◆読書会 活動報告 2007年◆
2007年 5月29日(金) 16:00〜 参加者13名
読んだ本:
「マーミオン」
W・スコット

この5月で83回目を迎えた長寿の読書会。興味ある内容の折に、一回きりのつもりが、とても雰囲気がよくてそのまま在り付き、まもなく一年になる新参者です。毎回、先輩方から沢山の知的刺激を受けています。

5月のテキストは、W・スコットの物語詩「マーミオン」。
1513年のスコットランド対イングランドのフロドンの戦いを題材にした六曲の長編詩で、じっくり味わうため四曲までとし残りは6月の読書会に当てました。ヘンリー八世の寵臣マーミオン卿はイングランド中のナイトの華という設定。彼や他の人物描写は精彩を放ち、舞台背景の自然描写は行って見たくなるほど。難解な歴史的背景は、訳者の丁寧な注書きに助けられました。
訳者はJSSの代表理事、佐藤猛郎先生です。読書会のメンバーでもあり、訳者を囲んで直に解説してもらう恵まれた時間を持てました。1808年の初版本、大型で重い豪華本を見せてもらい、手で触れたのも感動篇でした。

エジンバラのウエイバリー駅に着き、道路に出るとすぐ丘の上のスコットの像が塔の上に建っていて、それを見るたび、彼の作品を一つも読んでないのが、気にかかっていました。読書会で取り上げられ、気になることが一つ解消され嬉しい。
それと「嵐が丘」とか「赤毛のアン」に「マーミオン」が取り上げられているというのを知らなかったけれど、他の方の発言でそれを知り、アーサー王物語に出てくるナイトに次いでマーミオンは有名だったかななどと想像しました。
こういうのは、独りで読んでいるだけでは分らなくて、他の方の感想を聞いて一層作品を深く理解できるところに読書会の良さがあります。

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