◆アフタヌーン・ティの集い 2009年◆
第40回 2009年 9月6日(日) 14:00〜16:00 参加者15名
テーマ:「現代短歌へのご招待」
講師:香川ヒサ さん

9月6日、大阪・英國屋難波店でアフタヌーン・ティが開催されました。『現代短歌へのご招待』…若山牧水賞を受賞された香川ヒサさんのお話をうかがいました。当日は15名の参加がありました。
スコットランドを旅して現代短歌を詠む人ってどんなお話をされるのでしょうか。皆さん、興味津々です。3日前にスコットランドから帰国されたばかりの香川さんは、パンツスーツ、メッシュに染めた髪が素敵な女性。まず、俳句と短歌の違いを説明され、他の歌人の短歌を紹介。短歌の歴史を語る上で白村江の戦まで遡りました。そして、古典和歌の説明。お話がうまいです!わかりやすいのでどんどん聴き入ってしまいました。現代短歌は、明治以降『私』を中心に物を見て作るそうです。
近年、若い人は恋の歌を詠まなくなり、自分がどうしていいかわからない、悲しいと吐露する。老人は、ますます高齢化し90代や80代の歌人が活躍しているという現実。そして元来、存在が少ないはずの40代や50代が自分自身を見直して歌を詠む人が増えたそうです。

さて、香川さんの作品は……。ここでは、スコットランドの写真を見ながら、一つ一つ味わっていきます。灯台、麦畑、城、マクベス、川、ビル群、岩山、渓谷、廃墟、風、砂浜、カーライルの墓、クライド湾、大木、木漏れ日、空……。香川さんは、何でも詠んでしまいます。例えば麦畑、そこに悠久の頃より黙々と働いてきた人間の姿や時間を感じます。ビル群を、北海の油田と結びつけます。カーライルの墓までも。生家から墓まで歩いて5分ではなく86年かかったと。その斬新な発想には驚きました。そしてり偉大なる哲学者トーマス・カーライルは母親の手づくり料理を馬車で運ばせていたそうで、持ち運び用の四角い箱が現存するというお話も教えていただきました。いつの間にか私は、ぎっしりメモをとっていました。聞き逃したらもったいない!出席者からの質問がまた素晴らしく、更に短歌の魅力に迫ったようなお話が続きました。

香川さんいわく、スコットランドは、短歌に詠みやすい景色なのだそうです。風景の遠近感が歌になりやすいらしいです。…一般にスコットランドを描いた絵画や写真はたくさんありますが、香川さんの短歌は、それ以上に荒涼たる大地や風の匂いがしてくるようでした。
(清家久美子 記)
関西支部長挨拶中
お話をされる前の香川ヒサさん
香川さんが撮られたグレンコーの写真
スコットランドの遠近感のある風景が
好きだそうです
これも香川さんが撮られた造船所の写真
かつて隆盛を誇った造船所も
いまでは軍艦の製造をするばかり
第39回 2009年 2月8日(日) 14:00〜16:00 参加者17名
テーマ:「パイプフェストジャパン2008を振り返って」
講師:河合リンゼイさん(ラムゼイパイプバンド) さん

2月8日大阪・心斎橋の英国屋でアフタヌーンティーが開催されました(参加者は17名)。
昨年10月に関西で行われたパイプフェストを取り仕切った河合リンゼイさんに、今だから話せるその裏話を思う存分語っていただきました。リンゼイさんの巧みな関西弁は、出席者を圧倒するパワーで溢れていました。
……ホンダラ(本鱈ではない)その話を聞いてな。『歩いてなんぼ』(何歩ではない)のパイパー達の大行進は、御堂筋パレード中止の紆余曲折の後、住之江公園からスタートしました。全国的に有名な『釜ヶ崎のおっちゃん』らの温かい応援に支えられて大成功!『メッチャ気持ちいい』オープニングだったそうです。

しかし、『日本の綺麗な所も見せたらええ』という批判もあり、京都はもちろん、大阪城を背景に記念写真、奈良で鹿と戯れるキルト姿達の図等……絵になる光景も盛り込みました。パーティーは無料のものは全員参加。円高の中、お金のやりくりは大変だったそうです。
『しましまわたる』……日本では、白線の引いてある所しか行進したらダメやねん。信号で止まるなんて、皆カルチャーショック!!大きな太鼓を前に付けた人は、必死で神戸の北野坂を進みます。前が見えへん。
『うるさ過ぎるからあかん』……神戸の水族館では、初めて聴く日本人の許容範囲を越える爆音に、まった!がかかり急遽神戸の海を見ながら岸壁を歩かされました。潮風とバグパイプ、ここならいくら吹いてもOK!壮大な景色は、新聞にもカラー写真で掲載されていましたね。

彼女の話の後には、オークニー島出身のジェイムズ君が正装して来ていたので皆さんに紹介されました。(質問コーナーあり。)この大仕事を無事まとめたリンゼイさんは、素晴らしい民間大使です。多くの国を橋渡しするご苦労は大変だったでしょう。彼女の完璧な日本語は、愛嬌のある関西弁と抜群の発音のカタカナ言葉。黙っていれば美しい英国マダムなのに、取り合わせの妙と意外性が更に魅力を倍増します。また会いたいと思わせる女性でした。
(清家久美子 記)
会場はこんな雰囲気
熱心にお話を聞く参加者の皆さん
大きなしぐさで熱く語るリンゼイさん
正装したジェイムズ君への質問コーナー

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