◆バーンズ・ナイト◆
バーンズ・ナイト
1月30日(日曜日)、メインバーで、バーンズ・ナイトが開催されました。
篠藤さん、レズリー&秀子 デニストンさんが中心となるこのイベントも今年で4回目になります。
まず、1曲目のレズリーさんの歌が終わった後、秀子さんから「ロバート・バーンズとの出会いについて」お話がありました。

秀子さんは、レズリーさんと出会うまでは、バーンズについて何も知らなかったということなのですが、レズリーさんがバーンズの詩が好きで、暗唱しているのを聞いているうちに興味を持ちはじめ、レズリーさんの故郷、グラスゴーに行った時、好奇心からグラスゴーで一番古いといわれていた「The Saracen Head」というパブを訪れたのですが、柄も悪く、評判がよくないパブだったのに、バーンズの自筆の詩が壁にかけてありました。「どうしてこんなところに?」と驚き、不思議な思いがして、また、何気なく立ち寄った古本屋で、中村為治氏によるバーンズの本を見つけたそうです。

レズリーさんの暗唱を、是非、自分以外の方々にも紹介したいという思いを持ち続け、ロータスフォトの篠籐さんと出会い、メインバーでのバーンズ・ナイトの開催が実現したということです。
レズリーさんのバーンズとの出会いですが、始まりは12歳頃、友人の祖父からもらったバーンズの詩集からでした。当時は、それを読む事がなかったのですが、数年たった頃、アルバイトをしていたホテルの売店で見つけた豆本のバーンズ詩集から読み始め、次第に、バーンズの詩の面白さ、ユーモアに魅了されてどんどん読むようになり、職場では、ラビー・バーンズ(Rabbie Burns)というあだ名が付けられるほどになり、代表作を暗唱できるまでに何度も読み返していたそうです。

また、秀子さんは、バーンズについてこんな話もしてくださいました。
バーンズの死後、彼とかかわりのあった人たちへの聞き取り調査が行われ、弟、ギルバートの話によると、「ロバート・バーンズは、自分が才能ある詩人であることを自覚していながら、農夫という社会的にも低い地位であり、また、貧乏な生活を送り、過酷な労働を強いられていたために、身分や社会的地位が高いというだけで、才能も、教養もない裕福な暮らしをしている人々に対して、嫉妬にも似た憤りや怒りを感じていた。」
バーンズは、そういった感情を詩に託したのでしょうか。

レズリーさんが、毎回、バーンズ・ナイトで披露する詩の暗唱は、すばらしいのですが、特に、Tam O' Shanter(シャンタのタム)では、今にも詩にでてくる魔女が現れそうなほどの迫力です。秀子さんの解説では、レズリーさんは、バーンズの気持ちになって、朗読しているのだと。
きしもとタローさんの笛、そして、今年は、熊澤洋子さんのバイオリンも加わり、ヨーロッパの伝承音楽の演奏もありました。フランスの曲の演奏では、特にスコットランドとの関わりがあった国ということから、また、ここ数年、私自身がワインに魅了されているということもあり、身をのりだして聞いていました。
第1回目からこのイベントに出席させていただいておりますが、今回のレズリーさんは、慣れと回数を重ねた余裕からか、終始笑顔で和んでいたように思います。

ハギスの登場場面でバグパイプを演奏した山形さん、そして、そのハギスを作った川北さん(メインバー・オーナー)、大変お疲れさまでした。
これからも、スコットランドの優秀な文化を日本で知ってもらうためにも、このイベントを長く続けてほしいと願うばかりです。そして、今回もたくさんの事をお話してくださった秀子さん、ありがとうございました。
(中川ますみ記)
P.S.
今は、「The Saracen Head」は、存在しないそうですが、後日、ネットで調べたところ、その店にあった詩は、1795年にバーンズが書いたもので、今ではパブの元オーナーが、大切に保管しているそうです。
ロバート・バーンズとの出会い
熊澤さん、レズリーさん、きしもとさん
バーンズの詩の暗唱(レズリーさん)
Tam O' Shanter(シャンタのタム)
バグパイプ演奏(山形さん)
川北さんお手製ハギス
1983年ごろ、「The Saracen Head」に
飾られたバーンズの詩と
レズリー&秀子 デニストンさん
ロバート・バーンズ記念ボトル

Home
Copyright 2002 The Japan-Scotland Society All right reserved ©