スコッツマンを読む会 2025年6月

1)2025年3月24日付
Scots support retaining Trident nuclear deterrent, poll shows
「世論調査によれば、スコットランドの人々はトライデント(原子力潜水艦搭載の弾道ミサイル)の核抑止力の維持を支持していることを示している」

この調査で明らかになったことが、一般大衆とSNP(スコットランド国民党)の長年の反対意見との対立を引き起こしている。
新たな世論調査が示すところは、スコットランドの人々は英国の核抑止力の維持を支持しており、(核)軍縮を支持する人は4分の1未満であった。さらに、この調査結果は、明らかに、トライデントに対するSNPの長年の反対と一般大衆との対立を見せているようである。トライデントはファスレーンにあるクライド英国海軍基地に配備されている。

英国の核弾頭ミサイル搭載型潜水艦4隻のうちの1隻
クライド英国海軍基地でのヴァンガード級潜水艦ヴィジラント

親英派のキャンペーン団体「スコットランド・イン・ユニオン」に代わっておこなったサーベイション社が実施した世論調査によると、回答者の56%が英国は独立した核抑止力を保持すべきだと考えている。反対意見はわずか22%、わからないとの回答は22%であった。
一方、回答者のほぼ半数(47%)は、スコットランドの人々は英国の一員であることがより安全であると述べ、スコットランドがたとえ英国から離脱しても安全であると信じる人は3分の1(35%)にすぎない。
回答者の5人中4人(80%)がNATOの一員であることは重要だと述べ、4分の3以上(76%)が国連安全保障理事会の一員であることを支持するとし、74%がG7の一員であることを高く評価している。
ジョン・スウィニースコットランド首相は最近、元英国議会でのリーダーのイアン・ブラックフォードの意見を受けて、SNPの反核のスタンスを改めて表明した。ブラックフォードは、SNPは長年支持してきた一方的核軍縮についての支持を放棄すべきだと提案した。

ジョン・スウィニーは、スコットランドより高い所得税は、企業が熟練従業員を採用することを困難にさせると認識すべきである。

スウィニーは、核兵器は「不道徳」であり、世界の安全を保証していないと主張した。「政党として、政府として、個人として、私は核兵器の保有を支持しないであろう」と述べた。 「トライデントミサイルに費やす代わりに、そのほかの防衛に費やすことができた資源が明らかにある。トライデントミサイルは今日の世界の紛争を終わらせていなく、我々が立ち向かう現在の難題に配備されることはない」
スコットランド・イン・ユニオンの会長、アラステア・キャメロンは次のように述べた。「現在の世界的な緊張と不確実性は、スコットランドの人々にとって英国の力と影響力がいかに重要であるかをより強固に示している。英国の一員として、私たちは世界で一番上位に位置する一員であり、そして国際的な影響力を持っている。国際的な影響力が分離したスコットランドが持ち合わせていないものなのである。この世論調査は、スコットランド人の大多数が英国の一員であることの利益を評価していることを示している。スコットランド人も英国の核抑止力の保持を支持しており、これはSNPやスコットランド緑の党の状況の変化に気づかない民族主義者たちに早急に再考を促すことになるであろう。これは、スコットランド人が英国に残留することの有利さを理解していることを示しているもう一つの詳細な調査(研究)です。SNPはスコットランド人の大多数の声に耳を傾け、英国を分裂させようとする悪影響をおよぼすキャンペーンをやめるべき時である」
サーベイション社は3月6日から13日にかけて世論調査を実施し、16歳以上のスコットランド人1,012人から回答を得た。
今月初め、英国のレイチェル・リーブス財務大臣はSNPの核兵器に関する立場を批判した。サイスのバブコック造船所を訪問した中で、彼女は記者団に対し以下のように述べた。「トライデント抑止力に関するスコットランド国民党(SNP)の立場には強く反対します。最近の数ヶ月で世界は我々の眼前で大きく変わりました。「それは私たちの周囲で見ることができる。核抑止力の重要性は、おそらくこれまでの長期にわたる以上に意義深くなっており、防衛と安全保障を促進させることは、いかなる政府にとっても第一の義務である。この政府、すなわち英国政府は、常に国家安全保障を第一に考えるであろうし、そういうわけで、冷戦以来最大の国防費の増額を実施しているということである。これは、スコットランドの人々にとって、防衛と安全保障に関してだけでなく、満足のいく賃金を支払う良い仕事に関しても、直接的な利益をもたらすことになるであろう」