◆関西 スコットランド料理教室 2012◆
第4回 2012年 6月30日(日) 13:00〜16:30 参加者10名
講師:
モード・ラムゼイさん リンゼイ・河合さん
メニュー:
Grilled Grapefruit
グリルド・グレープフルーツ
Poached salmon with Cucumber sauce
Ben Rhydding Pudding
モード・ラムゼイさんによるスコットランド料理教室「夏の料理」編は、今回もボリュームたっぷりのおいしいスコットランド料理となっていました。
モードさんの料理に対する考え方がとてもおもしろいと思うところは、料理に失敗はない!ということです。あるのは、違ったレシピができるということだけだと。結果としておいしくないのができることがあるけれど、それは失敗とは考えないというものです。こう考えると料理をするのも楽しくなったりしませんか?
さて、メニューにあるようにメインはノルウェーサーモン。日本のシロサケと違って、肉食のこのサケは脂が載ってとてもおいしいものでした。これを一匹丸々購入してきたので、気分も最高です。日本では、焼いて食べることが少ないグループフルーツを焼くというのも興味津津です。そして、プディングのできばえは?
大西洋サーモンを一匹まるまる購入
サーモン解体ショーの始まり
岩田さん ありがとうございました
まずはサーモンの解体です。これは、マイ包丁を持って参加してくださった岩田さんが担当してくだいました。綺麗に三枚におろして、あとで使うポーチトサーモン用にカットしてくださいました。

他の方はというと、3班に別れて調理開始。最初に取り掛かったのは、ベンリディングプディングに使うフルーツを切ること。赤りんご、青りんご、キィウィなどを切って鍋に入れて砂糖で煮ました。モードさんによればフルーツが甘いので砂糖の入れすぎに注意とのこと。
そして、ボウルにスポンジケーキもしくは食パンを薄く切って敷き詰めてから、鍋で似ていたフルーツを投入します。また、スポンジまたはパンでフタをして、冷えるまで待ちます。冷えたところで、ホイップクリームで飾り、さらにチェリーを載せて完成です。3つの班の個性がでる盛り付けになっていました。
まずはフルーツを切ります
お鍋で煮ます
ボウルにスポンジケーキorパンを敷きつめ
中に煮たフルーツを投入
冷えたらひっくり返してクリームで飾る
飾りには各班の個性がでます
大きなバットでつくったら
飾りは最後になります
きゅうりのソースは、マーガリンを溶かして小麦粉をちょっとずつ投入。そして”打つように”混ぜていきます。ほどよくまざったら牛乳をちょっとずついれて行きます。そして、最後に細かくきったきゅうりを投入して、塩コショウで味を整えます。
きゅうりを最初から投入したり、牛乳をいっぺんに入れたり、あちこちでいろんな間違いがおきたのが、このきゅうりのソース作りでしたが、最大の事件は、計量しておいた牛乳をちょっとずつ使って後少しというところで、残っていた牛乳を隣の班の方が自分の鍋に投入しちゃったことでしょう。これじゃ軽量の意味ががありません(笑)。
わたしはきゅうりのソースがおいしそうだと思ったのはこれが初めてです。
マーガリンを溶かし小麦とまぜる
打つようにまぜるべし
ちょっとずつミルクを加えて
まろやかになってきます
細かく切ったきゅうりを入れて味付け
きゅりのソースの完成
サーモンは火にかけたお湯に投入
再度沸騰してきたら火を止め蓋をして待つ
砂糖、シェリー酒をふってバターを
載せて焼きます。砂糖多めがオススメ。
チェリーを載せて完成
焼きグレープフルーツは、シェリー酒をふりかけ砂糖を上に載せ、さらにバターを載せてオーブンに入れるというのが正しい手順だったのですが、ここでも事件が発生。最初にこれを作り始めたグループがバターではなく、マーガリンを載せたため、どのグループもマーガリンをつかったのです。ん〜、日本人は前例主義なのだと納得しました。
付け合せのジャガイモとキャベツは煮ても焼いても皮がついていてもついていなくてもいいということだったので、盛り付けの写真を見てもらえると班の個性がここでも発揮されているのがわかります。キャベツが結構いいものだったので、ちょっと塩をふって電子レンジで数分加熱したものがおいしくて、ビールのアテにもなりそうでした。

さて、盛り付けの写真はどうでしょう。おいしそうじゃあ〜りませんか。アトランティックサーモンはうまいなぁ。焼きグレープフルーツがこんなにおいしいものだとは知りませんでしたので、なにかの機会につくってみたくなりました。
盛り付け例1 じゃがいもは皮付き
盛り付け例2 じゃがいもは皮なし
最後にモードさんから講評がありました。焼きグレープフルーツはもっと砂糖を載せてキャラメルっぽくするのがもっと美味しくなる、ベンリディング・プディングは煮たフルーツがパンやスポンジの内側でジェルのようになっているのが一番おいしいのが今回はそうなっていなかったなどなど改善点を教えて下さいました。そして、各班の成績は百点満点で2点、5点、5点と大変厳しいものでした(笑)。 でも、十分に幸せに食べられましたよ。最後には、残ったサーモンを刺身にしてお醤油で食べました。このアトランティックサーモンも絶品で日本人に生まれて幸せだなと実感できました。

次回は11月18日(日)に、秋の料理を題材にする予定です。みなさんもどうぞご参加ください。
第3回 2012年 4月22日(日) 13:00〜16:00 参加者10名
講師:
モード・ラムゼイさん リンゼイ・河合さん
メニュー:
Beef Olives
Duchess Potatoes
Grilled tomatoes
Queen of Puddings
モードさんによる料理教室「春の料理」編は、日曜日や特別な日のディナーにふさわしい肉をテーマにした料理で、@BEEF OLIVES  ADUCHESS POTAT0ES  BGRILLED TOMATOES、そしてデザートは C QUEEN OF PUDDINGS  というメニューでした。
ただ、BEEF OLIVES は名前やレシピから想像していたものとはかなり違っていました。パーティではオリーブの種を抜き詰め物をして出されるので、口から種を出すことなくミックスされた味わいを楽しむことが出来るという説明でしたので、オリーブの実を使い、また詰め物は Veal Forcemeat という表記なのでひき肉を使うのかと勝手に思っていました。
具(Veal Forcemeat)
混ぜ合わせます(Veal Forcemeat)
成形します(Veal Forcemeat)
牛肉で巻き上げる
玉ねぎとBEEF OLIEVESを煮る
GRILLED TOMAT0ES
ジャガイモをゆでる
ジャガイモに材料を加え絞り出す
まず Veal Forcemeat の準備です。
パン粉に細かくきざんだ牛脂 (suet) 、レモンの皮 (lemon rind)、パセリと、さらにハーブと調味料を加え、卵と牛乳で湿らせ成形します。これを薄い牛肉で巻き上げる。これが BEEF OLIEVES です。この OLIEVES をスライスした玉葱といため、水と調味料を加えあとはひたすらぐつぐつ煮るというものでした。

DUCHESS POTATOES はゆでたジャガイモをマッシュし、卵黄と調味料を加えてよく混ぜて、天板の上に絞り出す。また GRILLED TOMATOES もカットしたトマトの上に調味料をのせて天板に並べ、この二つの天板をオーブンで焼きました。
同時進行の QUEEN OF PUDDINGS も名前やその見栄えに比較して意外に簡単でした。パン粉と牛乳、砂糖そしてすりおろしたレモンの皮と卵黄を混ぜて耐熱皿に流し入れオーブンで焼き、一旦取り出してジャムを塗る。一方卵白でメレンゲを作りこのプディングの上に盛り上げて、ふたたびオーブンで薄茶色になるまで焼き上げました。

最後は皆で楽しい試食です。黒木さんと中川さんの差し入れのワインとともにデザートまで完食でした。座も盛り上がり、スコットランドと日本の習慣の差など話がはずみ、今回も楽しかったと大変好評でした。
次回は6月30日の「夏の料理編」です。モードさんリンゼイさんどうもありがとうございました。
(香川久生 記)
QUEEN OF PUDDINGS
ボリューム満点
第2回 2012年 2月19日(日) 13:00〜17:00 参加者8名
講師:
モード・ラムゼイさん リンゼイ・河合さん
メニュー:
Potato scones
Fish custard broccoli
Lemon or Orange pudding
今回のモードさんによる料理教室「冬の料理」編は、Glasgow College of Domestic Science(現在は、Queen's College、Glasgow)のcookery bookから選ばれたものです。テーマは、スコットランド人に愛されている伝統的でつましい料理、田舎に住み容易に買い物することができない主婦たちが蓄えられた食材、または、簡単に手に入るものを利用して作る料理です。

ポテトスコーンは、じゃがいもの伝統的な食べ方で、多くのスコットランド人が、家を離れ海外で生活する時にとても欲しくなるものだそうです。ありあわせの食材で料理を作ると普通こってりして、腹にもたれやすくなりがちですが、フィッシュカスタードは、むしろ軽い食事です。家庭の男性メンバーにとっては、ポテトスコーンを加えると、栄養たっぷりの食事となります。レモン、もしくはオレンジプディングも、今日のテーマにふさわしく、身近にあるフルーツで作るデザートでした。

料理は、しっかり勉強する2名の2組とどちらかというと食べる楽しみの4人の1組に分かれて始まりました。今回は人数が少なく8名でしたが、HPを見て来られたという新しい参加者が2名おられました。やはり、HPは大切なものでちゃんと更新する必要性を感じました3品目を作るのですが、時間の配分というかオーブンをいかにうまく使うかがポイントでした。
じゃがいもの皮をむかずに?もしくは、むいた状態で?ゆで方は自由
タラの皮をとります
フィッシュカスタードをオーブンへ
まず、ポテトスコーンのジャガイモをゆでることからスタートし、つぎはフィッシュカスタードにとりかかりました。
魚(今回はタラ)を調理して、耐熱皿に入れ、温かくしたミルクにかき混ぜた卵を入れたものを注ぎ、オーブンに入れます。
水を張った天板に載せ180度45分で表面に焼き色をつける蒸し焼きです。その間、デザートのレモン(オレンジ)プディングへ取り組みました。レモンの皮をすりおろし、果汁をしぼる。小麦粉と卵黄をまぜ、ひたすらかき混ぜる。かたや卵白でメレンゲを作り、あわせてやはり空いているオーブンで蒸し焼きという段取りです。
レモンの皮をすりおろします
卵黄と卵白をわけます
卵白をメレンゲ状に
卵黄と小麦粉を混ぜる
プディングのタネを耐熱皿にうつす
マッシュしたポテトに粉類を入れる
右がグッド!(プディング)
三品出来上がり
そしてポテトスコーンにもどり、マッシュポテトにベーキングパウダーを入れた小麦粉を練りこんで生地を作り、薄く延ばしてフライパンで焼きました。興味深かったのは、焼いたスコーンをナプキンで包んで冷ますというやりかたでした。
なんとか3品が出来上がったとき、1品目ごとに3組のものを集めて、先生の講評がありました。「スコットランド料理には失敗はない、それぞれが独自のものである」という励ましでしたが、自ずとこれがベストというものがあり、例えば「これはオーブンの扉を急に開けたから、このようにしぼんでしまっている」というような指摘がありました。

ともあれ、最後は皆で楽しい試食で、デザートまで完食でした。今回も楽しかったと大変好評で、また次回の4月22日の「春の料理編」が楽しみになりました。モードさんリンゼイさんどうもありがとうございました。
(香川久生 記)

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