スコットランドを語る会 第107回
発表者:井崎淳一郎さん
テーマ:「世界一周の長旅を終えて」
念願叶ってやっと地球一周ができました。旅程は2023年8月24日~12月6日(105日間)の横浜港発着で、太平洋を東回りして地球を一周し、20か国・24都市を訪問しました。第1回目の運航から丁度40年目の年に当たります。結果として、プエルトケツァル(グアテマラ)、プンタレナス(コスタリカ)には着岸しませんでした。
乗船したPacific World号は船体が大きくて近距離からは全体を撮影できません。就航年:1995年(2015年改装)、総トン数:77,441トン、全長:261.3メートル、全幅:32.25メートル、乗客定員:2,419名、喫水:8.1メートル、建造国:イタリア、船籍:パナマ。今回の乗船客は1,800名、船内スタッフが計700名でした。
寄港地では自由行動あるいは、オプショナルツアーといってピースボートが組んだ別料金のツアーに参加して観光を楽しみます。その他には、オーバーランドツアーといって、寄港地から近隣諸国に飛行機で巡って、次の寄港地で合流するツアーもあります。これも別料金で、お値段がチト高いです。乗客は日本各地から北海道から沖縄まで、幼年児から高齢者まで、国籍を問わず、参加しております。今回も10歳年下の同郷の女性が居ました。 横浜からホノルルまでの10日間、ホノルルからマンサニージョ(メキシコ)までの9日間の長かったこと、大西洋もインド洋も大きい、船から海上水平線までは21kmとのことだが、前後左右に船舶が見当たらないことが多く、内海のエーゲ海ですら同様でした。正に【海は広いなー大きいなー】です。ホノルルを出航した翌日、緊急治療者をハワイ島に届ける為に戻り2日間スケジュールが遅れました。当初のスケジュールに戻ったのは、ニューヨークに着いてからでした。
スコットランドは、10月17日(火)にグラスゴー[グリーノック]に寄りました。9:20 出発、17:20 港着でグラスゴー観光に出かけました。グラスゴー大聖堂は、珍しく地下にも講堂、礼拝堂があり、地下に施設を持っています。ケルビン・グローブ美術館・博物館では、観光ガイドさんから、グラスゴーの歴史と芸術(絵画)におけるスコットランドの特徴について説明をうけました。 今回の旅においてスコットランド以外で楽しみにしていたのは、アイスランドでのオーロラ観測、パナマ運河とスエズ運河(ピラミッドを含む)、パルテノン神殿とトプカピ宮殿です。
アイスランドへの訪問は今回で5回目。船内で天文に詳しい方の案内がありましたが、残念ながらオーロラを観測できませんでした。パナマ運河は閘門式なので、通過するのに時間がかかります。又、運河の幅が狭いので、船の操作が大変です。
一方、スエズ運河は、川幅も十分、船はゆったり運航しました。ギザのピラミッドの偉大さに感心し、エジプト考古学博物館ではミイラ関連の遺物を見学しました。展示物を見た後は、大英博物館の展示物を再見したくなりました。パルテノン神殿の立つアクロポリス丘の高さは50mと聞きましたが、100mはあると思います。坂道は大理石で作られていますが、凸凹形状で、大きさは大小まばらで歩きにくい。雨の日は気を付けないと転倒します。トプカピ宮殿は、付帯倉庫の中の展示物、展示室が多いので、十分楽しめます。
船上で特に実感しますのは、①平和の大切さ、②非日常生活の体験、③人生模様です。
①平和の大切さ
パレスチナとイスラエルの紛争が勃発したことから、船内での講演も関連したものが行われました。武器を持つから、人殺しが発生することを肝に銘じます。スエズ運河に架かる「エジプト・日本の平和大橋」は誰もが賛同するでしょう。ナイル川とガザ地区までの距離は約180kmの由。何事も発生せずに無事通過できました。
② 非日常生活の体験
時間の都合がつき、意欲があれば、専門スタッフによる外国語会話(英語、中国語、スペイン語、フランス語)、社交ダンス、フラダンス、ウクレレ演奏、ノルディック・ウオーキング、歌謡、賛美歌、木彫、囲碁、将棋、麻雀、太極拳、気功など無料で楽しむことができます。 自宅では就寝は午前1時過ぎ、起床は午前6時30分ですが、同室者(1歳若い男性)に合わせて、9時30分には就寝、起床は6時となりました。食事は3食付きで量・種類共に豊富です。途中、さすがに腹に入らなくなりました。 パソコンを持ち込みました。Wi-Fi利用券は、100分・2,100円で、1か月経たない内に1,000分・20,000円(2,100円利用券を10枚買う場合に比べて1,000円お得)出ました。とにかくアッという間に時間は経過します。「正に時は金なり」を実感しました。一日当たり1,970円のグローバルWi-Fiを申込みました。こちらは、船内では使用できず、陸上でのみ使用できると。1回も使用せずに返却しました。寄港地での入出国ゲートにある待合室でスマホを操作している人の多い事。Wi-Fiを無料で使用できるからです。
③人生模様
今回の最高年齢者95歳の女性だそうです。車椅子の参加者、常時杖携帯の人が多かった。それでもオプショナルツアーに出掛ける時は常人と変わりません。座ったり、腰かけたりする人は少なかった。自主企画の主催者、元・現バックパッカー、ピースボートの職員ではないが、無報酬で乗り込んで事務局のサポーター員として働いている若者などなど。毎回、水先案内人が乗り込んで、色々な話を聴かせてくれます。今回は30名以上が、退屈しない話を提供してくれて、オプショナルツアーの無い日でも忙しく過ごしました。
体調管理も大変でした。太平洋と紅海・インド洋の運行では3~4日間に1回、1時間進めました。8月30日に日付変更線を超えた時は8月30日を2回にして、1日(24時間)遅らせました。コロンボに到着する2日前には30分の時差調整もありました。 24寄港地の中で一番大きく感じたのが香港、港の出入り口は人の住んでいないような島を見ましたが、着岸地点でのビルの多さ、数、階数に驚きました。夜景も見事、あるビルでは、ビルの壁を広告に使い、音楽も流しています。
(文と写真:井崎淳一郎)