◆春の講演会「ケルトの源流を求めて」◆
春の講演会「ケルトの源流を求めて」
桜満開・晴天の4月6日、西宮に集まった30名は“花よりケルト”の人々でした。
ケルトの源流を求めて…と題する武部好伸さんの講演会は昨年に引き続き大好評で、彼の持つ視点の確かな表現が人柄とあいまって私達に居心地の良いケルト文化を紹介してくださいました。憧れの地、ハルシュタット。武部さんの感動が美しい写真とともに広がってきます。ハルとは塩を意味するケルト語のHalenに由来するそうです。(武部さんの言葉にもハルはあります。行かはる、食べはる、…大阪弁のハル。) 岩塩の採掘と製塩、ケルト人は塩に眼をつけハルシュタット文化をもたらした、1734年に毛皮を羽織った男の遺体が坑道で発見されたそうです。塩漬けケルト人はどんな顔をしていたのでしょうか。オーストリア山岳地帯から始まって、ドイツ、スイス、フランスとケルトの旅は続きます。日本の古い民家のようなホイネブルクのカヤ葺き屋根の家、白壁の大きな建物の写真はまるで奈良の平城京跡にでもいるようです。ホッホドルフの王子と呼ばれるケルト首長の墓室も圧巻。好奇心旺盛な武部さんは何でも指で触ってみては係員にしかられたとか。
ところで皆さん、スイスの正式な国名をご存知ですか?スイスじゃなかったと教えられる。Confédération Helvetia。ヘルウェティアとはスイスの古名で、ケルト人の一部族ヘルウェティイ族に由来するそうです。私はすっかりそれを話のタネにし、教養あふれる自慢をしています。春のやわらかい日ざしをカーテンで遮り、ひたすら武部さんのヒゲ面をながめた、うっとりする時間でした。
(清家久美子記)

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