か国ばスコットランドと同じ規模かスコットランドより小さい国で、EU加盟国28のうちの12か国も同様である。
「これらの国のうちスコットランドに恵まれている、自然資源や人的資源を有している国はわずかでしかない。」と言った。
「だから、スコットランドが独立国として成功し得るということは、今夜の共通の認識として共有されなければなりません。」
「私の今夜の主張は次のようです。この国に住んでいて働いている人よりも、スコットランドをよりよく動かすことができる人は誰も、誰もいません。9月18日にはで私達は一生に一度のチャンスを持っています。私たちは、両手でその機会をつかむなければなりません。」

サモンド氏は経済問題に関してはスコットランド政府の経済諮問委員会による報告を引用した。諮問委員会は一連の選択肢を提示したが、最も良い選択肢がポンド共有だったのだから、ポンドの共有がスコットランドとイングランドの両者に利益をもたらすのだと論じ、反対案の提示は作戦であり怖がらせるのを意図したものだ、と言った。
また会場近くのフードバンク(食料銀行)とクライド湾にあると核兵器の存在とを対比させ、
「この街でとその周辺で35のフードバンクがあり、子供もいる何千という家族に食事を提供しています。この豊かな国で何千もの子供のいる家族がフードバンクに依存しているのに、ここにはヨーロッパ最大の密度で大量破壊兵器があり、英国政府は£1000億ポンドを費やしてこれらの大量破壊兵器を維持するつもりでいます。この£1000億ポンドにはスコットランドの富の£80億ポンドが含まれています。これはどういうことでしょう?」
サモンド氏はスコットランドは過去5年間で過去30年間の英国の平均より、£80億ポンド多く税金を支払ってきたと主張した、これはスコットランドの多く人々のための生活水準を確保し得る金額だ、と述べた。

終了後両者とも勝利を宣言した。しかし最終的にはICMの調査では56パーセントがダーリング氏が勝ったと思ったのに対し、44パーセントはサモンド氏が勝ったと思ったという結果が出たのでBetter Togetherが一歩先んじた。世論調査はダーリング氏の勝と認めたが、両者ともブローの応酬はあったが、破壊的なノックアウトを繰り出すことはできなかった。

前にSTVの討論番組で他の賛成、反対の政治家が出演したものは20万人もの高い数字を示していたが、昨夜の番組の視聴者数はこれをはるかに超えるものと予想された。

2014年 8月2日(土) 15:00〜 参加者8名
1)2014年5月23日付
「大火が貴重なグラスゴー美術学校を飲み込んだ」
Fire engulfs iconic Glasgow School of Art

チャールズ・レニー・マッキントッシュの建築上の傑作、スコットランドで最も愛された文化遺産の一つであるグラスゴー美術学校に火災が発生し、建物内部の約3分の1が焼失し、有名なマッキントッシュ図書館も失われてしまったという。
学校のアーカイブを保管していた地下室で、プロジェクターが爆発したのが火元と思われる。火は建物の西側の半分に沿って5つの階のすべてを焼き尽くした。有名な図書館と建物の最上階にあったヘン・ラン廊下、――それは職員や学生には「マック」として知られていたが、――は完全に破壊されてしまったようだ。

テレビ・キャスターであるとともに作家でもあるミュリエル・グレイは、この美術学校の理事会の議長も務めているが涙をおさえて語った。「被害者は一人も出ませんでしたが、それが一番大切なことなのです」。
消防本部の指揮官たちの昨晩発表によれば「建物の90%以上は使用可能で、品物も70%まで保護されている。その中には多くの学生の作品も含まれている」。GSAは英国の芸術家社会に多くの才能を排出しているが、彼らは昨日インターネットなどのソーシャルネットワークを通して、彼らの悲しみを表明した。今年の「ターナー賞」の候補者4人の中で、3人まではこの学校で学んだことがある。

2014年 7月12日(土) 15:00〜 参加者8名
1)2014年4月30日付
Mortonhall ashes: ‘Life of uncertainty’ for parents
「モートンホールの遺灰:親にとって『定かでない命』」(後半)

エディンバラ市の火葬場、モートンホールでは、創業当初は遺灰は遺族に渡さないことが方針だった。
その後焼却方法が変更されてもその方針の変更を怠った。それが2012年に明るみに出、親に知らされないまま長い間赤子の遺灰が「思い出の庭」などに埋葬され、散布されたことが明らかにされた。前法務総裁デーム・エリッシュ・アンジョリーニによる11カ月にわたる調査によると、火葬の過程で骨が残ったばかりでなく、赤子の遺骨と大人の遺骨が「広範囲に」混ざったことが明らかになった。赤子の遺灰が火葬炉と煙道の掃除の際に掃除機で集められ、ごみ収集用容器の隣にある土地に埋められた可能性もあった。

モートンホール・スキャンダルが現れて以来、アバディーンやグラスゴーの火葬場についても同様の危惧が持ち上がっている。この報告書には、エディンバラ市議会や他の関連機関によって提示される22の勧告が含まれている。
主なものは

・エディンバラ市議会は火葬が管理される方法を再検討し、最近親者に業務を提供する最善のやり方を確保するためにしっかりとしたシステムを導入すること。
・火葬場運営者は火葬場の意識改革を行うよう継続して指導し、援助すること。
・議会は将来の最も効果的・実際的・安全なやり方を確認するために、スコットランド政府に包括的全国的調査を行うように要請すること。「遺灰」ということばを法で定義するように請願すること。
・生存不可能な胎児の火葬の法的規定を設けること。赤子の火葬の結果がどうなるかを明らかにするために、議会は火葬の申請書を改定する緊急の方策を取ること。赤子の火葬された遺骨の埋葬地は、常に医療記録とともに記載されなければならないこと。
・「思い出の庭」の隣の土地、それが品位ある記念物に発展することができるなら、その土地の条件に取り組む直接的な手立てを講ずる。
・悲しみに暮れる親は決定する時間的余裕を与えられなければならないし、助産婦の訓練の義務付けを考えなければならない。
2014年 6月7日(土) 15:00〜 参加者5名
1)2014年3月28日付
Scottish independence: EU deals pensions blow
「スコットランド独立:EUは年金制度に打撃を与えた」(後半)

昨年末にEU委員から「EUの2003年年金指令書が再検討される時には、国境をまたぐ年金制度には十分な資金が必要との条件は放棄されるであろう」という強い示唆があったが、その後EU域内市場・サービス担当理事が「いつも十分な資金が必要との国境をまたぐ制度の条件は変更なしで保持されるべきである」との指令書を公表し、アレックス・サモンド首相に打撃を与えた。

いくつかの年金関連の組織の代表者が懸念を語った。
英国には約6,300の確定給付型の年金制度があり、その4分の3がイングランドとスコットランドにまたがっていると仮定すれば、これらの年金制度は独立後には国境をまたぐものとして再定義されなくてはならない。全体の赤字はおよそ3億ポンドでと推測され、企業が穴埋めしなければばらない不足額は2億2千5百ポンドに上るだろうだろう。
2016年3月の独立の前にその巨額な年金のブラックホールを埋め合わなければならないとなると雇用者にかなりの危機を押し付けることになる。英国における年金システムは財源の共同化を通じてうまく機能しているが、独立すれば一生懸命働いてきたスコットランドの人々の年金を危機にさらすことになる。あるいは年金制度の破滅を意味するであろう。スコットランド人は年金について専門家を信じるか、アレックス・サモンドを信じるかの選択を持っている。

スコットランド政府の反論は、「英国政府にEU委員会と年金問題を議論し、公式な話し合いをするように繰り返し要求していた。国境をまたがる基金の規則の緩和はヨーロッパの生保業界に支持されていた。独立に関する白書はスコットランドが独立した場合誰でもが公平に加入できる効率的な年金システムのための計画を示している」

2)2014年4月30日付
「モートンホールの遺灰:親にとって『定かでない命』」(前半)
Mortonhall ashes: ‘Life of uncertainty’ for parents

1967年2月にオープンしたエディンバラ市の火葬場のモートンホールでは、創業当初は高温で焼却したので、死産・胎児・新生児の遺灰は残らないということで、遺灰は遺族に渡さないことが方針だった。その後焼却方法が変更されても、その方針の変更を怠った。
それが2012年12月にドロシー・メイランドによって明るみに出、親に知らされないまま、長い間赤子の遺灰が「思い出の庭」などに埋葬され、散布されたことが明らかにされた。待望の報告書が赤子の最終の休息所について親は「定かでない生涯」と向き合うことになるという結論を出した後、悲しみに暮れる親たちはモートンホール・スキャンダルについて十分な公式調査を行うように要求した。
2014年 5月3日(土) 15:00〜 参加者9名
1)2014年1月26日付
Film tells story of Scot behind Japanese whisky
「フィルムが語る、日本製ウイスキーを支えたスコットランド人の物語」

日本唯一の公共放送局NHKが毎朝放映する人気抜群の15分の連続ドラマで、本年後半期にスタートするドラマ「まっさん」では、日本人以外の女性が初めてのヒロインとなることが発表された。

ニッカウイスキー株式会社の創業者である竹鶴政孝とその妻ジェシー・ロベルタ・カウン(リタとしても知られる)の物語で、2000万人以上が視聴すると期待される。「まっさん」とはリタが夫を呼んだ名から取られた題名で、この番組では、日本製ウイスキーの製造を夢見た日本人とそのスコットランド人妻に焦点が当てられてゆく。

日本では多くの人から国産ウイスキー産業の母と見なされているが祖国の酒を創り出す手助けをした女性であるのに、彼女は自分が生まれた国ではほとんど知られていないままだ。 政孝がグラスゴー大学で有機化学を専攻し、スコッチウイスキー作りの秘密を学んでいた1920年に、この二人がいかにして出会い、結ばれたのか。それにまつわる物語は日本ではよく知られている。
竹鶴夫妻は非常に高く尊敬されているため、夫妻が共に歩んだ人生を讃える記念館があり、またリタを熱愛するファンクラブは、余市にある夫妻の蒸留所への旅を毎年続けている。

『スコットランドのウイスキー蒸留所』の著者である日本人ウイスキーライター、ウド ミサコによれば、リタは、政孝の夢の実現に非常に重要な役割を果たしたという。
「リタがいなければ、政孝は彼が実際に行ったことを達成することはなかっただろうと私は思います。また彼自身の蒸留所を築くこともなかったでしょう」とウドは言った。
「リタは物心両面で政孝に多くの援助を与えたのです。」
近年、ニッカのウイスキーは常に世界でトップクラスの一つに選ばれている。また余市の大通りは「リタ・ロード」と呼ばれている。

2)2014年3月28日付
Scottish independence: EU deals pensions blow
「スコットランド独立:EUは年金制度に打撃を与えた」(前半)

昨年末にEU委員から「EUの2003年年金指令書が再検討された時には、国境をまたぐ制度には十分な資金が必要との条件は放棄されるであろう」という強い示唆があった。ジョン・スイニー財務長官はこの変更に期待した人たちの一人で、今月早々の彼の論評にも反映されていた。
しかし昨日EU域内市場・サービス担当理事マイケル・バーナー氏が「いつも十分な資金が必要との国境をまたぐ制度の条件は変更なしで、保持されるべきである」との指令書を公表し、レックス・サモンド首相に打撃を与え、スイニー財務長官の希望を打ち砕いた。スコットランドは住民投票で独立賛成となれば大規模な年金のブラックホールに直面したままとなる。
2014年 4月5日(土) 15:00〜 参加者8名
1)2014年1月19日付
Lost Rabbie Burns manuscripts set for exhibition
「失われていたラビー・バーンズの手書き原稿が展示される予定」

50年以上行方不明になっていたロバート・バーンズの作品を集めた、非常に珍しいコレクションがスコットランドに里帰りしてからの百年祭を祝い、バーンズ・ナイトに合わせてスコットランド国立図書館で展示される。
グレンリデル・マニュスクリプトと呼ばれるこのコレクションは「シャンタのタム」と「信心深いウィリーの祈り」を含み、その価値は少なくとも300万ポンドと信じられ、めったに一般人には見ることができない。

また、この手記はバーンズの友人で、ダムフリース州、フライアーズ・カースに住む有力者ロバート・リデル・オブ・グレンリデルにあてて書かれているが、リデルとバーンズはリデルが1794年に亡くなる少し前に、言い争いをしたため、バーンズはこの手記をリデルの妹から引き取ろうとした。
結局、その手書き原稿はバーンズの伝記作家カリー博士の手に渡ったが、博士はそれを彼の息子に譲り、その息子の妻はそれを1863年にリヴァプール図書館に寄贈したのだが、その後次々と何人かのアメリカ人の収集家の手に度会、しばらく行方不明になっていた。

最終的には、フィラデルフィアに住むアメリカ人の収集家ジョン・グリベルの手元に再び姿を現した。
1914年にグリベルは手稿を「永久にスコットランド国民の手元に」保存するという条件でスコットランド国立図書館に寄贈した。しかしこの取り決めは第1次大戦勃発により実行されたのは1921年になってからだった。
2014年 3月1日(土) 15:00〜 参加者9名
1)2014年1月11日付
Labour in despair on school meals, says Salmond
「労働党は学校給食問題で頭を抱え込んでいる、とサモンド首相」

長年スコットランド議会議員(MSP)を務めてきた労働党のヘレン・イーディー氏が昨年亡くなったため、1月23日に補欠選挙がおこなわれるのだが、議席を確保するのはジョーアン・ラモント氏率いる労働党が非常に有力だとみられている。

アレクサンダー・サモンドスコットランド首相は昨日、インバー・キーズィングでスコットランド国民党(SNP)候補者ナタリー・マクガリー氏と合流し、次のように語った。労働党は自党のMSPたちがトーリー党に賛同して小学1年から3年の給食無料化案に反対票を投じたため、「党仲間であるMSPグループのわけのわからない行動に、頭を抱え込んでいる労働党の地方議員がスコットランド中にいるはずです。MSPが話を捻じ曲げて、この重要な社会的利益への反対を正当化したのは恥ずべき行為であり、今回の補欠選挙はカウデンビース選挙区の有権者がそれに対して判定を下す機会になります」。

サモンド氏はまた、ジョージ・オズボーン氏から英国中に公共支出の財源を配分するバーネット算定式(※)を廃止したいというかなりはっきりとした意向を聞いたとのことだ。もし実行されれば、スコットランドの財源から40億ポンドが失われてしまうだろう。しかしスコットランド労働党のアナス・サルワル副党首は、ロッホゲリーで今日おこなわれる連合支持派グループであるユナイテッド・ウィズ・レイバーの会合に先立ち、次のように反論した。「国民党の人たちは、英国政府が社会的公正を達成するために何もしてくれたことがないといいつつ、国民健康保険制度(NHS)や社会保障制度を守るためには独立する必要があると得意になっていっていますが、これらの制度は、労働党が英国中を対象として考案し、立ち上げ、実施したものです。」
1月23日の補欠選挙では労働党が圧勝でした。

※英国政府がイングランド以外の地域に支出する補助金を算定するため1979年以降採用した算定式
2014年 2月1日(土) 15:00〜 参加者9名
1)2013年11月26日付
Scottish independence: Salmond unveils white paper
「スコットランドの独立:サモンド氏が白書を発表」(後半)

アレックス・サモンドスコットランド首相は、昨日「スコットランドの未来―独立スコットランドへのガイドブック」と題した歴史的な白書を発表した。白書の発表は長期にわたる権限委譲キャンペーンが重要な段階にさしかかっていることを意味し、来年9月18日の投票に先だち有権者にSNP政府が示す最終的な提案である。白書には有権者を独立賛成派に引き込もうとする政策を盛り込んでいるが、目を引く提案は大幅に増やした保育への対策だ。

一部の世論調査では性差によって10ポイントの差があったので、女性有権者を独立賛成支持に引き込もうとするため、2025年まですべての3-4歳児、一部の2歳児を対象にし、小学生と同等の無料の保育が与えられる。この計画で35,000人の職を必要とする。この計画で女性達が育児の費用を心配せずに働く自由が得られる。しかしこの計画は昨夜反対党から激しい反応を呼び起こした。彼らはこの提案を導入するのを妨げるものは今何もない。児童福祉はスコットランド政府のゆだねられているといっている。

白書は政府の責任範囲全般にわたって政治姿勢を詳細に述べており,ポンドは維持、国営宝くじは現状維持、BBCスコットランドのスコットランド放送サービスへの置き換えを公約し、BBCやITVの人気番組は独立賛成投票後も見ることができるとしている。さらに議論の種になっている「寝室税」などの連合政府の福祉政策の廃止を約束し、結婚税控除の廃止、ユニヴァーサル・クレジット導入の終結が公約に含まれている。
スコットランド水域からトライデントを排除することを約束し、さらにポンドの維持も公約している。スコットランドはEUとNATOからも受け入れられるはずと白書は言っているが、確たる証拠は示されていない。白書ではNATO加盟の意味するところは、トライデントはクライド湾から排除されるがNATOの艦船は、核武装をしていることを確認も否定もなくスコットランド水域に進入が許されると言うことである。

白書の中心は、独立賛成の投票後、2016年のSNP政府が樹立された場合の多くの政策改革である。独立賛成投票後、有権者は別の政府を選ぶことも可能であることをサモンド氏は認めている。予算に関してはほとんど触れていないので、SNPが政権を取った場合に含まれている「主張」に対して反対党は激しい攻撃を開始した。
Better Together(独立反対派)のリーダー
アリステア・ダーリング:
「白書は基本的で重要な質問に信頼できる回答を与えていない。我々はどの通貨を使うのか?誰が住宅ローン金利を定めるのか?税金はどれくらい上がるのか?我々は将来の年金や給付金をどのように支払うのか?」
スコットランド保守党党首
ルース・デヴィッドソン:
「スコットランド政府は650ページの白書で通貨問題に2ページ程度をさいただけで、この2ページですら、SNPはこれを実行する立場にないという空言だらけだ。」
スコットランド自由民主党党首
ウィリー・レニー:
「これまでの主張の要約と予算をつけていない政策の解説書を手渡されました。」
ダウニング街からは素っ気ない反応しか受けていず、デヴィッド・キャメロン首相からは正式のコメントはないという。
2014年 1月11日(土) 15:00〜 参加者8名
1)2013年10月29日付
Scotland a place to see in 2014 says Lonely Planet
「ロンリー・プラネット社はスコットランドを2014年の見どころと推奨」

有力旅行案内誌ロンリー・プラネット(※1)は2014年のスコットランドをブラジル、南極に次いで訪れるべき場所の第3位に挙げた。スコットランドでは2014年に世界的行事として、コモンウェルス・ゲームズ(※2)、ホームカミング・イヤー、グレンイーグルズでのライダー・カップ(※3)やエジンバラ・フェスティバルなどが計画されている。
グラスゴーはコモンウェルス・ゲームズに先立って都市改造が行われているため、特に取り上げられている。
エジンバラは「トランシルバニア以外では最もゴシック様式を残した街」として紹介されている。
バノックバーンの戦い(※4)を、戦場跡で3次元映像で再現する催しやCeltic Connectionという音楽祭も推薦されている。
また2014年の国民投票にも焦点を当てており、アレックス・サモンド首相を「現代のウィリアム・ウォーレス」と述べている。
2014年に見どころと紹介されたトップ10ヵ国は以下の通り
1 ブラジル 2 南極 3 スコットランド 4 スウェーデン 5 マラウィ
6 メキシコ 7 セイシェル 8 ベルギー 9 マケドニア 10 マレーシア
(※1) ロンリープラネット(Lonely Planet):同名のタイトルシリーズを持つ旅行ガイドブック、およびその出版元である出版社。1973年創業。
2004年現在、118の国と650タイトルを数え、英語による旅行ガイドブックのシェアは25%で、世界一。
(※2) コモンウェルス・ゲームズ:英連邦に所属する国や地域が参加する国際的な競技会2014年にグラスゴーで開催される。
(※3) ライダーカップ:ヨーロッパ−アメリカの対抗戦として2年に一度行われているゴルフの大会。
(※4) バノックバーンの戦い:ロバート・ブルースが1314年に対イングランド戦で大勝利を収めた戦い。
2014年はこの勝利戦の700年目にあたる。
2)2013年11月26日付
Scottish independence: Salmond unveils white paper
「スコットランドの独立:サモンド氏が白書を発表」(前半)

アレックス・サモンド氏は昨日「スコットランドの未来―独立スコットランドへのガイドブック」と題した歴史的な白書を発表した。
これは独立後のスコットランド政府のためのSNPマニフェストの役割を果たすものであり、この白書を提示してサモンド首相は有権者を独立賛成派に引き込もうとする政策を盛り込んでいる。

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