スコッツマンを読む会 2025年7月

1)2025年4月30日付
Historic Highland Games on shores of Loch Ness to boast women’s world heavy championship in first
「ネス湖畔の歴史あるハイランドゲームズで女子世界ヘビー級選手権が初めて開催される」

スコットランドで初めて開かれる世界選手権にケーバートスなどの重量競技に女性が力を競いあう。
ヘビーイベント(重量競技)は長い間ハイランドゲームズの最高レベルの男性の領域と考えられていた。重量競技とはケーバートスのように個人の強さとパワーが限界まで試される種目である。
今や世界初の女子重量競技選手権が、スコットランドの絵のように美しいネス湖湖畔で開催される。伝統的な陸上競技への画期的な瞬間と言わざるを得ない。

2024年グレナーカート・ハイランドゲームズの
ケーバートスに参加する女子選手

このイベントは、8月23日(土)にドラムナドロッヒットで開催されるグレナーカート・ハイランドゲームズの一部として行われる。主催者は、この選手権は、女子アスリートが初めてハイランドの重量競技の世界的な舞台に出場することになると語った。12人以上の精鋭の国際選手が、伝統的な5種競技―重量投げ(距離)、重量投げ(高さ)、スコッツハンマー投げ、砲丸投げ、世界的に有名なケーバートスを競う。

2024年エアスハイランドゲームズでの女子選手

グレナーカート・ハイランドゲームズの事務局長であるダンカン・オーバーミーア氏は、「私たちはグレナーカートで歴史を作ることを誇りに思っています。女子選手のための世界選手権を追加したことで、ハイランドゲームズが向かっている方向を反映しており、私たちの遺産を尊重しながら、インクルージョンと平等を祝います。これは、次世代のアスリートへの強力なメッセージであり、地元および国際社会にとってエキサイティングな時です」と語った。
参加申込は開始され、初回の申込は7月1日に締め切られる。 グレナーカート・ハイランドゲームズは、ロイヤルスコティッシュハイランドゲームズ協会が女子ヘビーチャンピオンシップを昨年の初めて開催した歴史的なエアスハイランドゲームズの後に予定されている。
2022年のABPU(※1)世界重量挙げチャンピオンであり、ハイランドゲームズの国際競技者であるエリザベス・エリオットは、グレナーカートの活動について次のように述べている。「この女子ヘビーチャンピオンシップがスコットランドで開催されることは、スコティッシュ・ハイランド・ゲームズのコミュニティにとって素晴らしい展開です。スコットランドの多くの大会は、女子の参加に関して変化しています。昨年は、女性が出場できる試合数が過去最多でした」

2024年グレナーカート・ハイランドゲームズの
砲丸投げに参加する選手

グレナーカート・ハイランドゲームズの歴史は、第二次世界大戦の終結時にさかのぼる。記録によると、1945年7月8日にドラムナドロッキットのブレアベッグホールで「グレンアーカートハイランドギャザリングを構成する目的で公開会議が開催された。イベントの公式ウェブサイト・アカウントによると、「村長で地元の伝説的人物であるアリステア・C・マッケルを議長とする総勢18人の委員会が結成され、この中に有名なインヴァネスのストロングマンの「体育」の教師であり且つ、エンターテイナーのドナルド・ダラスも役員に任命された。6人制のシンティ(※2)コンテストが手配されたのは初期の重要な特徴であった。8月の最終土曜日に決行することになり、瞬く間に伝統が作られた。[合計]1,773人の観客が歴史の一部を共有する特権のために73ポンド12シリングあまりを支払った。そして「さらに、多数の少年少女が参加した。かれらは無料で参加できた。これらは、ハイランドのスポーツ及び文化のエンターテイメントの祭りの起源である。それはグレンアーカートハイランドギャザリングアンドハイランドゲームズだ。このイベントは戦時中に始まり長い道のりを歩んできたが、その道のりは必ずしも平らではなかった。1957年と1958年には、財政状況があまりにも低迷していたため、その年に実施するかどうかの決定を下さなければならなかった。現在は成功が途切れることのなく続いていて、このようなことはほとんど問題ではない」
このハイランドゲームズはコロナ禍の2年間は中断されたが、2022年に復活した。

(※1)ABPU
The Amateur British Union

(※2)シンティ
スティックとボールを使って行うチームスポーツ。主にスコットランドのハイランド地方でプレーされているが、近年ではイングランド北部や、ハイランダーが移住した世界の他の地域でもプレーされるようになった。ホッケーに似ているが、シンティでは、プレーヤーは空中でボールをプレーし、スティックの両側を使用することが許可されている。