◆バーンズ・ナイト◆
バーンズ・ナイト
1月25日は、スコットランドの民族の誇りといわれる詩人ロバートバーンズの誕生日です。この日前後は、スコットランド、また、世界中で、バーンズの生誕をお祝いする、バーンズナイト(サパー)が開催されます。芦屋のMain Barでも、1月24日に毎年恒例の篠籐さんプロデュースのバーンズナイトが開催され、私も参加させていただき、これで3度目(3年目)の参加となりました。今年からの新しい試みとして、今まで手書きのイベント中の紹介が、篠籐さんのパソコンによる紹介へとかわりました。開始までに、篠籐さんご自身がスコットランドの主な地域を廻って撮影された風景の写真をスライドで紹介してくださいました。いつ見ても透き通るような美しい光景です。

いよいよイベント開始。演奏者のレズリー デニストンさん(歌、バウロン), きしもとタローさん(フルート、ブズーキ),中西 佐智子さん(ハープ),デニストン 秀子さん(ナレーション)の登場です。いつもながら豪華メンバーです。まず、ナナカマドの木(Rowan Tree-ナナカマドの木と共に過ごした子供時代を懐かしむ歌)から始まり、AMan's a Man for A' That(人は人であるが故に),The bank of Doon(ドゥーン川の川岸)へと続いていきました。
そして、バーンズナイトでの儀式、『ハギスに捧げる詩』(Address to a Haggis)にそって、わがJSS関西の支部長代理の山形さんのバグパイプ演奏(Scotland the Brave)でハギス様の登場となりました。こちらのハギスは、毎年、Main Barのマスター川北さん(JSS会員)による手作りで、毎回、賞味させていただきますが、日本人の味覚にあったものとなっています。
以前スコットランドに旅行をしたときにエジンバラの3軒のパブでハギスを注文して食したことがあるのですが、現地のものは、もう少し脂っこく、やはり、臓物の味わいが強かったように思います。現地の材料を入手することは難しいのはやむを得ませんが、毎年、限られた食材で調理されるのに、「ご苦労様」とお礼を述べたいと思います。
また、バグパイプを演奏された山形さん、熱心に練習され、プレッシャーをはねのけて見事な演奏をしてくださいました。
やっと、肩の荷が下りたのでは?お疲れ様でした。
必死のバグパイプ演奏
ハギスに捧げる詩
レズリーさんによる、Tam O' Shanter(シャンタのタム)の朗読になりました。
Scotslanguage(Lowland Scots) でのレズリーさんの朗読は今にも、タムを追いかけてくる、カティーサークを身にまとった若くて妖艶な魔女がMain Barに現れてくるのではないかと思わせるほどの迫力、熱演であります。このバーンズの詩をバーンズナイトでレズリーさんが朗読されるきっかけとなったのは、レズリーさんが、家の中でバーンズの詩(Tam O' Shanter(シャンタのタム)やその他の詩)を暗唱しているのを奥様の秀子さんが聞いて、そして、レズリーさんからバーンズの話を聞くにつれて、「私だけではもったいない」と思い始められた事、そして、関西セントアンドリュースソサエティのバーンズサパーに出席されて、いつかはレズリーさんがバーンズの詩の朗読をする場をもてたらという25年にも及ぶ熱い思いを篠籐さんに相談され、快諾を受けたとの事でした。とっても温かみのあるお話ですね。

今回もレズリーさんは、キルトではありません。それは、キルトは、ハイランドの衣装でローランド出身のバーンズは着用する事がなかったこと、また、バーンズの時代(18世紀頃)は、政治的理由によりキルトが禁止されていたということで、それを意識されたようです。禁止されていたのは、タータン柄もそうなのですが、そのかわりというものでしょうか。タータンのズボンは、とってもお似合いでした。秀子さん、いろいろと教えていただきありがとうございました。
レズリーのタム・オ・シャンタ
秀子夫人によるナレーション
中西佐智子さん
きしもとタローさん
レズリーさんのことばかりに触れましたが、今回の演奏者の中西さんは、いつもながらの清楚な美しさで、ハープを演奏、また、きしもとさんは、ご自分が研究なさった、「コンドルは飛んでいく」の出で立ちを楽しいトークを交えて紹介、演奏してくださいました。最後に恒例である参加者全員で手をつないでの、Auld Lang Syneを歌っての終宴となりました。
来年もまた、新たな試みでのMain Barでのバーンズナイトを今から、待ち遠しく思っているのは、私だけではないという事を確信して、バーを後にしました。
(中川記)

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