◆スコットランド音楽のゆうべ -バグパイプと弦楽四重奏の調べ-◆
JSS創設25周年記念
スコットランド音楽のゆうべ -バグパイプと弦楽四重奏の調べ-
日本スコットランド協会創設25周年の記念事業として関西支部は、昨年たいへん好評だったバグパイプ奏者の第一人者デヴィッドソン博士のバグパイプ演奏会を開催しました。今回は岡本明子・永野綾華・春田真理子・誓山由樹の皆さんによる弦楽四重奏との共演で、監修と司会そして通訳を作曲家で音楽評論家の門田展弥先生にしていただきました。

まず門田先生によって「単なる演奏者ではなく、伝統を踏まえ新しい曲を作り、バグパイプを芸術的に高めた」というデヴィッドソン博士の紹介から始まりました。今回のコンサートでも殆どの曲がデヴィッドソン博士作曲でした。
第1曲目のInvitation To Dance、これは博士の奥様へのInvitationだったそうです。博士はポーランド在住で奥様はハープ奏者で共演もよくされるとのこと。伝統的なリールなどのあとに、このツアーのためにポーランドの友人が編曲したというショパンのワルツが続きました。ショパンとバグパイプと弦楽四重奏という組み合わせの意外性をたっぷり楽しませていただきました。
門田先生(左)とリンゼイ・デイヴィッドソン氏(中)による曲の解説
弦楽四重奏との共演では、お馴染みのグレート・ハイランド・バグパイプを使うとその音量が大き過ぎるので、やや小型のボーダーパイプを使っておられました。このフランドル生まれのバグパイプは半音階が出せるそうで、短調の哀愁を帯びたしっとりとした曲などは伝統的な曲とは趣きを異にしていました。
バグパイプと弦楽四重奏
ボーダーパイプで演奏する
デイヴィッドソン氏
休憩を挟んでの2時間のなかには、Emilka's Fancyという弦楽四重奏曲をはじめ人名やレストランの名前の付いた曲が多くあり、門田先生の解説によると音楽と生活が一体化しているからだそうです。
今回のコンサートでは2曲のコンチェルトが演奏されましたが、それぞれ伝統的な3楽章の大作で、門田先生によると音楽的に非常に高度なものであるとのこと。特に第2はSINCOS10周年を記念して委嘱されたもので、この5月から6月にかけて作曲され、このコンサートが初演であるとか。その経緯をキルトに身を包んだジェームス君がスコットランド訛り?で説明してくれました。
ジェームス君
弦楽四重奏の皆様がバグパイプとの協奏ということで大変努力をされたことはその力演から良く伝わってきました。この息のあったすばらしい演奏で、バグパイプと弦楽四重奏の音色の作り出す音の世界はスコットランドの清清しい大気を運んでくれました。そしてコンサートは、アンコールに応えたAmazing Graceで幕を閉じました。
コンサート終了後(演奏者全員と門田先生)

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