スコッツマンを読む会 2024年9月
「トミー・ロビンソンは「グラスゴーでは歓迎されない」とSNP市議会議長は、極右の集会を拒否する呼びかけの中で述べている」
イングランド防衛連盟(※1)の創設者は、ソーシャルメディアでグラスゴー市内での集会を宣伝した。
グラスゴー市議会の議長は計画された抗議行動の前に、極右活動家のトミー・ロビンソン(※2)は市内では歓迎されていないと述べた。
「親英集会」が9月7日にグラスゴーのジョージ・スクエアで計画されており、イングランド防衛連盟(EDL)の創設者、本名スティーブン・ヤクスリー・レノンはこのイベントをソーシャルメディアで宣伝している。この集会の計画は、今週、マージーサイドのサウスポートでのナイフによる襲撃で3人の少女が殺害された事件を受けて行われた。
警察のいうところによれば、この事件は極右の支持者によって引き起こされたもので、その場にいた人々はEDLを支援していたと警察は主張している。しかしこの組織、EDLはほぼ10年くらい存在していない。
市議会議長スーザン・エイトケン(※3)は、「グラスゴー市議会はなんらかの集会の通知を受け取っていないが、トミー・ロビンソンや彼の同類が法律や公共の場所を尊重することを気にしないことは分かっています。彼はグラスゴーでは歓迎されていないし、彼の毒のあるレトリックに同調することを選ぶ人は誰もいません」とツイッターした。
木曜日に記者たちにスコットランド労働党の党首アナス・サルワール(※4)氏は、疑いもなくグラスゴーが極右を拒否すると語った。彼は、「最も重要な問題」は、殺された子供たちの家族を支援することだと述べた – アリス・ダシルバ・アギアル、9歳。ベベ・キング、6歳。エルシー・ドット・スタンコム(7歳)。そしてサウスポートのより広いコミュニティ。 彼のコメントは、殺人罪で起訴された17歳のアクセル・ルダクバナが法廷に出廷したときに発表された。火曜日の夜、サウスポートで行われた集会では、何千人もの人々が徹夜で犠牲者に弔意を示すために集まったが、その後、町のモスクの外で暴力が勃発し、53人の警察官と3頭の警察犬が負傷した。水曜日の夜、ホワイトホールでは100人以上の抗議者が逮捕され、警察に瓶や缶が投げつけられ、ダラム州ハートリープールでは暴動が発生し、パトカーに火がつけられた。サルワール氏は、「私はグラスゴーの息子で、グラスゴーで生まれました。グラスゴーは私の街です。私はグラスゴー人として、私たちは自己満足に陥ってはいけない、グラスゴーに問題がないふりをすることはできないという見解をいつも持っていたことはわかっています。しかし、私たちはどこから来たか、どこで生まれたかに関係なく、ここに来たときにはあなたは私たちの一人であり、私たちは一つのグラスゴーであるという都市でした。ここで抗議行動を行おうとしたり、ここに分裂の種をまこうとする極右による試みが以前からありました。グラスゴーで極右がそうしようとするいずれの場合にも、グラスゴーは圧倒的に彼らを拒否してきました。もしこのようなことが起こるならば、グラスゴーは再び同じことをすると私は信じています」
ヤクスリー・レノン氏はソーシャルメディアで、グラスゴーのイベントは「他の親英集会」と同時期に行われるという投稿にシェアした。それは「未来に対する私たちの不信と恐怖を共有するための平和的な抗議」になると言っている。彼は出席する予定があるかどうかは示さず、「英国は蜂起する」」とツイートしただけだった。ヤクスリー・レノン氏は、彼に対する大きな訴訟の直前に出国した後、逮捕状の対象となっている。 水曜日、イギリスの内務大臣イヴェット・クーパー(※5)に宛てた書簡で、元スコットランド首相のフムザ・ユーサフは、EDLとその「分派」をテロリズム法の下で禁止し、EDLの一員になることを違法とするよう彼女に促した。ユーサフ氏は、英国は「極右問題」を抱えていると述べた。
サルワール氏はソーシャルメディア企業にもっと行動するようによびかけ、極右は「オンラインで人材募集、組織化、拡大、資金調達を行っている」と書き込んだ。「ソーシャルメディアプラットフォームが適切な行動をとれば、これらすべてを止めることができます」と彼は言った。
そのほかに、スコットランド緑の党の共同党首パトリック・ハービー(※6)が、グラスゴーのMSP同僚議員達に書簡を送り、集会への団結した対応を求めている。
(※1)イングランド防衛同盟(ぼうえいどうめい、英:English Defence League、略称:EDL)
イギリスの市民団体。2009年6月27日結成。組織の創設者は、ルートン出身の日焼けサロンの店主であるトミー・ロビンソン。
メンバー数はおよそ25000人から35000人と推測されている。
(※2)スティーブン・クリストファー・ヤクスリー・レノン(通称トミー・ロビンソン)
英国の反イスラム運動家であり、英国で最も著名な極右活動家の一人。長年にわたって極右政治で活躍してきた。
(※3)スーザン・エイトケン(1971年11月 -)
スコットランドの政治家で、2017年からグラスゴー市議会議長を務めている。
スコットランド国民党の党員である彼女は、2014年から議会のSNPグループのリーダーを務め、2012年からラングサイド区の評議員を務めている。
(※4)アナス・サルワール(Anas Sarwar、1983年3月14日 -)
スコットランド労働党・協同組合の政治家で、2021年からスコットランド労働党の党首を務めている。
彼は2016年からグラスゴー地域のスコットランド議会(MSP)のメンバーであり、2010年からグラスゴーセントラルの国会議員(MP)を務めていた。
(※5)イヴェット・クーパー(Yvette Cooper、1969年3月20日 -)
2024年7月から内務大臣を務めたイギリスの政治家。
労働党の党員であるクーパーは、1997年以来、ポンテフラクト、キャッスルフォード、ノッティングリーの国会議員(MP)を務めている。
(※6)パトリック・ハービー(1973年3月18日 -)
スコットランドの政治家で、2021年から2024年までゼロカーボンビル、アクティブトラベル、テナントの権利担当大臣を務めた。
2008年以来、スコットランド緑の党の2人の共同党首の1人を務めており、英国で政府大臣を務めた最初の緑の政治家の1人。