◆スコットランドを語る会 活動報告 2011年◆
【第52回】 2011年11月11日(金) 18:00〜 参加者11名
発表者:大石 晃士さん
テーマ:「快楽亭ブラックの一代記」

スコットランド人の足跡探訪に参加した会員にはお馴染みの名前かと思いますが、この奇抜な名前を名乗るスコットランド人の生涯を、大石さんは紹介してくれました。
彼の父親ジョン・ブラックも大物のスコットランド人で、文久2年(1862)に日本にやって来るとすぐに、英字新聞や邦字新聞の発行を手がけたジャーナリストでした。父親ゆずりの才人だったヘンリー・ブラックは、東京の下町言葉をマスターして、芸人の仲間入りをしました。彼が披露したのは、手品、政談弁士、役者、講談師、落語家などの芸で、一時は大変な人気者だったそうです。

快楽亭ブラックというのは、彼の落語家時代の芸名で、当時名人と謳われた三遊亭園朝と同じ高座に上がったそうです。大石さんは彼の落語を録音した珍しいカセット・テープを聴かせてくれましたが、それは外人の落語とは思えないほど流暢なものでした。彼は大正12年に亡くなりましたが、現在も横浜の外人墓地に眠っているそうです。
【第51回】 2011年9月22日(木) 18:00〜 参加者14名
発表者:佐々木 庸さん
テーマ:「遙かスコットランドの丘を望んで」

聖公会教会の牧師をしておられる佐々木さんが、バグパイプに夢中だというお話を伺って、ぜひスコットランドについてのお話をと、お願いしたところ快く引き受けて下さいました。
お話の最初はキリスト教がイングランドおよびスコットランドに伝えられた歴史を簡潔に説明していただき、聖コロンバや、聖アンデレ、ウイットビーの宗教会議などについてもいろいろ教えていただきました。
それから青年時代にバグパイプに魅了された話となり、バグパイプを買って山根大先生の門を叩いた話を面白く語っていただきました。ふだんでは聞けないお話を聞かせていただき、一同大いに満足した宵でした。
【第50回】 2011年7月11日(月) 18:00〜 参加者14名
発表者:鳰原 吉也さん
テーマ:「厳寒のスターリングに滞在」

鳰原さんはウィスキーのミニチュア・ボトルの収集家として良く知られた会員ですが、今年の冬にスターリング大学に短期留学をされたというので、皆びっくりさせられました。
しかも留学生の最高年齢の記録を樹立されたとのことです。そこでお話を伺うと、会社の定年を期に英語の活用能力を伸ばそうと一大決心をされ、TOEICで600点を取るのを目標に、(現在では700点を目指しているとのこと)海外の英語学校やピースボートのツアーに参加して英語力を磨き、今年の冬の7週間にわたるスターリング大学の短期留学と、来年のピースボート・クルーズで一応の卒業と考えておられるとか。

今年のスターリング大学では、貿易・投資研究会の例会で見事にプレゼンテーションをやってのけたとのことです。大学の寮では若い学生に混じって、自炊の生活を体験したとのこと。東日本の震災も現地のニュースで知ったとのことです。滞在中には、スコットランド国内はもとより、遠くウェールズまで旅行をして見聞を広げたとのことで、私たちは鳰原さんのヴァイタリティに、まさに圧倒された宵でした。
【第49回】 2011年5月12日(木) 18:00〜 参加者16名
発表者:三鍋 昌春さん
テーマ:「スコッチウイスキーと日本」

三鍋さんは長年スコッチウィスキーとスコットランドに打ち込んでおられたので、この度それを記念してエルギン伯爵を頭領とする名門ブルース家の一員として、迎えられたことを先ず披露してくれました。これから三鍋さんはブルース家のタータンを大手を振って着用することが出来るわけです。

発表の内容は、スコッチウィスキーが他の国のウィスキーよりこくがあって、おいしいのはエールの酵母をもとにしているためで、日本の各社もスコッチウィスキーの伝統を守ってきている。
ところが残念なことに、最近スコットランドの蒸留所で、この伝統を守らないところが出てきているとのこと。そういうところの製品は当然品質は落ちる結果となるわけですが、日本の場合、スコッチウィスキーの伝統を守って、品質向上に努めているため、最近ではサントリー、ニッカなど、日本のウィスキーの優秀性が各地で認められ、次々に金賞などを受賞しているとのことです。
【第48回】 2011年1月29日(金) 18:00〜 参加者11名
発表者:西田 多恵さん
テーマ:「JSSに入会して開けた世界――『誘拐されて』の舞台を歩いて――」

西田さんは2001年頃からR.L.スティーヴンソンの作品、就中『誘拐されて』に興味を持ち、その舞台となっている各地を実際に旅をして回ることを始めたようです。そして荒涼とした孤島暮らしや、険しい山越えを体験しながら、主人公のデイヴィッドの足跡をすべて辿ったのです。
その間いろいろな研究会に参加したり、『誘拐されて』を研究している専門家に直接質問したり、文通したりしながら、この作品の本当の魅力に迫ったのです。この作品への傾倒の軌跡を、詳しいレポートと珍しい写真とを交えて語っていただき、聞き手はみなその迫力に圧倒されました。

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