◆Zoom スコットランドを語る会 活動報告 2021年◆
【第2回】
日時:2021年9月18日(土曜)18時〜19時30分
お話:ジョンストン・由香さん
演題:「オークニーより、日本へ」
参加者:18名
オークニー諸島のストロムネス在住のジョンストン・由香さんにお話しいただきました。
Zoomの利点を活かし、リアルタイムでスコットランドから参加していただくという初めての試みを大成功で終えることができました。
ジョンストン由香さんのお話はオークニーの歴史、地理に始まり、オークランド出身の作家、作曲家、画家の紹介、オークニーのウイスキー蒸溜所「ハイランド・パーク」の紹介に加え、ご自身が結婚でオークニーでどのように生活を始めたかというお話から、オークニーの日本語教室のことなど、非常に幅広い内容でした。
短い時間でしたが、オークニーの魅力を伝えていただきました。質疑応答も盛り上がり、楽しい1時間半の集まりでした。
中尾正史
オークニーより、日本へ
今回は9月19日に開催された「オークニーより日本へ」Zoom会議のレポートです。
オークニー・ジャパンアソシエイション(OJA)の副会長ジョンストン由香が、オークニーに移り住んでからの体験、オークニー諸島についての一般的な説明と島で愛されている芸術家達の紹介、オークニーで今まで実施してきた日本に関連する活動及び語学教室の日本語コースについて、スライドショーを混じえながら話しました。

まず、基本的なオークニーの情報、地理的情報、地名、人口、天候などの説明を行いました。 オークニーに移り住んでからの経験では、義理の実家が持つ牧場での家畜の飼育に関連する経験、今は一般的には行われていませんが、伝統的な家族行事を重んじるジョンストン家で行われているピート(泥炭)切り出しの様子、各教会区ごとに行われるオークニーの伝統的な行事ハーベストホームでのダンスの様子などを語りました。(ダンスについては動画で紹介)
オークニー諸島については、厳しい冬の天候とは対照的に楽しむ事が出来る自然環境や、観光名所について解説を行いました。
また、オークニー出身の芸術家ジョージ・マッカイ・ブラウンと、彼に縁のある人々を紹介しました。(スタンリー・カーシタ―、シルビア・ウィシャート、イアン・マキネス、ピーター・マックスウェル・デイビス、アーチ―・べヴァン)

最後に私が行って来た日本関連の活動や日本語コースを始めたきっかけ、難しかった点、さらに今後新しくコースを始める予定が有る事を話しました。
【質疑応答】
Q.オークニー移住のきっかけは?
A.オークニー出身の夫との結婚がきっかけです。
(追記:夫(スウェイン・ジョンストン)が海洋再生可能エネルギー修士課程を取得する為にオークニー諸島に戻り、その後就職した為)
Q.ビザや国籍について
A.国籍は日本国籍を保持、理由として日本は二重国籍を認めていない為。日本人と他国籍の親を持つ子供は21才か24才までにどちらの国籍にするか選択する必要があります。
(追記:実際には22才に達するまで)
(参考:法務省ウェブサイト
Q.Stromnessの発音はストロムネスかストラムネスか?またOrcadianの発音はオーケディアンかオルケディアンか?
A.私(ションストン)は、ストロムネスとカタカナで書きます。
また、オルケディアンとカタカナでは書きますが、これは英語発音、特に特徴のあるオークニーの人々の発音をカタカナ表記する事自体が難しい(ストラムネスに聞こえる人もいれば、ストロムネスに聞こえる人もいる。)ので、どちらでも良いのではないかと個人的には思っています。
Q.フォークダンスは踊りの途中でパートナーが変わる事はあるのか?
A.踊りによっては、パートナーが入れ替わる物もあります。
Q.写真に写っていた紫色の花は何ですか?
A.プリミュラスコティカといって、スコットランドでも限られた場所でしか見る事が出来ない花です。
オークニーではイエスナビ―(Yesnaby)という岸壁の近くの土地で見る事ができる。年に二回の花を咲かせます。



(追記:Primula Scotica または Scottish Primrose (WIKIPEDIA - Primula scotica)
Q.医療や老後の介護について
A.英国にはNHS(エヌ・エイチ・エス)という保険機関が有る為、医療は全て無料です。自身の息子が生まれて間もなく心臓大動脈狭窄の手術した時は、緊急ヘリコプターで本土の病院まで搬送、治療費や手術費だけでなく、両親の飛行機代、滞在費まで無料でした。
NHSは、National Health Serviceの略です。介護が必要な人は介護が受けられます。ただ、英国は政権が変わればすぐに政策が変更となる為、今行われているサービスの全てがいつまでも続く訳ではありません。
Q.学校のシステムや教師採用等はどうなっているのか?
A.スコットランドではNursery(幼稚園)とPrimary School(小学校)がくっ付いているところが多く、各教会区毎に在ります。地域によっては学年が1名から3名程度の為、複数の学年を纏めて教えている学校もある一方で、カークォールにはスコットランドで一番生徒数が多い学校などもあります。
小学校は5歳から始まり、11才で卒業。(7年制)その後、中学校と高校がくっ付いたセカンダリースクール(Secondary School)に進学します。その後は大学、主にスコットランド本土に行きます。離島の子供達は船や飛行機で通う場合と、14才以上になると宿舎生活をして週末に自宅に帰るという生徒もいます。
オークニーはオークニーカウンシルが全ての学校を統括している為、教師はカウンシルによって採用及び雇用されています。学校教育の窓口を一括でカウンシルが担当する為、学校とのイベント等が企画し易くなっています。
Q.ベアという太古の大麦があるが、それを使ったベアバノックというパンの様な物は普通の家庭料理か?
A.はい。とくに伝統的な農家の方々(私の義理の母や祖母も含め)が良く作ります。
レシピが難しい訳ではないですが、バノックを作る専用の鉄板(グリドル)を使う必要があるので、全ての家庭で作られる訳ではありません。お店で購入する事ができます。
Q.オークニーの名物料理は何か?
A.ミンスアンドタッティーズ(Mince and Tatties) はスコットランドの郷土料理として有名ですが、クラップショット(Clapshot)はオークニー独特の物と言われています。
ミンスとは牛ひき肉と人参、玉ねぎを炒めてグレービーソースで煮込んだ様な料理です。タッティーズとはスコットランドの言葉でジャガイモを指します。オークニーでは茹でたジャガイモやマッシュポテトの代わりに、マッシュポテトとマッシュしたニープス(スウェーデン蕪)を合わせた物をミンスに添えます。これが伝統的な家庭料理です。



(追記:一般的なミンスアンドタッティーズ)
オークニーのクラップショットについての説明は、ORKNEY.COMのページで読む事が出来ます。
1月末から2月初旬に行われるロバート・バーンズの生誕を祝うバーンズサパー(Burns Supper)では、ミンスアンドクラップショットにハギスが添えられます。
Q.ストーンサークルの石の色は何色ですか?(秋田大湯のストーンサークルは緑の石だった)
A.オークニーのストーンサークルの石はグレーです。ちなみに石はオークニー諸島内各地域の石が使われています。リングオブブロガー(Ring of Brodgar)の石は、石が切り出された地域の方角を背にして建てられているという説もある。(但し最近の科学と考古学の発展で説が訂正される事が多い)
Q.オークニーがノルウェーからスコットランドに譲渡されたのはいつでしたか?
A.ちょっと良くわかりません。
(追記:後日、山田先生から正式な年は1472年との事ご連絡がありましたが、出来れば然るべき人に聞いて欲しいという個人的なメールを頂きました。私の手元にあった本には1468年にオークニー、1469年にシェットランドがスコットランドの領地になったと書かれている本がありましたので、手元の本の引用と持参金の未払い等で移管完了が遅れ、二年後の1972年に国会で正式に領土と認定されたというスコッツマンの記事と合わせて山田先生にお返事を書かせて頂きました。現在義父のハーヴィーが体調を崩しており、話す事が出来ない為、何か判ればご連絡しますとお伝えしてあります)
(参考:THE SCOTSMAN - On this day 1472: Orkney and Shetland join Scotland
以上で今回の「オークニーより日本へ」Zoom会議のまとめとさせて頂きます。
(OJA/ジョンストン・由香)

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