◆スコッツマンを読む会 活動報告 2022年◆
2022年12月3日(土) 15:00〜
1)2022年11月4日付
Orkney and Shetland want more powers of their own, not SNP’s tired identity politics that hold us back - Alistair Carmichael
「オークニーとシェトランドは、われわれを抑えるSNPの新味のないアイデンティティ政治(※1)ではなく、自分たち自身のより多くの力を望む――」
アリステア・カーマイケル(※2)
オークニーとシェトランドは独立に賛成投票をするべきだろうか。SNPの見解は全くのノーであると聞いて、皆さんは驚くかもしれない。
北方諸島は自分たちの問題を決める権利を持っているかどうか議会で聴かれた時、SNPの国会議員であるスティーヴン・ボナー氏の答え、そんなことは「馬鹿げた」ことだ、ということは的を射ていた。彼はそれを受け入れようとはしなかった。
わたしのための独立――だが、あなたのためではない。
それはSNPの強い影響下にある「ハイランドおよび島嶼地区」においては、よく知られた決まり文句である。ホリールードにおける15年間のナショナリズムは、少しずつであるが、地方の支配が痛めつけられ、 公益事業が集中化されるのを見てきた。われわれが依存する公益事業や公共施設についての決定を、オークニーの人びとやシェトランドの人びとに任せられないと、繰り返し言われている。 ウェストミンスター選挙でもホリールード選挙でも、われわれはSNP(※3)に投票したことはないが、セントラル・ベルト(※4)からの永続的な支配を受け入れるように言われている。

オークニーとシェトランドの人びとは、自分たちの問題を取り仕切るには、われわれは「小さすぎるし、貧しすぎるし、愚かすぎる」と横柄なスコットランド国民党員にいわれるのに、かなりうんざりしている。小さすぎるって?それについてはフェロー諸島(※5)のわれわれの隣人に聞いてほしい。
オークニーのストラムネス。
よりよい統治とよりよい公益事業の提供を可能にするには、北方諸島ではより多くの権限が必要である、
とアリステア・カーマイケルは書いている。
貧しすぎるって?われわれはスコットランドに膨大な量の石油、ガス、再生可能エネルギーを提供している。
愚かすぎるって?北方諸島には世界中に知られた独特の文化的イベント(※6)があり、欧州海洋エネルギーセンター(※7)で 再生可能エネルギーの革新を進めている。
中央集権的なセントラル・ベルトの支配についてのわれわれの不満は、まさしくSNPが英国の他の地域について嬉々として投げつけたものである――たとえそれが彼ら自身に跳ね返るのを彼らが聞きたくないとしても。中央の大都市に住む大多数によってなされる政策は、中央の大都市に住む人びとに役立つ可能性がある。それらは異なるニーズと異なる優先順位を持つ農村部や島の共同体に住む人びとに役立つ可能性はかなり低い――だが、われわれはその万人受けのするアプローチを受け入れることが期待されている。しかしながら、これは狭いナショナリズムの問題ではなく、よりよい統治の問題である。われわれは北方諸島の独立した、まったく異なったアイデンティティを誇りに思う。だが、日常生活で大部分の島民が懸念しているのは、新しいマイクロ国家の夢でなく、われわれ自身の地方問題に対する永続的な関わり合いである。1990年代の権限移譲に達したやり方における私の最大の悔恨の一つは、より地方的で説明責任のある政府に焦点を置くのではなく、自分の主張の正しさを述べるのに、アイデンティティの議論に依存しすぎたことであった。スコットランドの人びとはスコットランドに影響を与える問題について決定するべきであるという不満を聞いたとき、私はその点同意する。――でもそこでとどまらなければならないとは思わない。
SNPは政権を握っている間、同じ計画に従ってきた。スコットランド中の地方自治体からできる限りの力を奪いながら、英国政府からより多くの権限を要求する。権限移譲はホリールードまでしか及ばない。
ビュートハウス(※8)はスコットランドの地方自治体で起こっていることを管理しなければならない。
しかし、ビュート島(※9)の人びと自身に任せることはできない――オークニー諸島、シェトランド諸島、アイラ島、あるいはスコットランドの他の島の共同体のいずれにも任せることはできない。

国家レベル、あるいは実際には多国籍レベルで、よりよく取り組まなければならない問題が多くある。しかしながら、ナショナリストや他のイデオロギー信奉者がとかく忘れがちになることは、権力や説明責任は個人や共同体から出ていることである。疑問がある場合は――個人や共同体レベルで考えることだ。島民の長年の論点、海洋統治を取り上げてみる。沿岸警備隊、ボランティアの救命艇の使命、漁業保護、救急曳航船などの間には、様々なレベルで、多くの場合数百マイル離れた管理者の指揮のもとで行われる多数のサービス業務がある。こういったサービス業務は優先順位や要件が重複する公共サービスである。大都市のサービスとは全く異なった作用をして、同じようには取り扱うことはできない。ビュートハウス――あるいは実際にはホワイトホール(英国政府)――に力を蓄えるのではなく、これを、これらのサービスを地元で管理し、縦割り行政と集中化を終わらせる拍車としてみなすべきである。 スコットランドにおけるナショナリズムの議論の最も悲しむべき側面の一つは、それが繰り返されるたびに、われわれが小さくなるように思えることである。われわれは重要な政策や理想よりは、人為的な分割に焦点を当てる。同じ役者が同じしぐさをするのは、2014年最後にテストされて以来、その議論が改善されていないからである。それはナショナリストにとって本当に重要な唯一の議論はこういうことだからだ:われわれは一つの国であり、英国の他の地域の人びとから分離されなければならない。それは政治的原則ではなく明確なアイデンティティへの信念に基づいた議論である。SNPや他のナショナリストたちにとっての面倒な問題は、アイデンティティの議論に頼る時、他者が自国領を広げることを止めることができないことである。人びとをいったん分割し始めると、それがどこで終わるべきか知ることは難しい。

2022年において、われわれの環境にせよ、人権、あるいは安全保障せよ、国境線にきちんとフィットする政策問題を見つけることは本当にまれです。ウクライナでのプーチンの残虐な戦争は、国をこれまで以上に小さな単位にすることはリスクのない努力であると考える人びとへの警告であるべきだ。もちろん、オークニーとシェトランドがスコットランドから離脱することは、スコットランドが英国から離脱することと同様に賢明なことではない。新しい国境を加え、人々を分割することは、未来でなく過去の政治である。未来の真の解決策となりうるものは、真の権限移譲である。地方共同体を彼らに重要な決定の出発点とすることである。ホリールード風やホワイトホ−ル風の中央集権化の誤った選択はやめよう。アイデンティティについて古い二元論的な議論を脇に置くことができれば、新しい、より生産的な議論が生まれうる。
(※1)アイデンティティ政治
人種、宗教、性などにおける少数派のアイデンティティを尊重する政治。

(※2)アリステア・カーマイケル
オークニー・シェトランド選挙区の自由民主党国会議員。

(※3)SNP
オークニー、シェトランド諸島地域は自由民主党の地盤。

(※4)セントラル・ベルト
グラスゴーからエジンバラに至る工業地帯。広義ではスコットランドの最も人口密度の高い地域。
グレーターグラスゴー、エアシャイア、フォルカーク、エジンバラ、ロージアン、ファイフ。

(※5)フェロー諸島
デンマーク領。極めて幅広い自治権が認められており、関税・消費税を含む税制や行政に関して独立している。

(※6)世界中に知られた独特の文化的イベント
例えば、セントマグナス・フェスティバル。

(※7)欧州海洋エネルギーセンター(European Marine Energy Centre)
英国のオークニー諸島に拠点を置く、波力発電と潮力発電の開発に焦点を当てた UKAS( 英国認証機関認定審議会)認定の試験および研究センター。

(※8)ビュートハウス
スコットランド首相官邸。

(※9)ビュート島
クライド湾にある島。
2022年11月5日(土) 15:00〜
1)2022年9月25日付
Why Scotland is turning to Japan to help tackle island depopulation
「スコットランドは島の過疎化に取り組むのになぜ日本を参照するのか?」

どちらも島国であるが、そこでは生活は厳しく、暮らしも苦戦しており、若者たちは離島する傾向がある。
現在、スコットランドは、共同体が生き残りや成長のためた絶え間のない課題に直面しているため、島の過疎化という歴史的な問題にいかに取り組むかについて、その妙案を求めて日本を調査している。 今年初めに、スコットランド政府に雇われた研究者チームは、少子高齢化が急速に進むため世界で最も早い過疎化率となっている日本が、島の生活に人々を引き付けるためにどのようにして活動しているかを調べている。報告書は、スコットランドが日本から学べる数多くの方法を提案している。日本では共同体の活動に貢献する新しい島民への毎月の報酬から、セカンドホームの所有者たちに島民とその技能を共有したり、絆を作る計画まで、70年間政策をもって過疎化に取り組んできている。 ジェーン・アッタートン博士、スコットランドの農村大学の農業政策センターの責任者、は次のように言った。「一見すると、2つの国は非常に異なっているが、実際は、スコットランドが日本から学ぶことができるものがたくさんあります。いくつかの島の人口は、オークニーやシェトランドのように増えている一方、ウェスタン・アイルズ(Comhairle nan Eilean Siar(※1))は生産年齢人口で20%の減少し、今後20年間で同様の子供たちの減少が見られると予測される。アーガイル&ビュートの島々でもまた人々を求めて悪戦苦闘している。

報告書では次のことを提案している。スコットランドは「関係人口」(relationship population)という概念を持ち込むことができる。つまりセカンドハウスや親せきにくりかえし訪問し、島民に支えられて島の生活に定着する人々のことを言うのだ。これ(関係人口)は、少なくともしばらくの間ネットワークを作ったり、技能を共有したり、島での仕事・生活の基礎をつくることによって作られる。
奄美諸島、奄美市。
スコットランドの島々の過疎化に取り組む方法を見つけ出すために
研究者たちにより調べられた地域の一つである。
写真: 田中十洋(Creative Commons)
日本では、日本の島にあるセカンドホームを訪ねる人々は、共同体に活力を与えるのに役立つ可能性の面でプラスになるとみられていることが注目をひいたとレポートは報告した。 ジェーン・アッタートン博士が、彼女のチームがこの研究に関して日本の仲間とともに協働したのだが、次のように言った。
「これこそがこのレポートの本当に興味深く、重要なところです。スコットランドではセカンドホームを所有することについて否定的な意味合いがあり、家の価格が上昇することに実際の異論があります」
佐渡島、ここでは仕事が過疎化を逆転させ
新たな島民を定住させるために絶えず進められてきている。
研究者たちはスコットランドの島々のために影響力のある解決法を
見つけ出すために、ここでの計画を参考にしている。
写真:Charly TRIBALLEAU(AFP)
報告書は、過疎化対策の設計に携るようにスコットランドの島民に求めているのだが、高級別荘地の集中する地域で、訪問者、特に島で働くことや企業やテレワーク基地を設立すること興味のある人たちを引き入れるために、関係人口の計画が立ち上げられるかも知れないと提案している。 日本の地域協同組合支援構想の一つの形態もまた提案されている。そこでは都市から田舎に移住した人々に対して最大3年間、990ポンドから1,350ポンドと同等なものが支払われる。対象者は彼らがその移住を永久的なものにする希望の中で、地元の文化、歴史、自然を増進し保存する目的を持った活動に参加しなければならない。2009年以来、参加するメンバーは2021年には、31人から6,005人に増えてきており、3年の期間が終了した後も、島に残って住んでいるメンバーはちょうど2/3弱だった。 先月、スコットランド政府は提案された5万ポンドの島国債計画−それは島に移住するため100の若い家族に与えられるものだが、島民の反対や過疎の根本的な原因に取り組むことなく対立を生みかねないという懸念から、計画を取り下げた。
アウターヘブリティーズ諸島のルイス島にある
ギアナランブラックハウス・ビレッジ。
そのブラックハウスはもともと1800年代に建てられて
今では休日の宿泊設備として貸し出されている。
アウターヘブリティーズ諸島では過疎化の深刻な問題が続いていて
研究者たちは今この問題に取り組んでおり、長い歴史的政策を持っている日本に目を向けている。
(写真:ANDY BUCHANAN/AFP via Getty Images)
日本には約7000の島々があり、そのうち約400島では恒久的または季節的に居住している。スコットランドでは790の島々の中の約93の島に生活している。最も離島の日本の島の人口は、移住や高齢化により1955年から2010年の間にほぼ60%減少した.多くの島では(70%)、500人以下の人々がそこで生活をしている。漁業や農業のため伝統的に建てられ、今では、ある場合には旅行業やサービス産業のために建てられた共同体は、サービスの維持や事業継続、社会的孤立の増大、共通の資源や空間を維持できないことなどの課題に直面している。
日本の事情のある部分は、スコットランドの島国の住民に受け入れられるだろうが、そのほかの重要な要素が2つの国の経験を切り離す。日本の島々の家の価格は低いままであり、日本には「のどかな」島の生活という(スコットランドと)同じ認識はないとアッタートン博士は言った。
「私の意識は、日本では、田舎の生活は本当に厳しいと考えられていることである。私の意識は変わってきていることもある。多分、コロナ感染症や環境保護と持続可能な生活スタイルがもっと強調されることとも関係している。私はそのいくつかが知らない間に入り込んでいると思う。そしてまた、島への移住にどんな人がふさわしいか、例えば若い家族がふさわしいと我々が強く感じる点で、日本のほうが、ある範囲の人びとをつれてくること、ベビーブームマー世代――60歳代や70歳代の人々――を勧誘する面が開けている。日本の文化は、高齢者や世代間の生活に非常に肯定的であるからだ」

ドナルド・マックスウイーン、ルイス島ネスの小規模農家でComhairle nan Eilean Siar(ゲール語:ウエスタン・アイルズ)の評議員であるが、「相変わらずの状態」が機能していなかったことを考えると、人口統計の改善について「自由に考えて」島の住民と一緒に仕事をする時だと言った。「私は、島での生活はのどかのものではなく挑戦的なものであるという日本の認識に非常に興味があります。島の共同体で生活する私たちはこれが現実であり、島での生活の恩恵を刈り取るために懸命に働けねばならないことを知っています。私自身の気持ちは、国中で町や都市への継続的な移住よりはむしろ、何よりもまず、島の共同体が彼ら自身の若者たちを留め置くための手助けが欲しいということです。土地や住まいや仕事にアクセスするのが第一ステップであり、長期的統合について心配する必要はありません。私は、島の共同体を助ける新鮮なアイデアや方法を歓迎しますが、外から指示するよりはむしろどうぞ我々と一緒に働いて下さい」
(※)Comhairle nan Eilean Siar
ウェスタン・アイルズのゲール語名で、現在ではこちらのほうが正式名称になっているようです。
読み方が分かりません。どなたかご教示ください。
2022年10月8日(土) 15:00〜
1)2022年8月24日付
GERS figures: Why Scotland's deficit is falling faster than UK Government - John Swinney
「GERSの数字:スコットランドの赤字が英国政府よりも速く減少しているのはなぜか - ジョン・スウィニー」

今朝発表された2021/22年のスコットランド政府歳入・歳出報告書(GERS)の数字は、スコットランドの財政状況がパンデミックの後、英国よりも速く回復していることを示している。
(ジョン・スウィニー)
ジョン・スウィーニースコットランド副首相
この数字は、過去最高の歳入増加により、年間赤字が大幅に減少したことを示している。そしてこれは、私たちがごく最近経験した石油価格の上昇の完全な影響以前のことであり、石油とガスの収入は今年130億ポンドに増加すると見込まれているので、スコットランドの赤字は来年もまた英国よりも速く減少するだろう。GERSは、コスト危機に対する英国の対応が、いかにスコットランドの天然資源、特に北海油田へのたなぼた利益税(超過利潤税)(※1)で構築されているかを示している。

今日の数字は、北海油田の収入がなくても、スコットランドが得た歳入は、すべての委譲された支出、スコットランドの国家年金支給を含むすべての社会保障支出(委譲されたものも留保されたものも)も同様にカバーしていることを示している。また、パンデミック中にスコットランド国民党政府が行ったさまざまな政治的選択のいくつか、例えば、2021/22年の英国の他の場所よりも有利なビジネスレート(※2)控除の提供なども反映されている。

GERSは、歳入の74%、歳出の37%が留保されている現在の国制上の取り決め下でのスコットランドの財政状況を説明しており、緊縮財政やブレグジットなどの保守党の破滅的な政策決定の結果として、スコットランドの経済がすでに苦しんでいることは周知のことである。英国にはG7で最も高いインフレ率があり、ロシアを除くG20諸国のどの国よりも悪い経済見通しがある。右傾化している人々によって運営されているブレグジットを基本にした経済が、将来の成功の処方箋ではないことは明らかだ。
そして今、記憶に新しい最悪の生活費危機の間、英国政府は何もせずに過ごしていて、保守党は3年に一度のリーダーシップ争いを行っている。独立は特効薬ではないが、それは現在の嵐を乗り越えることを可能にする完全な経済的および財政的梃子をスコットランドに与えるだろう。英国議会の手にそのような手段を委ねて最善を願っているのよりはましなのだ。
私たちの最初の独立についての報告書は、比較可能な国が英国よりも豊かで、公正で、より強い財政を持っていることを示した。それで問題はなぜスコットランドはそれができないのか?ということだ。独立趣意書の一環として、私たちは、独立の力によって、より繁栄し、より持続可能で、より公平なスコットランドを築くために、私たちの経済力と資源をどのように構築できるかを概説しよう。
(※1)Windfall Profit Taxとは何?(Weblio辞書)
一般的には、企業収益が適正利潤を超えたときにその超過分を税収として吸収しようとして設けられるのが超過利潤税であるが、原油生産者については、二度にわたる石油危機に伴う原油価格高騰や、原油価格規制撤廃に伴う価格上昇などにより、原油生産者にとって予定外の超過利潤が発生したとして、それを税収として吸収するために設けられている。

(※2)ビジネスレートとは何か?(JETRO 日本貿易振興機構)
ビジネスレートは、地方自治体が非居住用(事業用)資産(店舗、事務所、倉庫、工場など)に課している固定資産税で、日本と同様、不動産評価額を基準に課税額が定められる。しかし、不動産の所有者ではなく、使用者が支払う義務を負う点で日本と異なる。ビジネスレートは地方自治体が徴収するが、英国の法人税が国税しかないことを考えると、ビジネスレートはある意味では法人向け地方税ともいえる。しかし、法人税と大きく異なり、収益の有無にかかわらず定額を支払わなければならず、物価上昇に鑑み毎年、税率が改定される。
2022年9月3日(土) 15:00〜
1)2022年7月15日付
Weather Scotland: Amber alert for extreme heat in Scotland as temperatures soar in heatwave
「熱波による気温の急上昇のため、スコットランドに猛暑に対する厳重警報」

週末にかけて気温が急上昇することが確実視されているために、気象庁はスコットランドの一部の地域に猛暑に対する厳重警報を発令している

警報は現在のところ、ダンフリース&ギャロウェイ、日曜日からロジアンとボーダーズを対象としていて、更に被害を受けやすい人々や交通インフラへの危険について警告している。温度計は来週の始めまでにはスコットランドで30度に達する可能性があるであろう。
イングランドにおいては、「生命の危険」をもたらすという、より深刻なレッドラインの警報がはじめて発せられている。イングランド南部の気温はこれまでの記録を上回る40度に達するであろう。
気象庁の報道官は次のように述べている。「猛暑の期間は日曜日から始まると思われ、おそらく来週初めにはピークに達し、人々やインフラに広範囲の影響をもたらすことになりそうである。非常に暑い夜の後に、すでにイングランドとウェールズの他の地域で広がっている暑さが、ウェールズ、イングランドの南西部と北部、スコットランドの南部でさらに広範囲に広がると予想されている。昼夜を問わず月曜日と火曜日は、気温が非常に高くなる可能性がある。これは、暑い週末に続いて、人々とインフラに広範な影響をもたらすことになるであろう」

水不足警報

使用者が先週末、主として庭に散水することによって、水道用水の水を2億リットル余分に使用したので、スコットランド水道局が緊急の「水を節約してください」という訴えを発している状況である。水不足の最初の兆候を示し始めているアラン島のように、国の各所に向けて給水し始めるために、給水車が集められている。さらに、同時に、スコットランド環境保護庁は、国の東部の多くが現在、水が「かなりの不足」の状況にあると報告しており、これは被害の可能性が2番目に高い警告である。
気象警報はスコットランド南部をカバーしている

現在の水不足の原因は昨年作られたものである。当時、スコットランドの水道当局は、秋から冬にかけてかなりの量の降雨があれば、水資源の蓄えの減少を再び満たすことができると警告したが、水資源の蓄えの減少を再び満たすことが実現されなかった。先週末、気温が急上昇したために、ほんの2日間で、使用者は自宅や庭の蛇口からさらに2億リットルを使用した。その水量は、オリンピックサイズのスイミングプール100個分に相当する。スコットランド水道局は、また、人々はシャワーの時間を短くし、歯を磨いているときは蛇口を閉めるべきだとも言っている。散水禁止の見通しはまだないが、スコットランド水道局は、水道用水の消費量が増加するのを「綿密に監視」していて、供給を制限する可能性があると述べた。

水道運用管理者のキース・ジャスコウィッチ氏は、次のように述べている。
「雨の降らない気候が、使用者が使用する水道量を増加させるであろう。またその需要を満たすために給水システムに導入しなければならない水道量も増加させることになるであろう。我々は、貯水池やその他の水源を綿密に監視し続ける。暑い気候や降水量の不足が続き、家庭や庭での高い使用レベルが続くということは、今後数日から数週間で水道水使用に制限がかかる可能性があるということである。我々は、消費者への水の供給を維持するためにできる限りのことをする。これには、ネットワークを通して水を移動させ、必要ならば給水車によってコミュニティに追加的な供給を導入することが含まれる。各家庭では、あらゆる場所で可能な限り、特に庭では、水を効率的に使用し、節水するためのいくつかの簡単な手順を実行するようにお願いしたいと思っている」
スコットランド東部では、フォース、アーモンド、タインの各河川と同様にディー川の集水地域は、「かなりの水不足」に対する警告に引き上げられた。それらの地域は、水不足に対するスコットランド環境保護庁の2番目に高い警告を受けているアバディーンシャー、テイサイド、ファイフの地域に属している。西部においては、クライド川の流域が「警戒」レベルに引き上げられたが、一方で北西部とウェスタンアイルズは通常の状態を維持している。
2022年8月6日(土) 15:00〜
1)2022年7月5日付
Scottish Independence: Lord Advocate Dorothy Bain QC refers independence referendum Bill to Supreme Court | The Scotsman
「スコットランドの独立:スコットランドの法務長官(※1)ドロシー・ベイン勅選弁護士(※2)は独立住民投票法案を最高裁判所に照会する」

スコットランドの最高法務責任者は、また独立住民投票(※3)を行うスコットランド政府の立法化を、最高裁判所に照会している。

スコットランド首相ニコラ・スタージョンの2023年10月19日にまた住民投票を行う計画の声明に続いて、スコットランド議会がかような示唆的投票(※4)を行う権限を有するかどうかについての考えを最高裁判所に照会することに法務長官ドロシー・ベイン勅撰弁護士は同意した、とスタージョン氏は述べた。

火曜日に、18ページにわたる照会が裁判所に提出された。
「スコットランド政府、スコットランド議会、スコットランドの住民、さらに広く英国は、この根本的な組織上の重要性を持つ問題の適切な条件の範囲について、明確にするべきである」と法務長官は自分の提出書類に書いた。
「法律の問題であるので、この法廷のみがその明確さを示すことができる。その問題が司法で解決されないならば、スコットランド議会の権限について不確実性および議論の余地が残るだろう。それはスコットランド住民や英国国民にとってよいことではない」
こういった状況において、法務長官は、自分が最高裁判所から司法の決定を手にすることは適切である、と決めている。したがって、法務長官は、スコットランド法付則6第34項に基づき、自分に保持された権限の行使において、この照会を行う。この権限が法務長官によって行使されたのは初めてである。それはこの問題の持つ、基本的な重要性やその特別な性質によるものである」
スコットランド首相ニコラ・スタージョンの2023年10月19日にまた住民投票を行う計画の声明に続いて、スコットランド議会がかような示唆的投票を行う権限を有するかどうかについての考えを最高裁判所に照会することに法務長官ドロシー・ベイン勅撰弁護士は同意した、とスタージョン氏は述べた。

火曜日に、18ページにわたる照会が裁判所に提出された。
「スコットランド政府、スコットランド議会、スコットランドの住民、さらに広く英国は、この根本的な国制上の重要性を持つ問題の適切な条件の範囲について、明確にするべきである」と法務長官は自分の提出書類に書いた。
「法律の問題であるので、この法廷のみがその明確さを示すことができる。その問題が司法で解決されないならば、スコットランド議会の権限について不確実性および議論の余地が残るだろう。それはスコットランド住民や英国国民にとってよいことではない。こういった状況において、法務長官は、自分が最高裁判所から司法の決定を手にすることは適切である、と決めている。したがって、法務長官は、スコットランド法付則6第34項に基づき、自分に保持された権限の行使において、この照会を行う。この権限が法務長官によって行使されたのは初めてである。それはこの問題の持つ、ある程度の基本的な重要性やその特別な性質によるものである」

ベイン氏は、ある問題について法案が議会にかけられる前に立法化するスコットランド議会の力量を「信頼」する必要があること、またその趣旨の声明を明らかにする必要があること、を裁判所に伝えた。「今回の場合、法務長官はそれに必要な信頼を持っていない」と裁判所に書き伝えた。その提出書類において、法務長官は裁判所に一つの問いを投げかけた、「住民投票で問う質問が『スコットランドは独立国になるべきか?』とする、提案されたスコットランド独立住民投票の法案の規定は、留保事項と関連があるのか?」ベイン氏はまた次のことを強調した、来年行われる住民投票は法的拘束力のあるものではなくて、単にその問題について、スコットランド住民の意思を示すに過ぎないものであることを。
「その法案はその結果に呼応して生じる事柄については明記していない」とベイン氏は書いた。
「その法案は住民投票が行われることのみを規定する。従って、法的問題として、法案に従って行われる住民投票の法的拘束力はない」
もし最高裁判所が示唆的投票でさえスコットランド議会の権限内にないという評決を下したなら、スコットランド首相は次の総選挙は、SNPは独立の問題一つに絞り、「事実上の住民投票」として機能するだろう、と語った。先週、最高裁判所の最新情報によれば最高裁判所の裁判長アラミュアのリード卿が、この件を審議する。そして、リード卿は、その件をいつ審議するのか、予備的事項を論ずることができるかどうか、何人の裁判官がその件にあたるのか、またどの裁判官が裁判官席にすわるのかを、決める。
(※1)スコットランドの法務長官
スコットランド議会およびスコットランドにおける女王(または国王)の法的助言者。
スコットランド議員である必要はない。他の大臣と同様、議会で答弁することができる。しかし投票権はない。
ドロシー・ベイン(1964〜)は2021年6月22日以来、この役職に就いている。

(※2)勅選弁護士
QCはQueen's Counselの略(国王の場合King's Counsel)。
経験や知識があり、女王(または国王)の任命を受けて、難しい法廷事件を扱う。シルクのガウンを義務付けられている。

(※3)また独立住民投票
2014年9月18日アレックス・サモンド首相の時、またスコットランド独立住民投票が行われた。
2012年10月、アレックス・サモンド首相と当時の英国の首相デーヴィッド・キャメロンとのエディンバラでの合意書によるものだ。その結果は賛成44.7%、反対55.3%で、独立は否決された。
そこでサモンド氏は責任を取り、首相およびスコットランド国民党党首を辞任し、その後任に当時の副首相及び副党首のニコラ・スタージョン氏が就任し、現在に至っている。
another independent referendumは、2014年に独立住民投票を行ったが、2023年に「また独立国民投票を」ということ。

(※4)示唆的投票
法的に拘束力のない投票。ある懸案事項に複数のオプションを示し集団の意思をテストする手段、指標とする投票。
2022年7月9日(土) 15:00〜
1)2022年5月30日付
Cost-of-living: Prices for cheapest pasta soar 50% as inflation hits poorest households
「生活費:インフレが最貧世帯に打撃を与えると同時に、最も安いパスタの価格が50%急騰した」

各世帯が暴走するインフレに対処しているときに、英国のスーパーマーケットで最も安いパスタの価格がたった1年で50%高騰した。

国家統計局によると、パスタの価格は昨年の4月から今年の4月の間に50%上昇した。統計局は全国内のスーパーマーケットで最も安いコストの品目の価格の上昇を追跡した。
統計家は、インフレが町の普通の男女にいかに打撃を与えているか? また インフレが彼らの懐具合にどのように打撃を与えているか?の着想を得るために、最貧世帯が定期的に購入しているとみられる30の日用品を選んだ。
パスタの価格は過去12か月間に急騰している。
彼らはアルゴリズム(演算システム)を、Asda(アズダ)、the Co-op(生協)、Iceland(アイスランド)、Morrisons(モリソンズ)、Sainsbury's(セインズベリーズ)、Tesco (テスコ)、Waitrose(ウエイトローズ)など、国内最大の食品小売業者のウエブサイトで可能な限り安価な代替品を選択できるように新たに構築し、年間を通じてその価格を追跡した。
Aldi(アルディ)とLidl(リドル)は英国で最も安いスーパーマーケットの1つであるにもかかわらず、競合他社と異なり、顧客がオンラインで買い物ができるようにしていないため、含まれていない。

データによると、パスタの価格がもっとも速い速度で上昇し、ポテトチップ(17%)、パン(16%)、牛ひき肉(16%)、米(15%)がそれに続いた。ジャガイモ(14%)、チーズ(7%)、ピザ(4%)、「フライドポテト」(3%)、ソーセージ(3%)、リンゴ(1%)の価格に下落が見られた。
状況は専門家が 最近、国内の最貧世帯が生活費危機の矢面に立たされていると警告したとおりとなっている。
インフレは、消費者物価指数で測定されたように4月に9%と40年ぶりの高水準に達したが、最も裕福でない人々は、収入の大部分を光熱費などの基本部分に費やしている。その結果、財政研究所は、最貧世帯のインフレ率が4月までの1年間で10.9%であったことを示唆している。
最新の国家統計局分析によると、少なくとも選択した30品目では、最も安価な代替品のインフレ率は、食料品やアルコール全体の価格と同様に推移しており、6%から7%の間で上昇している。

しかしながら、商品の購入に関連するコストは考慮されていない。例えば、ジャガイモの価格はこの1年間で大幅に下落したが、悪戦苦闘している多くの世帯は、ジャガイモを避けている。なぜかといえば、ジャガイモは他の代替品よりボイルに時間がかかり、したがってより高価なガスを使用するためである。3月、アイスランドの(社長)ボスは、フードバンクのユーザーの中には、ジャガイモやその他の根菜類を煮る余裕がないためにそれらを断っている人がいると言った。

国家統計局は、これまで行ってきた調査は「非常に実験的」であることを認めた。分析が最も安い価格の商品のみに焦点を当てているため、見積もり(算出されたデータ)は非常に少数の価格相場に基づいていると警告した。これは、データがたった一つの品目の変更に対して非常に敏感であること(影響を受けやすい)を意味する。
またそれは、伝えられるところでは、店内で最も安い商品へのアクセスを制限しているスーパーマーケットを批判してきた人物で、食品運動家のジャック・モンロー(※1)の懸念を緩和するものではない。
(※1)食品運動家のジャック・モンロー
イギリスのフードライター、ジャーナリスト、活動家で貧困問題、飢餓救済に関するキャンペーンで知られている「利用可能な商品は、その月に地元の店舗で入手可能または購入された商品の範囲というよりはむしろ、小売業者のオンラインカタログにのっているもの」と国家統計局は述べた。
2022年6月11日(土) 15:00〜
1)2022年4月1日付
ScotRail announcements to be Gaelic-first after nationalisation, Scottish Government announces
「国有化後にはスコットランド鉄道ではまずゲール語でアナウンスするとスコットランド政府が発表した」

(※1)始めに種明かしをしておきます。4月1日エイプリルフールの日の記事です。

来年4月1日からすべてのサービスに変更が導入されるので、今日から国の監督下になる列車の車掌には、全員にゲール語のクラスが提供される。そして、この活動が人気を博すれば、乗客が、何が行われているのか理解できるように乗客のために定期的にゲール語の社内レッスンを導入する計画があるとのこと。公有化を祝うための他の措置、無料のショートブレッドの提供、車掌にキルトを着せる、車体をタータン模様にするなどは、これまでのところ「やりずぎ」として除外されている。アルコール禁止はそのまま残る予定なので、ブランドウイスキーの販売も却下された。
(※2)車体に書かれている「Rèile na h-Alba」は本物には
「Scotland's Railway」と書かれています。
あるスコットランド政府筋は次のようにかたった。「この変更をもたらすことに興奮しており、乗客に人気があると確信しています。列車が時間通りに走るという保証はありませんが、少なくとも誰もが1つか2つのことを学ぶことができるでしょう。スコットレールはゲール語を広める上で他の部門を先行しました。今、私たちはついに、これらすべての奇妙な駅名を正しい発音で聞けるようになるでしょう。」ゲール語鉄道プロジェクトと呼ばれるこの新事業にどれくらいの費用がかかりそうかは分かっていないが、野党政治家はすでに怒りで反応しており、乗客がクパルやオパルドヴェルを理解しようとして停車駅を乗り過ごすのではないかと危惧している。

(※3)CùbarはCupar、Obar DobhairはAberdour。いずれもファイフ地方の地名。

しかしゲール語の教師フォラ・イポル(Fora Ipoll)は、第一群の車掌たちにゲール語のレッスンをするために雇われているが、この案に疑念を持つ人たちも説得されると確信している。

(※4)Fora Ipollのつづりを入れ替えるとApril Foolになります。

「悪いニュースは別の言語で配信された方が柔らかく響くものです。乗客の半分は自分がどこにいるのか、何が起こっているのか分からないし、残りの半分はアナウンスがわかったことをとても喜んで、怒っていることを忘れるでしょう」
政府筋は昨夜、毎週のゲール語レッスン週間には列車本数が減らされることを確認したが、
「誰も気づかないだろうと確信していました」
「閣僚はこの計画に非常に興奮しています。列車については、列車を快適にしたり、時間通りに走ったりするようなことは実際に何もできないことをかれらは認識していますが、しかしこの計画は比較的費用対効果の高い方法で、誰もが何かが変わったと思うように誤解させます。誰もが勝者です、それともゲール語でブアナイヒェ(勝利者)と言うべきでしょうか」
2022年5月21日(土) 15:00〜
1)2022年3月10日付
Ukraine crisis: Police Scotland issues statement to schools to reassure 'no threat' following Vladimir Putin's invasion
「ウクライナ危機:スコットランド警察は各学校に向けて、ウラジーミル・プーチンのウクライナ侵攻について、それに続く「脅威はない」として安心させるための声明を出した」

スコットランド警察は、ウラジーミル・プーチンの侵攻についてウクライナにおける軍事行動に続く特定の脅威はないことを保護者や生徒に向けて発信し、安心して欲しいとの声明を各学校に向けて発表しています。

スコットランド警察が、スコットランドの各学校に声明を出したのと同時に、コミュニティは「通常業務を行う」ことを求められている。
声明は先週、マーク・ウイリアムズ副警察本部長によって、先週発表され、そこで、「報告された軍事行動の結果としていかなる特定の脅威をも示す情報はない”」と述べている。
しかし、ウィリアムズ副警察本部長は、以下のように述べた。「ウクライナ侵攻という出来事がウクライナやロシアと関係を持つスコットランドの住民のみでなく、ポーランド、ルーマニア、チェコ共和国、スロバキア、モルドバ、ハンガリー、ブルガリアを含む旧東側圏諸国/ソビエト連邦圏諸国と関係を持つ住民にも影響を与える可能性があることを警察は認識している。さらに、リトアニア、ラトビア、エストニア、モルドバ、ベラルーシを含む旧ソビエト社会主義共和国連邦との関係を持つ住民についても同様の認識である。
警察は、ヘイトクライムに対して警鐘を鳴らすと同時に、ロシアの侵攻に続く「脅威はない」とスコットランドの各学校に対して安心させている。
(写真:ジョン・デブリン)
ウィリアムズ副警察本部長は、さらに述べている。スコットランド警察は人々の安全を維持することに献身しており、共に連帯し全員が協力し、そしてスコットランドの人やグループが疎外や孤立を感じることのないことを保証し続けるように促した。
彼は次のように述べている。
「スコットランド警察は、いかなる個人またはグループによるコミュニティを標的とした試みに対して容認はしないし、すべてのコミュニティと連帯して問題を解決し、あらゆる懸念に対応します。この点について、私達は人々に通常業務を行うように促しています。しかし、人種差別的な虐待や脅迫、その他いかなる形であってもヘイトクライムを受けたり、目撃したりした場合は、誰もが警察に連絡して事件を報告すべきでしょう。どうか安心してください。スコットランド警察は、国内外の協力者と連帯して、すべてのコミュニティの安全と福祉を確保し続けています。コミュニティの安全を維持するための人々の継続的なサポートに感謝いたします。情報や懸念がある場合は、以下のような方法で警察に連絡してください。電話の101、緊急時の999、さらに手話アプリのスコットランドBSLまたはショートメールのSMS 999に連絡するか、0800555111に匿名でクライムストッパーズに連絡することをお勧めします。あなたがヘイトクライムの被害者または目撃者である場合は、このことは、スコットランド警察Webサイトのオンラインヘイトクライム報告フォームを使用したり、あるいは第三者団体の報告センターの中での1つを経由して報告することもできます」
2022年4月2日(土) 15:00〜
1)2022年2月28日付
Ukraine-Russia conflict: Oil tanker cancels Orkney visit after Russian ships denied access to UK ports | The Scotsman
「ウクライナ・ロシア紛争:ロシア船舶が英国の港に入ることを拒否されて、石油タンカーはオークニー寄港をキャンセルする」

ロシア船舶は英国の港に入ることはできないと通告されて、石油タンカーはもはやオークニーに停泊することはない。

グラント・シャップス英国運輸大臣は、その措置はウクライナ侵攻に伴うウラジーミル・プーティン体制に対する、継続中の制裁の一部である、と発表した、その決定はスコットランド首相ニコラ・スタージョンによって歓迎された。首相は以前そのタンカーに寄港してもらいたくないと語った。タンカーNSチャンピオンは、火曜にフロッタ島(訳注)のオイルターミナルに着く予定であった。
フロッタ島:オークニー諸島のホイ島とサウス・ロナルドシー島の間の小さな島。
写真:キーズ・トーン/ウィキメディア・カマンズ
ロシアのタンカー、NSチャンピオンは火曜にオークニーに着く予定であった。
その船は大半をロシア国家が所有する会社、ソフコムフロット海運会社所属である。オークニー諸島議会はその船を停泊させないようにする力はないと言っていた。
英国のすべての港湾宛の書簡において、シャップス大臣は、海運部門はロシア制裁において「自分の役割を果たすことを」しなければならない、と述べ、さらに書いた。
「ロシアのウクライナへの攻撃は、主権民主主義国家に対する、いわれのない、計画された攻撃である。ロシアのウクライナへの軍事的侵攻は、とてつもない結果になるだろうし、厳しい損失を伴うだろう、と英国政府は明らかにしている。そして、われわれの国際的同盟国やパートナーと連携して、われわれは今までにない、さらなる制裁を策定中である。海運部門は国際貿易にとっては不可欠なものであり、われわれはロシアの経済的利益を制限し、ロシア政府に責任を求めることにおいて、自分の役割を果たさなければならない。このような状況では、運輸省はロシア船舶が英国の港湾に入ることは適切ではないと考える。今後、ロシアと関連する何人かが所有し、管理し、チャーターし、また操業すると信じられる船舶を、指名された人物が所有し、管理し、チャーターし、また操業すると信じられる船舶を、またロシア国旗掲揚の船舶、ロシア登録の船舶を、英国の港湾に入港させないように要請する。われわれは、上記の範囲内のロシア船舶の確認で英国港湾を助け、上記の範囲内の英国港湾に向っている船舶を確認次第、関連の港湾に直ちに知らせる。ロシア船舶に対するさらなる具体的な制裁は目下策定中であり、さらなる詳細についてはすぐにお知らせする」

スタージョン首相はツイートした。「これはいいことである。ロシア船舶のオークニーへの寄港予定につき、昨夕、グラント・シャップス大臣と建設的な話をした。より長期的な法令が発効するが、わたしはこの方法を歓迎する」
オークニー諸島議会代表(訳注)のジェームズ・ストッカン氏は語った。
「週末、われわれ共同体ばかりでなく、われわれの組織の隅々まで強く存在する気持ちを支援するために、幹部たちはタンカー寄港の解決策を見つけようと精力的に話し合いました。
ストッカン氏の役職Orkney Islands Council leaderについてはオークニーのジョンストン由香さんに問い合わせて「オークニー諸島議会代表」としました。
今日の午後の英国政府運輸大臣からの告知を歓迎しました。まさにこれは、この何日かわれわれが検討してきた解決策の一つであったからです。その告知のあと、タンカーの代理人から寄港を取りやめるという知らせが入りました。今回は大変複雑で、展開の早い状況でしたが、結局、可能な限り最良の解決策をわれわれは達成したのです。この結果に寄与された諸氏に感謝申し上げます。さらに、この問題に対し、われわれの驚くべき共同体各位がされましたことを大いに評価して、共同体の皆様に心からの謝辞を述べたいと思います」
2022年3月5日(土) 15:00〜
1)2021年1月27日付
Letter written by Mary Queen of Scots to French ambassador up for sale
「スコットランド女王メアリーがフランス大使宛に書いた手紙が競売にかけられる」

その手紙は、14,000ポンドから18,000ポンドで売れるだろうが、メアリー女王からイングランドのフランス大使に、スコトランドの貴族、ジョージ・ダグラスのフランスへの安全な通行を認めるよう依頼するものであります。
それは1568年5月2日パースシャーにあるロッホ・レーベン城からの逃亡の後2か月してカーライル城にて書かれました。ロッホ・レーベン城では、メアリー女王は幼年の息子(満1歳)ジェームス6世のために強制的に退位させられた後およそ1年間投獄されていました。
メアリー女王は、ジョージ・ダグラスのためにフランへの安全な通行を保証することを手助けすることによって、彼が彼女のためにフランス王に彼女の自由を保障するようにとりなすことを願ったのでした。
来月競売にかけられるスコットランドのメアリー女王の自筆書簡と
ライオン・アンド・ターンブル社のキャシー・マースデン
その手紙はエジンバラに本社のある美術品競売会社、ライオン・アンド・ターンブル社によって2月2日(水)にオークションとオンラインによって競売されます。キャシー・マースデンはライオン・アンド・ターンブル社の稀覯本、原稿、地図の専門家ですが、次のように言いました。
「メアリー女王の自筆の手紙が競売にかけられることは珍しいことです。このようなもろくなっている手紙を保管することは本当にたいへんなことです。(この手紙には)秘書官によって書かれた12行の文とメアリー女王自身の手によって付けくわえられた6行の文があります。その手紙には、『あなたの非常に親しい友人、メアリー』とフランス語で書かれています。歴史上のメアリー女王の特異な立場を考慮に入れれば、我々はこの競売に多くの興味がもたれるものと予想しています」
その手紙では、駐イングランドフランス大使に手紙の持参者のジョージ・ダグラス、に、金貨300エキュを貸すとともにフランス王家と相談してジョージの安全な通行の保証を求めています。ロッホ・レーベンからのメアリー女王の逃亡はジョージ・ダグラスと彼のいとこウイリアム・ダグラスの助力がありました。メアリーは、彼女のいとこであるエリザベス1世による保護を求めてイングランドへ行ったが、カンバーランド副総督リチャード・ラウザー、によってとらえられ、カーライル城に護送されました。
メアリー女王は、44歳で1587年2月8日ノーサンプトンシャーにあるファザリンゲイ城で首をはねられる前まで、エリザベス1世により19年間幽閉されていた。彼女の生涯、結婚、家柄、エリザベスに対する陰謀に巻き込まれたとされているが、その後の処刑などによって、メアリー女王は(周囲に)不和の種を生みだし、加えて高度にロマンティック化にされた歴史上の人物として(の見方)が確立されました。
(訳注)この手紙は、32,500ポンド(約500万円)で落札されました。
2022年2月5日(土) 15:00〜
1)2020年1月6日付
Ministers back Tory MP calls for BBC to play UK national anthem more
「BBCが英国の国歌をもっと演奏するよう求めた保守党議員を閣僚は支持」

閣僚は、BBCに英国の国歌をもっと演奏させようという保守党議員からの呼びかけを支持するようだ。
英国国会のアンドリュー・ロジンデル保守党議員は木曜日に議会で、国営放送局は毎日番組終了時には国歌を演奏するべきであると語った。ロジンデル氏は下院で次のように語った:
「私は国歌斉唱が我が国への大きな一体感と誇りを提供するものであることに文化省の政務次官が同意するものと思います。女王の在位70周年の今年こそ、政務次官は公共放送局が国歌を演奏することを奨励し、BBCがニュース24に切り替える前に、その日の番組の終わりにその習慣を確実に復活させるための措置を講じてくださいませんか?」
ナディーン・ドリーズ英国文化大臣が、ロジンデル氏が質問を終えると、「素晴らしい」と言っているのが聞かれた。クリス・フィルプ内務省政務次官は賛成意見に付け加えた。
「私たちは、国歌の斉唱、女王陛下、さらにユニオンジャックの掲揚などの愛国心の発揚を完全に支持します。率直に言って、私たちがこの分野でできることが多ければ多いほど、学校のような組織で国歌を聞くこと、国歌が歌われるのを聞く機会が多くなればさらに良くなるでしょう」
スコットランド国民党の院内総務であるピート・ウィシャート議員は、保守党議員たちを「時間を無駄にしている」と非難して次のように語った:
「スコットランドの人々は、保守党の(政策がもたらした)生活費危機に対して英国政府が全く何の取り組みもしていない。英国の壊滅的な危機に直面しているのに、保守党議員たちはBBCに繰り返し国歌を演奏させようとして時間を無駄にしています。4月から、平均的な家族は、保守党の(予算)削減、逆進的な増税、高騰するインフレ光熱費の請求書などの結果として、年間1,200ポンドを失うことになります。これは、スコットランドと英国全土のすべての家族に影響を与える問題です。保守党が、家計所得を引き上げ、英国政府の支配下にある貧困と不平等の恐ろしいレベルを逆転させるべく重い腰を上げて支援を提供すべき時に、壊れたレコードのように過去の時代に戻って時間を無駄にしているということは信じ難いことです。英国政府は修理不可能なほど壊れており、これまで以上に実態を把握していないように見えます。スコットランドが独立した国になり、英国政府から永久に脱出するのが早ければ早いほど、より良いのです」
質疑応答の他の場所では、保守党のクリストファー・チョープ元(運輸)政務次官が、BBCがテレビの受信料を支払っていない75歳以上の人に対して制裁を課するBBCの権限を取り除くようにと英国政府にせまった。
ドリーズ大臣は、問題は「しっかりと審査をしている最中で検討中です」であると言った。
英国国旗、スコットランド旗、EUの旗がエディンバラの
スコットランド議事堂の外にひるがえる。(写真:PA)
(訳注)記事中のsecretary, minister の訳語については下記のサイトを参考にしました。
政務次官 (イギリス) - Wikipedia
2022年1月8日(土) 15:00〜
1)2020年11月24日付
St Andrew's Day 2021: Who is Saint Andrew? Why Scotland celebrates St Andrew - and what happened to his bones?
「2021年聖アンデレ(英語読み:アンドルー、以下同様)の祝日:聖アンデレとは誰ですか?なぜスコットランドは聖アンデレを祝うのですか - そして彼の遺骨はどうなりましたか?」

聖アンデレの日に、スコットランドは守護聖人を祝います。聖アンデレが誰であるのか、何故スコットランドで彼を祝うのか、聖アンデレの遺骨が現在どこにあるのかについて、あなたが知る必要のあるすべてを紹介します。
毎年11月30日に開催される聖アンデレの日は、守護聖人を記念する日であり、スコットランド人がスコットランドの伝統と文化の中心に存在する守護聖人を祝う日であり、スコットランドのX十字の旗からセント・アンドルーズ大学に至るまで、あらゆる場所で聖アンデレの存在が見られます。しかし、使徒はガリラヤにルーツを持つということ、と世界中の国々でのパトロンとしての支援は、聖アンデレとスコットランドとのつながりについて依然として多くの混乱を引き起こしています。
セント・アンドルーズ大聖堂:セント・アンドルーズ、ファイフ
聖アンデレとは誰ですか?
使徒アンデレとして知られる聖アンデレは、ローマ帝国の支配下にあった紀元5年から10年の間に、イスラエルのガリラヤで生まれていたと信じられています。新約聖書によると、アンデレと兄弟のシモン・ペテロ(聖ペテロ)は、イエスから12人の使徒あるいは弟子のうちの2人に加わるようにとの呼びかけを受けるまで、漁師として働いていました。『ヨハネによる福音書』は以下のように記しています。アンデレがイエスに合流する以前に、洗礼者ヨハネの弟子として最初に声をかけられていた、と。イエスとその弟子たちについての新約聖書に出てくる多くの物語と聖典の中で、アンデレは、イエスに付きしたがい布教に突き進む最も重要な使徒の一人として登場します。Xの形をした斜めの十字架によるアンデレの磔刑は、ギリシャにおいて、紀元60年11月30日と想定される日に、ローマ人の手によって執行されたのであり、彼の死の形こそスコットランドの旗の起源であり、別名聖アンデレ十字として知られています。この聖アンデレの殉教のシンボルは、中世に至るまで完全に確立されていたとは限らないと考えられます。
スコットランドで聖アンデレの日を祝うのはなぜですか?
聖アンデレの日は、いくつかの理由で毎年11月30日にスコットランドで祝われていますが、いずれも完全に裏づけられているものはありません。“聖レグルスの航海”の伝説によると、聖アンデレのスコットランドとのつながりは、聖アンデレの遺骨を持って、聖レグルス(英語読み:ルール)(ギリシャ、パトラスの司教)がスコットランドの東海岸に危険に満ちた状態で逃走し、ファイフに残したことにより確固たるものになりました。
スコットランドのピクト人の王アンガスは、聖人に敬意を払ってセント・アンドルーズに修道院を建設しました。その聖人は、アンガス王の夢に現れ、その後のサクソン人との戦いで彼を勝利に導いたのでした。
この物語にはいくつかのバリエーションがあります。そのひとつは、アンガス王は戦いの朝の空に十字架を偶然見ました。それは聖アンデレから、サクソン人に勝利するのを助けるというメッセージでありました。
別の物話として信じられていることは、アンガス王が聖アンデレに救いを求め、もし自分を勝利に導いたならば、スコットランドの守護聖人としてこの国での守護を約束するというものでありました。
いずれにせよ、物語は、戦いの朝の太陽のまばゆいほどの光の中で、アンガス王が聖アンデレ十字に出会ったことがピクト軍に自信を与え、サクソン軍に勝利を収めるに至ったのでした。
聖アンデレの聖アンデレ十字は、それ以来スコットランドの国民的象徴に根付いてきていますが、ともかく1320年のアーブロースの宣言をもってスコットランドの守護聖人として至極当然のこととして確立されたのでした。
ロバート1世とスコットランドの貴族たちは、聖アンデレを聖ペテロの兄弟であるとともにスコットランドの守護聖人として戴き、教会の基礎を築く責任を担うことで、スコットランドの独立およびイングランド王のスコットランド所有権の主張から守られる権利を認められるようにと、教皇ヨハネ21世に訴えようとしました。

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