◆星珠枝氏講演「スコットランドに日本庭園を造った日本女性」◆
星珠枝氏講演「スコットランドに日本庭園を造った日本女性」
表記の講演が10月22日(土)、渋谷区神宮前の東京ウィメンズ・プラザ視聴覚室で開催されました。

星珠枝氏の父方の祖母である、中目(旧姓半田)たきは、香蘭女学校や母校の同志社女学校で教鞭をとっていたが、明治39年に奨学金を得て、イングランドのバーミンガムの近くのスタットレー・カレッジという女子農科大学に留学を果たしました。36歳のことです。留学中に、スコットランドのドラーで、当地の富豪であるエラ・クリスティーの依頼で、日本式庭園を作りました。

2007年6月に、星氏はそのドラーがスコットランドのどこにあるのかを知るために協会事務局にお越しになり、その後、ドラーがスターリングとパースの間にあるDollarという村であり、中目たきが作った庭園の名前が Sharakuenであると判明しました。
協会のブログで星氏のことを知った、庭園研究家の橘セツ氏(神戸山手大学准教授)とともに、星氏は本年6月に英国に旅立ち、スコットランドのドラー、スターリング、エディンバラを訪問し、中目たきの留学先のバーミンガムのスタットレー・カレッジ跡の訪問することができました。

6月11日に日本を発ち、ロンドン2泊の後、6月13日にエラ・クリスティーの妹、アリスの孫であるスチュワート氏夫妻から熱烈な歓迎を受け、庭園 Sharakuen 跡を訪ねます。ほとんど面影は残っていなくても、中目たきが日本に発注した石燈籠の残骸が残っていたことは印象的でした。ドラー・ミュージアムでは、中目たきの業績が展示されているのを確認でき、学芸員のジャネットさんから歓迎を受けました。
スターリングで2泊、エディンバラで1泊し、バーミンガムを経由し、スタットレー・カレッジ跡を訪問しました。100年以上前に中目たきが写真撮影していた「花園入口」を発見できたことは印象的でした。

星氏のお話は、100年前の写真と今回の写真を効果的に使用し、参加者を引きつけました。100年前に単身でイングランドに渡り、はるかに年下の学友たちから「リトルたき」と呼ばれ、農場内を走り回っていたであろう中目たきの姿が目に浮かびました。スコットランドで日本式庭園を作るという現代でも簡単ではない仕事に情熱を傾けた明治時代のひとりの女性の活躍を知ることができ、すばらしい講演会でした。
(中尾正史)
講演開始
講師 星さん
庭園の入り口
たくさんの写真とともに

Home
Copyright 2002 The Japan-Scotland Society All right reserved ©