12月1日サントリー山崎蒸溜所で、サントリーチーフブレンダー輿水精一さんによる秋の講演会“ウィスキーセミナー”が開催されました。輿水さんはNHKの『プロフェッショナル』に出演されたので、私もお顔をしっかり覚えていました。参加者は40名で、お酒を愛する男性陣が多かったようです。ウィスキーはどちらかというと男性の飲み物みたいなイメージがありますが、ワインと同じようにポリフェノールがあるそうです。樽で熟成するために樽材から溶け込むのだそうです。ウィスキーの歴史、海外の事情、樽の材料について…セミナーは工場見学の後なので１時間くらいのお話でしたが、輿水さんの説明がわかりやすくて、ウィスキーに関心のなかった私でも響のはいったグラスを飲みほしてしまいました。

ブレンダーという仕事は部屋にずっとこもっているわけではないそうです。説明の写真の中には北海道の富良野でミズナラの木を植える輿水さんの姿がありました。会場に笑いがおこったのは世界の名ブレンダー達がお台場の大江戸温泉で、浴衣姿で楽しんでいる写真が大写しになった時でした。そういえば、ブレンダーはスリムな人が多いですね。やっぱりウィスキーの力ですか。

そして最後に富士山。富士山のよさは山頂のぎざぎざにあるという例えです。アンバランスのバランス…優等生ばかりでは面白くない。一滴で変わる香味のバランス…ということで、各自テーブルにあるグラスのウィスキーで実験させてもらいました。スポイドで薬臭い匂いのする原酒を一滴垂らすだけで、お酒の状態が劇的に変化するのです。
優等生ばかりでは面白くないというのは、人間社会と同じでしょうか。

その後、サンドイッチ等の軽食をいただき美味しいお酒があると食が進むのを体感しました。サントリー山崎蒸溜所は、また行ってみたいと思う所でした。

（清家久美子　記）

講演中の輿水さん

講演後質問攻め（？） にあう輿水さん

オードブルとサンドイッチの軽食