◆スコットランドを語る会 活動報告 2007年◆
【第30回】 2007年11月21日(水)
発表者:笠原順路さん
テーマ:「Dunをめぐる廃墟詩」

Dunというのは普通、丘などの頂上に築かれている砦のことで、スコットランドの地名には接頭辞として広く使われています。笠原さんはスコットランドの最北端に近いダン・ドーナディッラに残されているドーナディッラ城の廃墟を歌った詩に興味をそそられ、はるばる現地を訪れたときのお話をして下さいました。城はいわゆる「ブロッホ」の様式で、半ば崩れていますが、往事の偉容を偲ばせるものだそうです。

原詩は1804年に「スコッツ・マガジン」に掲載されたもので、作者は不明とのことですが、オシアン詩でかき立てられたスコットランド熱を、さらにかき立てる作風で、その後の廃墟詩のお手本になっていると笠原さんは言っています。専門家と一緒に英詩を読ませていただき、大変楽しかったと会員の皆さんは言っておられました。
【第29回】 2007年9月27日(木)
発表者:杉山菊枝さん
テーマ:「スコットランドと北海道―私の原郷風景」

イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を読んでスコットランドの地を訪れた杉山さんは、イザベラ・バードの墓を発見するなどの収穫の他に、スコットランドには固有の精神的風土があり、それは杉山さんの故郷北海道と共通するものがあるのを感じたといいます。それからアイヌの文化を守り続けようとしたミルンなどのスコットランド人の業績を紹介し、さらに金田一京助に協力をした知里幸恵の生涯なども語って頂きました。感銘深いお話でした。
【第28回】 2007年8月1日(水) 参加者21名
発表者:三鍋昌春さん
テーマ:「スコッチウイスキーはどこから来たか」

エディンバラのヘリオット大学でウィスキー作りを研究し、博士号をとって帰国された三鍋さんは、サントリーにおいても積極的に技術革新を導入しました。その結果、今では古い伝統を受け継いでいるだけのスコットランドの蒸留所よりは、ずっと高品質のウィスキーを産出できるようになり、時にはそのノウハウをスコットランドで教えるまでになったという嬉しい話と、ウィスキーの起源についてのA説、B説の二つがあり、彼はB説に心を動かしているという話から、その歴史について彼の研究が進んだら1冊の本にまとめるつもりだということを語ってくれました。早く三鍋さんの著書を読みたいものです。
【第27回】 2007年5月23日(水)
発表者:木村正俊さん
テーマ:「スコットランド・事典・一人旅」(その2)

3月の発表では充分語り尽くせなかったとのことで、今回木村さんはB&Bに泊まりながら、スコットランドの各地を巡り歩いたお話を、ご自分で撮影された珍しい写真を資料にして、楽しく語って下さいました。また一人旅の気安さで、毎日のように夕方になると訪れた町や村のパブで、地元の人々と交歓をしたのが特に印象に残るというお話でした。たまたま来日中のハワットさんも出席してくれたのですが、このように楽しく、しかも勉強になる会はスコットランド日本協会ではやっていないので、ぜひ向こうでもこのような会を開きたいと語っておられました。
【第26回】 2007年3月22日(木) 参加者22名
発表者:木村正俊さん
テーマ:「スコットランド・事典・一人旅」(その1)
昨年秋に原書房から大冊『スコットランド文化事典』が発行されましたが、その編集を精力的にこなした木村正俊氏は、ご自分がなぜスコットランドに惹かれるようになったかという話に始まり、事典発行の苦心談を語った後、事典の資料集めに3回にわたって夏休みを利用してスコットランドの一人旅をしたときの印象を語ってくれる予定でした。
どの部分の話も大変面白かったのですが、残念ながら1回分の時間では話し足りなかったようです。そこでたまたま5月のスピーカーがまだ未定だったもので、5月に今回話せなかった内容を話して下さるとのことでした。
【第25回】 2008年1月26日(金) 参加者18名
発表者:山田修さん
テーマ:「ジョージ・マッカイ・ブラウンからのクリスマス・カード」

山田修氏はオークニー出身の作家ジョージ・マッカイ・ブラウンの研究家で、この作家と交友関係を持っているが、ブラウン本人から送られた貴重なクリスマス・カードを披露しながら、この現代作家との出会い、その後のお付き合いなどについて、山田氏以外には知り得ない珍しいお話を聞かせて貰いました。

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